天才一直線!(頭脳絶好調)(Einfach Genial)

天才一直線
ドイツの名デザイナー、ライナー・クニツィーア(クニツィア)のどちらかといえば易しい部類のゲーム。クニツィアはもともと数学、理学の修士を取得。だから「競り」とか駆け引きの上で起こる「ジレンマ」をデザインするのに長けている。代表的な「競り」では「モダンアート」とか「ラー」がある。私は、地味だけど競りを楽しむには佳作といわれる「メディチ」をもっている。モダンアートやメディチは、システムはすごくシンプルだが、いろいろな勝ち方がある。まぁ、競りは、いかに安く仕入れて高く売るかが原則だ。あとまとめて品物を集めれば価値があるという原則がある。しかし、品物を集めさせないように競りで妨害をするが、そのためのコストをどのように考えるのかという損得勘定も必要である。いずれにしろ、相場観が必要といえる。
この他、「アフリカ」〜坊主めくりをしながら品物を集めたりするゲーム。「指輪物語」〜プレイヤーが完全に協力し合うというあまり例を見ないゲーム。とか、時間的にはサクサクと進むゲームを多くだしている。また、システムも重くなく、長く楽しむ思考ゲームが多いと言える。

「天才一直線!」は、ごらんの通り、いくつかの種類の記号の配置しかない。それを出来るだけつないで、得点を加算させていくゲーム。で、このゲームの売りは、平均してこの記号を押し上げていかないといけない点にある。つまり、他の記号が10点以上獲得していても、一つの記号が5点であれば、そのプレイヤーの総得点は5点となる。だから、まんべんなく配置していかないといけない。

ゲームの流れ
全体図

ルールはこれだけ、つまり、出来るだけつながるようにタイルを置いて得点を総合的に押し上げていくゲームである。
盤上にドイツ語が一切なく、記号だけなので、誰でも世界中の人が出来るゲームである。完全な戦略ゲームではなく、パイのランダムさがあるため、毎回違った展開と得点状況になるため、飽きが来ない。システムは簡単だが、いろいろな勝ち方や戦術が組み立てられるよいゲームである。

プレイオンノート
4人までゲームが出来るが、今のところ妻との二人プレイだけである。で、結構サクサクと進むものの、自分のことをこなすので精一杯で相手の邪魔をしたりする余裕がない。というのも、ランダムにタイルを引くので、その処理で精一杯である。もたもたしていると点数が伸び悩むし、邪魔をするとその分遅れてしまう。
「天才!」宣言も結構侮れない。二人プレイだと必ず一つは18点以上に達する。また、終盤に宣言されることが多いので、置くスペースも限られてくる。終盤、連続でタイルを置かれると自分の得点チャンスを激しく減らされてしまう。また、終盤は、低い点数の底上げを図って行くが、スペースが限られてくることと、思うようなタイルを持って来れないランダム性に悩まされる。そんなときに、「天才!」宣言をされると…
初期からまんべんなく押し上げていこうにも、なかなかつながらないし、ショボイため出来るだけ効率的にまとめて行くが、それは相手プレイヤーにも利益になる。そのため、中盤以降の戦術が大切になる。あまり盤に出ていない記号は二人にとっても低得点のエリアである。3ターンくらいは低い記号のタイルがなくておけなくてもまだ大丈夫である。しかし、その間に相手はどんどん他の記号も含めどんどんと得点を重ねていくので、のんびりともしていられない。
さらに、記号の集合同士が伸びてきて結果としておけなくなってしまうケースもある。例えば、隣接する黄色の記号が予想以上に伸びて、少ない紫の記号のエリアを封鎖してしまうこともある。その結果、それまで置いていた紫のカウントが勝敗を決することもある。
最初は、結構置くスペースがあるナァとのんびりしていくものの、中盤以降は連鎖などを起こし、得点は急に上がり出す。終盤はどうやってまとめていけばよいか煮詰まってくる。盤もある一定の集合状態を生み出していくものの、常に移り変わっていく様は細胞の集合と拡大のようで見ていて飽きない。このようにシンプルながら変化に富んだダイナミックなゲームであると言える。

参考
頭脳絶好調
(2005.9.22)

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