フ キ ノ ト ウ (蕗の塔)


 フキはキク科の多年草で、早春の3〜5月にかけて花を咲かせる。フキの花は「フキノトウ」と呼ばれ、春の味覚として知られている。

 その昔、まだ紙がなかったか、あるいはあっても高価だった頃の人々は、トイレットパーパーの代わりに植物の葉や茎を用いそうで、フキのもその中の一つである。あの大きくて柔らかい葉なら十分にトイレットペーパーの代用になる。つまり、「蕗の葉」はかつては「拭きの葉」だったというわけで、その辺の事情は国語学者である金田一春彦氏の「ことばの博物館」という本の中に詳しく書かれているそうである。興味のある方は、一度読んでみては如何でしょうか。フキノトウの「トウ」は、菜っ葉などの花が咲いたときに言う「トウが立つ」のトウのことで、長く伸びて先端に花を付ける茎を指す。