クロチアゼパム clotiazepam(JP) 心身安定剤 1179i

【組成】
[顆]:10%
[錠]:1錠中5 mg,10 mg
クロチアゼパムは白色〜淡黄白色の結晶又は結晶性の粉末で,においはなく,味はわずかに苦い。クロロホルムに極めて溶 けやすく,メタノ−ル,氷酢酸,エタノ−ル,アセトン又は酢酸エチルに溶けやすく, エ−テルにやや溶けやすく,水にほとんど溶けない。0.1 N塩酸試液に溶ける。光 によって徐々に着色する。融点:106〜109°

【適応】
(1)心身症(消化器疾患,循環器疾患)における身体症候並びに不安・緊張・心気・ 抑うつ・睡眠障害
(2)麻酔前投薬
(3)次の疾患におけるめまい・肩こり・食欲不振:自律神経失調症。
(3)はエモレックス,ベストマ−ゲを除く

【用法】
用量は患者の年齢,症状により決定するが,1日15〜30 mg,3回に分服。麻酔前投薬 には就寝前又は手術前10〜15 mg
【注意】
(b)脳に器質的障害のある患者(作用が強く現れる)
副作用
(a)依存性:大量A用によりまれに薬物依存を生じることがあるので,観察を十分に行い,用量を超えないよう慎重に投与する。また,大量投与又はA用中に おける投与量の急激な減少ないし中止により,まれにけいれん発作,ときにせん妄, 振戦,不眠,不安,幻覚,妄想等の禁断症状が現れることがあるので,中止する場合 には,徐々に減量するなど慎重に行う
(b)精神神経系:眠気,ふらつきが,また,ときに,歩行失調,霧視,頭痛・頭重,振戦,手足のしびれが,また,まれに舌のもつれ が現れることがある
【作用】
(1)薬効薬理:視床下部及び大脳辺縁系,特にG桃核に作用し,不安・緊張などの情 動異常を改善
(a)静穏作用()闘争性マウス,唖球摘出ラットによる馴化作用及びサルの行動観察ではジアゼパムよりやや弱い()(ラット)コンフリクト行動(神経症 的行動モデル)の寛解作用はジアゼパムより強い()抗不安作用との相関が高いマ ウス,ラットでの抗ペンチレンテトラゾ−ル作用はジアゼパムより強い()(ラット in vitro)脳内ベンゾジアゼピン受容体に対しジアゼパムとほぼ同等の高い親和 性
(b)筋弛緩作用:(マウスの回転カゴ試験及び回転棒試験,ラット後肢試験)筋弛緩作用はジアゼパムより弱い
(c)鎮静・催眠作用:(マウス)Photocell法による自発運動抑制作用,クロルプロチキセン麻酔増強作用及び正向反射に及ぼす影響は ジアゼパムより弱い
(3)臨床適用(a)臨床効果(二重盲検比較試験を含む179施設1,393例の有効率。麻酔前投薬10〜15 mg,その他1日15〜30 mg):心身症(消化器疾患,循環器疾患)58.5%(523/894),自律 神経失調症57.6%(83/144),麻酔前投薬63.1%(224/355)。二重盲検比較試験で有用 性が認められている

【製品・薬価】
イソクリン糖衣錠5 沢井 5mg1錠 8.40
エモレックス錠 日医工・ソルベイ 5mg1錠 8.40
ナオリ−ゼ錠5mg 鶴原 5mg1錠 8.40
ニラタック錠5mg 大正薬品 5mg1錠 8.40
ノ−ベルミン錠 小林化工 5mg1錠 8.40
ベストマ−ゲ錠 宇治 5mg1錠 8.40
リ−ゼ糖衣錠 吉富 10mg1錠 19.00
リリフタ−錠5 マルコ 5mg1錠 8.40

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