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02.5.24 ラグクラフト関係を読み直す。
前にも書いているけど、ラグクラフトは良いですね〜。腹が痛くてあんまり思考がないときにパラパラと読み出したら、関連の本を引っぱり出してきて読んでいる始末…

「ラグクラフトの遺産」(創元推理文庫,2000)
では、「荒地」を読み出す。ちょうど、エリクソンのインディアンのことを読んでいたら、インディアンの荒れ地のことが出ていて、連想的に読み出してしまった。「荒地」はそんな雰囲気、日本でいう部落的な所にすんでいる人たちの生活描写、特異な儀式や自然的な脅威など「ありそうな」話などが出ていて面白かった。

「邪神帝国」(朝松健,早川書房,1999)
「怒りの日」を読み直す。ちょうど、なんかのテレビでヒトラー暗殺計画を立てた男の話をやっていて、そういえばこの本でも暗殺未遂の事件を扱った小説があったナァと思い読み直す。こちらは、怪しいチベットの僧侶や妄想や怪異が飛び交っていて、暗殺にいたるシーンがなかなか緊迫していて面白い。

「秘神」(朝松健:編,アスキー:アスペクトノベル,1999)
「碧の血」(井上雅彦)をパラパラッと見る。この作者は、結構ラグクラフトみたいな小説も多い。特に好きなのは(ラグクラフトっぽいもので)、「恐怖館主人」(角川ホラー文庫)の「赫い村」である。

「クトゥルー怪異録」(学研,1994)
佐野史朗なんかがクトゥルフに出てくるインスマウスという魚人のメイクをしたのがカバー表紙になっている。TBSのドラマにもなっているんですネェ。

そういえば、すごく痛いナァと思うような短編あったナァ。そういえば、井上の螺旋を描いたちょっとセンチメンタルなのがあったナァとひっくり返してしまった。
こうして、私のホラーの旅は夜も更けて行われていく…

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2001.11〜2002.2
02.5.19 大学図書館より
「精神障害者の無年金問題」(全家連,全家連保健福祉研究所モノグラフ8,1994)
「救護施設実態調査書」(全国救護施設協議会,S63)

大学図書館からそれらしいのを検索する。無年金問題は面白そうな雑誌である。拾いものをした気分。

「こころの科学」(79,88,90)(日本評論社)
日本の精神病院、精神保健福祉士、分裂病治療の現在
「パンタクル1.02」(鈴木直人,創土社,2002)

これは、仙台の駅前にある大きな本屋から購入。私的には本屋の分類やレイアウトとか結構気の利いた品揃えなので好きである。パンタクルはゲームブック。鈴木直人は結構持っていたけど、パンタクルはなかったので良かった。

「社会福祉研究 第83号」(鉄道弘済会,2002.4)
生活保護の争点

定期購読している雑誌。結構好き。次回は7月であるが、私のテーマである精神保健の現在というのがテーマであるので待ち遠しい。今回も、生活保護のテーマだったので興味深く読ませてもらう。


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2001.11〜2002.2
02.5.15 精神保健分野
「幼児期と社会」1.2(E.H.エリクソン,みすず書房,1980)
「ライフサイクル、その完結」(E.H.エリクソン,みすず書房,2001.3.23)
「自我同一性」(E.H.エリクソン,誠信書房,1983)
「アパシー・シンドローム」(笠原嘉,岩波書店,1984)
図書館から借りる。精神保健のレポート、ライフサイクルの論述のためである。エリクソンはあんまり読んだことがないが、一応紹介されたりしている。社会福祉援助でも8つの発達段階は学んだし…。しかし、まぁ、ステレオタイプに社会を切り取っていないだろうかというくらいに、固定的に捉えている。一見説得力があるが、例えば、日本人の気質はこうであると言い切れるであろうか…。

「ドゥルーズの哲学」(小泉義之,講談社現代新書,2000.5.20)
生命・自然・未来のためにという副題がついている。数学の話や分子生物学などの話を持ち出して、正確には何も決定も分類もできないという論点でどのような人に対する認識ができるのかなどを論じている。結構、例えが豊かで分かりやすいので「差異と反復」を読む前の準備体操にはよい。

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2001.11〜2002.2
02.5.9 エドワード・ホッパー
ロルフ・ギュンター・レンナー
TASCHEN

ずっと前に日記にも書いている、画家の絵の解説等を書いている本。
未確認であるが、サイトがあるようである。http://www.taschen.com/
ホッパーは、アメリカの画家で年代的には、アンディ・ウォーホールの前に位置するようである。パラパラと読むと、フロイトとユングを愛読していたらしくて、登場する女性や裸婦像は何か、強迫観念があるらしい…。こういう風に分析するのはどうかと思うが、静かで明るい色調でありながら、どこか緊張感をはらんでいて、ちょっとセンチメンタルな気分にさせるそんな画家である。同様に、アンリ・ルソーも、ありえない密林の中で不自然な配置で女の人がいたりと、シャガールのようなファンタスティックよりも、ちょっと空想的でありながら静かな画風が好きである。キリコ、ワイアス、ブラック、いまはあんまり好きではないが、マグリットやダリなど。

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2001.11〜2002.2
02.4.23 おたくの誕生!!
別冊宝島編集部
宝島文庫
2000.3.10

むかし、ムックで持っていたが、どこかに紛失してしまってまた読みたくなって探してみたらすぐに見つかった。この日は、『廃墟霊の記憶』(板橋雅弘、角川ホラー文庫)も購入。廃墟霊は、寂れたテーマパークや幽霊スポットの写真とともに、別に噂で固めた与太話ではなく、実際に見た率直な意見とかエッセイと、ちょっと渋い写真で綴られている。「千と千尋の神隠し」で廃墟のブームがあるらしいが…。これはこれで面白かった。
おたくの誕生は、「おたくの本」とムックでは銘打っていた。ちょっとこの頃、おたくはどのようになったのか興味があって、基本をおさえるつもりで探していた。80−90年代にかけて発生したおたくという名称を巡り、ある人は愛をもって、ある人はけちょんけちょんに書き下ろしていた。今読んでも、その頃の熱気というものが伝わってくる。特に、いつ読んでもうならせるのが、「おたくに死す」殉教者・富沢雅彦へのレクイエム、である。同人誌づくりに全てのエネルギーを使い込み、東京の一室で栄養失調、肺炎、心臓発作でなくなった人の生涯を振り返っている文章である。
これ以降、宅八郎はいつの間にか消え失せ、萌とかエバンゲリオンなんかで新しいおたくのキーワードが生まれたが、そのことについて書かれていた本もどこかになくしてしまった。こちらは題名自体忘れてしまったので、早く記憶から掘り起こしていきたい。

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2001.11〜2002.2
02.4.20 『差異と反復』など
ジル・ドゥルーズ+ガタリ
河出書房新社

河出書房から発売されているドゥルーズの4部作、「差異と反復」「アンチ・オイディプス」「千のプラトー」「哲学とは何か」をコンプリートする。哲学とは何かは仙台で購入していたが、後は、ネットで購入する。
ドゥルーズの最初の文章、知の推理(サイエンス・フィクション)という観点から哲学を読むという言葉、「ポップ哲学」を目指していたこと。少しずつ読んでいきたいと思う。

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2001.11〜2002.2
02.4.15 はっぴいセブン
召しませ福を
川崎ヒロユキ
集英社スーパーダッシュ文庫
2001.11.30

これも友人から借りたもの。むかし、少年サンデーだったかな(マガジンだったかな)に連載されていたうだつの上がらない青年と女だらけのマンションだったかなのラブコメに似たような小説であった。主人公は、疫病神にとりつかれた少年で、それを救うために七福神(みんな女)という設定である。女子高生、病弱少女、無愛想な女子大生、色っぽいお姉さんという設定。そして、疫病神が払われるとその七福神は、記憶から無くなるということで、少年は現実世界に戻るはずであったが、実は、少年も七福神の一人であったため、夢のような世界は続行するという話。めでたし、めでたし。

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2001.11〜2002.2
02.4.12 月と貴女に花束を
志村一矢
角川電撃文庫
1999.6.25

簡単にいうと、狼男(女)の闘いを描いたもの。敵は吸血鬼だけど。主人公は、稀少な狼男の種で、狼男の連盟の中でも家系的には高位に属する。狼男は、誇り高い種族で、しかしながら犯罪を犯して人を殺したり、犯罪に手を染めてしまう「ヨゴレ者」もいる。連盟(院という)は、そうした「ヨゴレ者」を取り締まる機構のようなものである。
そんな中、主人公の家系に私怨を持つ吸血鬼がいる。狼男を操って家族を次々と襲っていく。主人公は最強の種であるにもかかわらず、幼いときのトラウマが原因で変身ができない。また、その最強の血を残すために、かわいい狼女をあてがわれて…。
全体的に、ドタバタラブコメディで、萌で、甘甘なストーリー展開である。

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2001.11〜2002.2
02.4.11 ぬだらべ(放課後退魔録2)
岡本賢一
角川スニーカー文庫
2001.12.1

随分前に1巻を読んだので、設定とか背景とかを忘れてしまったが、読んでいくうちに何となく思い出していった。主人公の恋人がたぶん、悪い妖魔に捉えられて(食べられて?)、妖怪になってしまったとか、妹も妖怪になったとか、そんな設定で、主人公も守護妖怪のおかげで命からがら助かるも、腕をなくしてその守護妖怪の腕を使って半妖怪になったとかそういう感じである。この小説の設定では、妖怪になると人々から気づきにくいようになってしまい、本当に妖怪になると人々の記憶から消滅してしまうようである。
半妖怪になった主人公も影の薄い学生になってしまい、妖怪にさせられた恋人を人間に戻すために妖怪を倒すと吐き出すという妖魂を集めるようになる。その所業が強い妖怪の目に止まりつけねらわれることになる。そして、最後には、宇宙にも存在する妖怪を巻き込む戦争の序曲へとシフトチェンジをする。と、これはこれで、まぁ、面白くなりそうである。

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2001.11〜2002.2
02.4.1 KLAN3(迷走編)
田中芳樹原作
集英社スーパーダッシュ文庫
2002.2.28

3巻目であり、だいぶ展開もこなれてきた感じ。別行動をとる反リンフォード伯爵の面々は、それぞれの場所で活動を始める。主人公の虎之助は、一人古いアパートを借りて身を潜ませることになる。そこの家主の娘は、引っ込み思案で、目立たない、いじめられっこである。それを守るような体育会系の幼なじみがいて…と、ラストには、そのいじめられっこが少し前向きに生きることで締められる。原作は、田中芳樹だが、明らかに文章を書いている霜越かほる(たぶん女)の思い入れが含まれていて、良くも悪くもジュブナイルをしている。設定は、そのままに、ストーリーの根幹は変わらないが…。

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2001.11〜2002.2
02.3.25 R.O.D
倉田英之
集英社スーパーダッシュ文庫
2000.7.20

副題というか、R.O.DはREAD OR DIEの略である。なんのために略なのかはよく分からない。
キチガイの読書好き、「一店」買いまでしてしまうほどの活字の中毒者。または、本を集めるためだけに走るビブリオマニア。実は大英図書館の紙を自在に操るエージェントで、裏で取り引きされる稀少本などを回収している。登場人物は、女子高校生で売れっ子のジュブナイル小説作家を守るために、エージェントが守り、紙を切り裂くヒットマンとそれを雇う変態ビブリオマニアの闘いを描いている。まぁ、設定が面白いし、ビブリオマニアが、小説のセリフを吐きながら女子高校生にせまるシーンとか笑えるんだけど、面白い。紙飛行機とかが武器になり、ある意味華麗な戦闘シーンとかイマジネーションがよい。

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2001.11〜2002.2
02.3.18 麻雀必勝の戦術
副題:実力NO1プロが教える負けない全方位打法
飯田正人
日本文芸社
2001.1.20

麻雀プロには、個性的な打法をする人が何人かいる。金子正輝の牌流定石〜つもの流れで打っていく。延ばせるだけ伸ばして、最高打点まで手を作っていく。安藤満の「亜空間殺法」ポンやチーなどで、ずらしていき、上がりを阻止したりすることなど。どちらも特徴があるが、真似のできないことであり、だいたい著書では、自分が成功した手牌や考えを披露する程度である。それでも、安藤は、誰でも分かる定石を目指して、基本を研究しているようだし、それなりに開かれた形で面白い戦術書が出回るようになっている。小島武夫とか桜井章一は読まない方がいい。井出は、基本としては良いかも知れないが…
いまのところ、バイブルになっているのは、「麻雀戦法最先端」「バカヅキハリケーン」(馬場祐一、片山まさゆき、竹書房)である。リーチ麻雀に向けた初心者から抜け出たような人にとってはスタイルの確立としてしっかりとした視点を提示しているからである。

さて、飯田であるが、わたしは、この人の打ち方が基本的に好きである。何回か牌譜を拝見したが、大胆かつ繊細、勝負所でのひらめきは追随を許さない。もっとも、牌に踊らされて、無念の逆転を逃してしまうところも多々あり、しかし、きっちりと打っているのがよく分かるプロの一人である。井出も、金子もそうでないとはいえないが、自分のスタイルにこだわって、視野狭窄を起こしていると見られる所がある。井出は、私にとっては味気のない、淡々とした打牌に見えるし、金子は伸ばしすぎて失敗したときは目も当てられないところがある。その点、飯田はバランスがよい。重厚で破壊力満点、プロの間では、大魔人、雀界の白鯨といわれているらしい。

本書では、残念ながら、自分の打牌の解説にとどまっているが、基本のスタイルの上にちょっとしたエッセンスで参考にする程度はよいと思われる。

ちまたでは、ケーブルテレビの普及で麻雀の放送がされているようだが、あのように打つのはどうかとも思っている。確かに、それぞれが緊迫して打っているので、その雰囲気は十分に面白いが、参考になるかといえば疑問である。その瞬間、その瞬間に選ぶのは自分自身であり、負けたとき、勝ったときに、なぜそうなったのかと考えて、反復させるのは自分の学習であり、課題である。実際の感触からどのように受け取るのか、それは、その時の感性であり、自分のレベルであるのだから。

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2001.11〜2002.2
02.3.16 安田均のボードゲーム大好き!
副題:ドイツゲームのニューウェーブ
幻冬舎コミックス
2002.3.14

日本初のボードゲームの書籍である。安田均は、テーブルゲームの大御所で、知る人ぞ知るもっとも有名な人である。ファンタジーからSF、昔のゲームの知識の造形から今のはやりのカードゲームまでデザインするまさに巨人である。その人が、ここ最近、注目されてきているドイツにおけるテーブルゲーム、ボードゲームへの知識を惜しげもなく披露し、そして、その熱っぽさを伝える良い著である。ボードゲームといえば、モノポリーや人生ゲームしか知らないそんな人に、そのゲームの多様さや面白さを伝えるには絶好の著となっている。
日本におけるボードゲームは、主にアメリカから輸入され、メジャーな玩具メーカーから発売されてきた。パーティゲームやウノなんかもそうであるが。しかし、ヨーロッパ、主にドイツが今もっとも盛んであり、その面白さは、アメリカを凌ぎ、ゾクゾクと新作が生み出されている。
本著では、その火付け役になった、ムーブメントのきっかけになった代表的な6ゲームを取り上げ、そのゲームの背景や、ボードゲームが広がったきっかけになった要因を優しく解説している。その要因の一つに、簡単なルールで、微妙なゲームバランス、うんと戦略が程良くミックスされ、子供から大人まで、初心者から熟練者まで幅広く、ゲームが表現されるキャパシティにある点であると思われます。そんなことは可能かのか、それができたから、今のドイツゲームの隆盛があるといえると思われる。
後半は、今までの流れを80年代前半から現在に至るまでの代表的なゲームや潮流を会話形式でまとめている。
安田さんは、その9割を遊びきり、その面白さや戦略的な着眼点の特徴などを優しい口調で語ってくれている。是非、買いの一冊である。

なお、ドイツゲームの潮流は、日本でも無視できないものとして捉えられてきており、有名な玩具メーカー、エポック社やカプコンなどが大きなデパートなどに展開する予定であり、ますます目の離せない状況となっている。

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2001.11〜2002.2
02.3.13 麻雀戦法最先端
新進プロが伝授する!!
麻雀覇王ブックス

日本プロ麻雀協会
毎日コミュニケーションズ
2002.1.31

大学院の試験の後に仙台でたくさん本を買ってきたがあまり読んでいない。
この本は、パラパラッとしか読んでいないけど、もっともバランスが取れている。戦術書である。牌の効率や展開への視点などがとても分かりやすい上に、断言した形で書くのでなく、こういうこともあり得るけれどと書いていきながら、だけど、こういったスタンスで打つと分かりやすい上にバランスが取れるんじゃないだろうかと書いてあるところに好感が持てる。いままで、麻雀の戦術書はどれも一緒だよと思っている人には是非一読を。また、やり始めた人で、どうしたら勝てるのか、麻雀のゲーム性を知りたい人にはそのヒントを垣間見ることができると思われる。もっとも、それだけでなく、いろんな絡みでいろんな顔を見せるのが麻雀の奥深さなんだけどね。(^<^)

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2001.11〜2002.2
02.3.1 天国に涙はいらない
佐藤ケイ
角川電撃文庫
2001.2.25

友人から借りていた本の最後。なんでもこの文庫の大賞を受賞した作品なんだそうだ。略歴は院に在学中の女の人である。
話の筋は…、学校で怪奇現象がいて、呪われた教室がある。霊視能力があり家系が祈祷師の高校生が、守護霊(上位の天使)を呼び出し、悪魔(萌えキャラ)を救うという話。あまりの軽さ、おたくねた満載で、これは、いわゆるおたくを揶揄(小馬鹿に)した小説である。上位の天使は、ロリコンで、やおいを対象にしているし、それに絡んでくる女子高校生もバカだし、悪魔の萌えキャラにいたっては、あごが落ちる話の展開…。本屋に行って、ちらっと確認したが、4巻まで出ているんですナァ。「ゴクドー君シリーズ」「スレイヤーズシリーズ」のようになる前に短めでまとめるとまだ救われますぞ、作者。

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2001.11〜2002.2