1996 Formula One World Champion Ship

Round 13. Belgian GP. Results


Last updated, Aug.26 1996

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第13戦 ベルギーGP最終結果
◇8月23日〜8月25日:スパ・フランコルシャン・サーキット
 (6.974Km×44周)

○ベルギーGP予選結果

○ベルギーGP結果詳細

○ドライバー&コンストラクターランキング


○M.シューマッハ2勝目!

表彰台  1996年F1第13戦ベルギーGPの決勝が25日スパ・フランコルシャン・サーキットで行われ、M.シューマッハ(フェラーリ)が今期2勝目を挙げた。
(写真:表彰台でのシューマッハ、ヴィルヌーブ、ハッキネン)
 スタート時の天候は、取り敢えず晴れ、ドライ。そのスタートでは、まずポールのヴィルヌーブがトップを死守。予選3位のシューマッハが2位に。スタートを練習して来たヒルではあったがまたしても順位を落とし、オープニングラップ途中でクルサードにもかわされ4位に。5位ハッキネン、6位ベルガー、7位アレジと続く。
 スタートではO.パニスとH−H.フレンツェン、J.ハーバート、R.バリチェロが接触。バリチェロ以外はそのままリタイアしてしまう。その混乱を抜け出して右京が予選17位から11位にジャンプ・アップ、前を走る同僚サロを追う。
 その後はヴィルヌーブをシューマッハがピタリと追う展開。二人のペースに3位以下が徐々に遅れていく。ヴィルヌーブはバスストップシケイン飛び込みのブレーキングで白煙をあげてのギリギリの走り。シューマッハは7速ギヤボックスを上手く使ってトップを追う。
フェルスタッペン・クラッシュ  12周目、いきなりフェルスタッペンが激しくクラッシュしている空からの映像が飛び込んでくる。マシンの左半分がえぐられたかなりの衝撃のクラッシュだったらしく、フェルスタッペンは自力で立ち上がっているものの、オフィシャルに両脇を抱えられながらマーシャルカーに乗せられる。このクラッシュしたマシンを撤去するためセーフティーカーが入り、その間にシューマッハ、アレジ、ヴィルヌーブ、ベルガー、ヒルらがピットイン。18周目、セーフティーカーがコースアウトして再スタート時の順位は、まだピットインしていないマクラーレン勢クルサードが先頭、ハッキネン、シューマッハ、アレジ、ヴィルヌーブと続く。しかしヴィルヌーブは再スタート後すぐにアレジをかわし4位に。一方のヒルは、セーフティーカーが入ったラップにシケインを直進してしまうミスを犯し、そのため8位まで順位を落としてしまう。
(写真:マシン左後ろが斜めに切られるように大破したフェルスタッペンのアロウズ)
 23周目クルサードがピットイン、25周目ハッキネンがピットイン。マクラーレンの2人は一回のピットイン作戦を取る。これでシューマッハがトップ、ヴィルヌーブがそれに続き、3位アレジ、4位クルサード、5位ハッキネン、6位サロ。8位のヒルはなかなか前を走るブランドルを抜くことができなかったが、25周目ようやくパスして7位に。
 31周目シューマッハと、アレジが2回目のピットイン。2人とも7秒台のタイムで作業を終えピットアウト。その直後、アーバインがまたもやエンジンから煙を上げリタイアしてしまう。
 33周目ヴィルヌーブがピットイン。7.6秒で作業を終えピットアウト。しかし、一瞬の差でシューマッハの前に出ることができず。
 35周目ヒルがピットイン。これですべてのマシンがピット作業を終え、ゴールを目指す。ここでの順位は、シューマッハ、ヴィルヌーブ、ハッキネン、アレジ、クルサード、ヒル、ベルガーと続く。
 37周目5位を走行中のクルサードがクラッシュ。そのためヒルが5位、6位ベルガーとなる。
 ヒル、ベルガーの差は、ベルガーがファーステストを叩き出しながらどんどん縮まるがなんとかヒルが逃げ切る。
 最後は、ヴィルヌーブが2位キープでペースを落としたため、シューマッハが危なげなく逃げ切り今期2勝目。2位ヴィルヌーブ、3位ハッキネン、4位アレジ、5位ヒル、6位ベルガーとなった。また、片山右京も8位に入り2戦連続の完走を果した。


○セーフティーカーが勝敗を決めた!

セーフティーカー  このレースの勝敗はスパ・ウェザーではなく、フェルスタッペンのクラッシュによるセーフティーカーが入った時のピットインのタイミングが決めた。その時点で2位を走るシューマッハがセーフティーカーが入るとほぼ同時にピットイン。その直前の周にアーバインもピットインしていることからスケジュール通りのピットインだったと予想できる。一方トップを走るヴィルヌーブもここで早くピットインしておくのが有利なことはインディー出身であるから当然解っていて、レース後の記者会見でも言っていたようにピットと無線で交信したが上手くつながらず、ピットインのタイミングでシューマッハに先を越されてしまう。これが最後まで響き、今回の結果となったのだろう。
(写真:フェルスタッペンの事故のため入ったセーフティーカー)
 シューマッハは金曜日のフリー走行でクラッシュして足を痛めたのだが、それをおして、またハンドリングに問題を抱えながらも、7速ギヤボックスを駆使してあのオールージュを豪快に駆け抜けていた。ヴィルヌーブはこのコースでのレースは初体験。しかし、事前にセナの車載ビデオ映像でイメージトレーニングを重ねるなど、いろいろと工夫してレースに望み、初めてとは思えない走りを見せてくれた。スパ独特のダイナミックなコースを走るこの2人の映像は、本当に迫力があり楽しませていただいた。

 予選のレポートで言ったように、今回はヒルとヴィルヌーブのチャンピオン争いに注目していたのだが、ヒルはまたしてもスタートに失敗。スタート前、ヴィルヌーブに「ヒルはスタートの練習を重ねて来たようだけどあまり上達してないね」なんて言われていてはチョット情けなさ過ぎないか?(逆にヴィルヌーブは大胆不敵だ)。そのあとペースカーが入った時にバスストップ・シケインを直進してしまうミスを犯すなど、もしかしたら何かトラブルを抱えていたのかもしれないが、スタートで失敗し、その後もつまらないミスを犯す悪い癖がここでも出てしまった。特にガッカリさせられたのは中盤8位を走行中、前のブランドルをなかなかパスできない空撮映像。もう完全前に出れるところで、最後の踏ん張りが足りないのか結局抜けず。その2周後位になんとか抜きはしたが、わざわざマシンをブランドルに寄せて威嚇するなど、普通はそんな事しなくても抜けるはずなのに(ヴィルヌーブはズバッとアレジを抜いていた)。どうも、ヒルは見切りの悪さ、思いっきりの悪さが目立ちすぎる。チャンピオン確実と思われていたヒルは、またもや崖っプチに追いやられた。
 ヒル、ヴィルヌーブの差は、残り3戦を残し13ポイント。残り全部ヴィルヌーブが優勝しても、ヒルはすべて2位でもチャンピオン。それにシューマッハが今回のような走りとフェラーリの信頼性に問題がなければ優勝に絡んでくるだろうから、まだまだヒル有利には違いないが、今日のような走りではたとえチャンピオンをとっても認められない!。あまりにも無様な負け方が多すぎる!

 激しくクラッシュしたフェルスタッペンは、ヘリコプターで病院へ運ばれた模様。自力で立ち上がってはいたが、少しふらふらしていて両脇をオフィシャルに抱えられていた。大事にいたっていなければ良いのだが・・・


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