サ  ギ  ゴ  ケ (鷺苔)


 ゴマノハグサ科の多年草で、4〜6月にかけて花を咲かせる。

 写真はムラサキサギゴケで、「ムラサキ」が花の色を表したものであることは見ての通りだが、中には白花もあって、こちらは「サギゴケ」と呼ばれている。このサギゴケの白い花が鷺の姿に似ているというので「サギ」の名を頂戴し、地面を這うようにしてたくさんの花を咲かせる様子を苔に見立てた「コケ」と合わせて、サギゴケあるいはムラサキサギゴケと呼ばれるようになった。
 もし、サギゴケから鷺が連想できない方がいたら、もう少し違った考え方をしてみたらどうだろうか。同じ「サギ」の名を頂く野草に、ランの仲間の「サギソウ」がある。花の形が白鷺が飛ぶときの姿にそっくりなとろとから付けられた名であることは、多分ご存じだと思う。このサギソウを絡め、ヒメオドリコソウの例に倣って三段論法で考えると案外納得できるかも知れない。サギソウは白鷺に似ている。サギゴケはサギソウに似ている。だからサギゴケの名を頂いた、となる。如何でしょうか?