ケニー・ロギンズ ケニー・ロギンズ

ケニー・ロギンズといえば、なんと行ってもみんなが思い出すのは、映画「トップガン」のメインテーマ…「ハ〜イウェイ・トゥ〜・ザ・デンジャーゾーン!」とか映画「フット・ルース」のエンディングに流れるアップテンポな曲かと思います。あと、アームレスリングの映画「オーバー・ザ・トップ」にも多分エンディングで使われています。一時期爆発的にヒットしたアーティストですが、キャリアはものすごく長いです。昨年(2002年)でキャリアが30年を超えた大ベテランなのです。
私にとってロギンズとの出会いは実は、すごく古く、私が小学生の時か中学生の頃にふとしたきっかけで「keep the fire」をリマールの「ネバーエンディングストーリー」のLPをデパート(ダイエー)の古レコードコーナーで買ったのがきっかけでした。ジャケットの何とも言えないファンタスティックな雰囲気から買ってしまったんじゃないかと今思っています。ステレオの針を落とすと、オープニングの低音と何とも言えない不思議な音律に何回も針を落としたものです(今聴くとそうでもないが)。それから、しばらく忘れて生きていた時期があって、レコードも聴かなくなったのですが、大学に入ったときに思い出したように、同じタイトルをCDで買って、他のも集めて、とのめり込んでいき、いつの間にか洋楽の中では5本の指に入る好きなアーティストになっていました。多分、すり込み効果というやつでしょう。
ロギンズの良いところはなんだろうと思うと、多分、聴きやすい。それも安心して。また、一本調子ではないということのような気がします。そして、この長いキャリアの中で徐々に才能を伸ばしていき、ヒットにつなげていったというか時代が要請した感じがよい。絶頂期には、やはり、多くの才能があふれる人が集まっているもので、クレジットを見るとマイケル・マクドナルドは当然のこと、デビット・フォスター、フリート・ウッド・マックのニックとか様々の人が集まっています。当然、集大成のように映画からのオファーもあったりと、確かに一時期のロギンズはオーラを発していました。
とにかく、確かにアメリカの音楽ですが、カウントリーというわけでもなく、アメリカの良い感じをだしながらも、ちょっと地味ででもポップでホッとするそんなアーティストです。
お薦めのアルバムは…まぁ、ベストから聴くのが基本でしょうが、バラエティに富んでいて聞き飽きないのは、「High Adventure」でしょうか。ロギンズのベストを聴いてフィーリングが合えば、そのアルバムを薦めします。ピアノにデビット・フォスター、ギターにマイク・ハミルトン、バックコーラスにスティーブ・ジョージと豪華な布陣となっています。
でも一番好きなのは、ベストにも入っているけど、「Nightwatch」のフリートウッドマックの歌姫、Stevie Nicksとのデュエット「whenever I call you "friend"」(二人の誓い)です。これは、私が苦しい恋をしていた青春とともにあった歌です。フキフキ "A^^;。ニックスのささやくような、かわいらしい、けれどもどこか芯のあるような、パートナーとしての信頼関係があるようなそんな感じで、ケニーものびのびと優しく歌っている光景は、まさにいつでもあなたを友達と呼ぶことができるよ。と。

なお、たまたま車の中(施設の子どもの受診の付き添い兼運転)でFMを聴いていて、「High Adventure」の中での「Heart To Heart」が多分黒人さんがカバーして歌っているのが流れてきて、また違った味わいの中に、歌そのものの優しさを確認しました。一緒に載っていた、後輩にケニーロギンズのカバーだよと言っても多分分からないだろうナァと思って、鼻歌をしながら楽しく病院に行ったのでした。(2003.2.10)

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