スピーカーコーンエッジ張り替え
令和5年(2023)1月21日 更新
修理のきっかけは、PIONEERのコンパクトなレコードプレイヤーPLX-520の補修用として入手したPIONEERのミニコンポに付属していたスピーカーPIONEER S-P330L/Rの低音の再生時にカサカサと異音がついまとい思いほか低音が出ないことが確認できました。スピーカーネットを剥がしたところ、コーンエッジが経年変化で硬化してボロボロに破れていました。コーンは、強度を保ちコーンエッジを張り替えれば再生可能であることがわかり、復活修理することにしました。
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ボックスから取り出した状態 | コーンエッジを剥がした状態 |
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左 加工前 右 エッジを3mm程切り取り後 | 貼り付け完了 組み込み済み |
コーンエッジをきれいに取り除きコーンの直径を測定した結果約100mm スピーカーフランジの内径135mm
このサイズに利用できるラバーエッジを検索したところ以下の商品が利用可能と判明し発注した。
uxcell ラバーエッジ 外径 140mm 内径 90mm ブラック YC-129A サラウンドリング交換用 4個で1390円
外周が5mm程
大きいので3mm程切り取ればすっぽり収まることができる。
コーンの外周とスピーカーフレーム内部をきれいに清掃しエタノールアルコールで洗浄して、ゴム系接着剤を薄く塗り半乾き
させます。周辺を3mmハサミで切り取ったラバーエッジにも薄く接着剤を塗りコーンとフレームに貼り付けます。
ピンセットなどでラバーエッジの位置を調整してコーンの裏側から指で押さえて位置合わせしながらコーンのボイスコイルと磁石
が干渉しない様に貼り付けます。
この作業が結構難しいが、重要なポイントです。
接着剤は、新品を使うことをお勧めします。経時して乾燥した接着剤を使うと貼り付け部分が、凸凹になります。
貼り付けたら、接着剤が乾くまで半日程放置します。この時、コーンが傾かないようにスピーカーユニットを水平な台などに磁石
を下にコーンのボイスコイルが垂直になるように放置してください。翌日、コーンを軽く押してカサカサとボイスコイルがこすれる
音がしなければ、成功です。
完成したS-P330 L/R
15p ウーファー 5p ツイターの2wayシステムで6Ω 30W フロントポートのバスレフスピーカーです。
コーンエッジを張り替えたことにより低音の再生レベルがあがり、サイズの割に豊かな低音を再現するようになりました。
フロントポートの形状がバックロードホーンのような形で低音を補強しています。
可もなく不可もなくあらゆるジャンルの音楽を再現する、万能タイプです。しいていえば高音の再生レベルが少し弱くスーパー
ツイターで10KHz以上を補強したい。
その後、同じ15pスピーカーユニットを使用したスピーカーセットがあり、フロントバスレフの3WAY S-P550 バックポートの
バスレフ3WAY S-P710がありPIONEERのシステムコンポに付属して発売されていたことが判明しました。特にS-P550は
S-P330L/Rと同じ形状のフロントポートでスーパーツイターを追加した、3WAYタイプでS-P330の弱点を補強したシステムです。
これを入手してコーンエッジを修復するとジャズ向きのスピーカーになるのではと推定しました。
オークションで確認したところ、やはり同様にコーンエッジが破れているユニットがあり、これらのスピーカーユニットが、送料込みで1セット3000円以下で入手可能でついついオークションで落札してしまいました。
PIONEER 3WAY スピーカーS-P550の復活修理
オークションで落札したS-P550は、S-P330L/Rと同様にスピーカーのコ−ンエッジが経年劣化で硬化して破れていました。
音出しは可能でしたので、同様にスピーカーコーンエッジの張り替えを実施しようとネットを外してスピーカーを取り外そうとした
のですが、プラスチックのカバー部分が取り外せません。S-P330でもネットが接着されていて、無理やりはがした経験がある
ので無理にはがさず、上からラバーエッジを貼り付けることにしました。
コーンの破れた、エッジをきれいに取り外し、フレーム部分のエッジの残骸を取り除き、洗浄してコーンとフレームにゴム系ボンド
を塗り込みました。残っていたラバーエッジの周辺を3mm程ハサミで切断しこれにもゴム系ボンドを塗って、プラスチックのカバー
にピンセットや細いドライバーで貼り付けました。裏から調整できないので難航しましたが、接着剤を生乾き状態で実施したので、
何とか張り込めました。
コーンエッジを張り替えた後の音は、期待通りのジャズ向けの低音、高音ともに豊かで、スーパーツイターを追加した3WAY
ユニットの性能をいかんなく発揮して、ウッドベースが豊かに唸りを上げ、ハイハットやシンバルのさわやか高音を再現して
ややドンシャリ系のジャズ専用ともいえるような音作りです。
PIONNERのスピーカーシステムとしては異端の音作りです。これをねらってシステムを復活させたので期待にそった音になって
満足です。金管楽器も明るくて透き通った清々しい音で好みです。
しかし、しばらくエイジング(鳴らし再生)をして高音のとげとげしさは解消できましたが、バロックや室内楽などを聞くと低音は
ともかく、高音のややとげとげしい音が気になり、もう少しバランスが取れたシステムが欲しくなりました。
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張り替え済み S-P550 3way スピーカー | フロントポート部と15cmウーファー |
PIONEER 3WAY スピーカー S-P710 の復活修理 オークションで落札したS-P710は、S-P330L/Rと同様にスピーカーのコ−ンエッジが経年劣化で硬化して破れていました。 音出しは可能でしたので、同様にスピーカーコーンエッジの張り替えを実施しようとネットを外して、スピーカーのフレームカバー を取り外しネジ4本外すとスピーカーユニットはボックスから取り出せました。 S-P330と同様にコーンエッジをはがしフレームを清掃して4本も修理してので手際よくラバーエッジを張り込めました。 少し接着剤が乾燥していてラバーエッジの貼り付けが凸凹になってしまいました。しっかり張り付いているので音の再現性に 問題はありません。 スピーカーボックスの後ろにバスレフポートがあるタイプなのであまり低音の再現に期待してなかったのですが、意外と低音が 出ます。床に直に置くと結構低音が出ますので、スポンジのシートを4枚貼って、低音の暴れを防止しました。 スーパーツイター追加した3WAYですので、高音は、S-P550と同様に出ています。 しかし。このスピーカーユニットは、PIONNER のオーソドックスなバランスが採れた音作りです。これならば、クラシック、 バロック,ジャズなどそれなりに鳴らせます。スーパーツイターの効果でヴァイオリンの艶や金管楽器の明るくて透き通った 清々しい音も再現できます。 実は、サブウーファーとセットになったシステムが、オークションに1000円で出ていて、これも落札して、修復ました。 このサブウーハーの接続が一般的なRCA端子でなくビデオ用のS端子で仕方なく、対応するシステムステレオコンポを落札 したら、これにもスピーカーが付属して来て、都合、6本3組のS-P710を復活修理してしまいました。 今後、システムステレオコンポについてもホームページに乗せようと思います。 |
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張り替え済み S-P710 3WAYスピーカー | 貼り付け完了の15cm ウーファー |