カタンの開拓者たち

やっと、購入したといっていいほど楽しみにしていたゲームである。ドイツゲームの核になるといわれていたが、このゲームを楽しむ前に、自分のルーツとなるゲームやイメージでほしいものを購入していてなかなかこぎつくことができなかった。
いままで面白いと思ってきたゲームの原点は、「モノポリー」でそれに類似したものとして「アクワイヤ」、イメージとしては、仕手戦やマネー、株や競りなどを扱ったマネーゲーム、それもかなり簡単になりシュミレーション的な要素よりも純粋にゲームとしてデザインされたもの…というものを集めていた。それも一段落して、カプコンやエポック社からドイツのボードゲームが日本語版で出ること、小説や漫画があること(アクア・ステップ・アップ)、なにより、「安田均のボードゲーム大好き!」(幻冬舎)が発刊されたことなど、随所で「カタン」が取り上げられるようになっていた。そこで、じっくりと読み、やはり「カタン」は買いであるという結論に達した。カプコンから発売された日本語版である。

ゲームの勝利条件は誰よりも10点の勝利ポイントを獲得すること。家を建てると1ポイント、都市を建てると2ポイント、家や都市を建てるためには特定の産物をコストとして払うこと。この産物は、自分のおいた家や都市から産出され、サイコロの目に従っていること。(産物は6種類ある。)
例えば
、草原からは小麦が産出され、自分の家が草原に接していて6という数字が記載されていれば、他のプレイヤーがサイコロ二つを振って6が出た場合、自分の番でなくても小麦がもらえるというもの。そうして集めた産物を交渉やトレードなどで特定の産物を集めて、道を広げ、都市や家を造り発展させていくというゲーム。
タイルは6角形で円形に隣接しあい18枚の土地のタイルがある。また、トレードができる9枚の港のタイルがある。産物はばらけており、数字もばらけているため、道でつないでいき家を建てることによって、様々な産物を手に入れやすくなり賽の目もばらけていくので、それぞれの手番の時にその時々に応じて違った産物が手にはいることになる。
6種類の産物を組み合わせて、コストを支払い、家を建て、産物を集めたり出ていったりといった作業もシンプルで面白い。
また、特定の土地を封じて産物を産出させなくする「盗賊」や多く持ちすぎると半分戻さなくてはいけなくなるルールが、インフレを防いで結構頻繁にトレードや建設のための交渉をしなくてはいけない内容になっている。また、チャンスカードというものがあり、これも、特定の産物を組み合わせて手に入れるのだが、盗賊を動かせるものや、特定の産物を独占できたり、勝利ポイントになったりと後半になるとやっかいな展開になったりするカードがある。
また、道を2本以上つなげないと家を建てることができないとか、都市にするためには最初に家を建てないといけない、チャンスカードは自分の手番ではいつでも使うことができる、そうでなければ、最初にサイコロを振るなど手順が微妙に絡んできて、カードを捨てないといけないとか、家を建てるつもりが産物を盗られてしまったとか悲喜劇が起きる。

詳しくは、
「アクア・ステップ・アップ」小説版1巻
「安田均のボードゲーム大好き!」
に書かれているので、興味のある方は一読していただきたい。

プレイ・オン・ノート
友人と3人でルールを覚えるために1回やってみる。以前に妻と二人で行ったがいまいち盛り上がらなかった。というのは、やはり3人目の存在を意識においたデザインであるから、どうしても二人だとトレードなどができにくく、サイコロや初期設定で決まってしまい、勝負の綾が薄くなってしまう。

友人と行ったときは、私は小麦と鉱物を中心に陣取る。Mは、木材と鉱物、Sは、木材と粘土。はじめ、すぐに私は都市にグレードアップすることができたが、その後、盗賊が小麦に置かれてしまいほとんど産出されることができなくなった。Sは、木材と粘土で着々と道を伸ばしていき、トレードを有効に活用して家を建てていく。後半になり、小麦や羊毛が手にはいるようになり、港に拠点を構えてからはトレードを頻繁に行い鉱物に換えて、都市を建てる。Mはポツリポツリと鉱物が入ってくるが、中盤まで手が進まない。しかし、粘土の方に伸ばしていき木材と粘土で道を中盤から伸ばしはじめ徐々に家を建てるようになる。しかし、Sがやはり優勢で、結局逃げ切ってしまった。私の方は、発展らしい発展もできずに、序盤で没落してしまった。

ルールを覚えるということで、間違いながら行ったが(家の建設に関することとか手順とか、ロンゲストカードの扱いなど)徐々に家が建つようになり中盤以降はドンドンと産物カードが入るようになる。それをうまくトレードしたり、さばいたりして発展させていくという作業は結構面白い。また、増えすぎると自分の手番以外でバースト(産物を半分手放す)したりとハラハラする場面もある。序盤は、ゆっくりと、後半は結構煮詰まりながらもスピードあふれ、スリルもある。その徐々に盛り上がっていく過程が結構面白い。モノポリーのように序盤はショボイが、中盤のトレード、後半のホテルや家などと変化していくような感じがある。

これは面白い。

関連サイト
はたくさんありますが…代表的なものとして
ほとんどレビューです。
http://www.thegamegallery.net/intro/catan.php3
http://ejf.cside.ne.jp/review/catan.html
http://miko.fern.co.jp/ja/catan/

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