勇者ゆたえると七人の侍(誤)
●第14話●
トルネコ・ロック


 またまた2週間のご無沙汰でした。編集長がお届けする「スーパーリアル冒険日記」(プリンタかよ)もいよいよ第3章に突入です。皆さんはどうか知りませんが、編集長(※へんにー)はこのエピソードがいちばん好きです。


第三章 武器屋トルネコ

 おれの名はトルネコ(意外な一人称に読者くぎづけ)。

 レイクナバという小さな村で、武器屋に勤めるしがないサラリーマン(誤)だ。手乗り文鳥ほどの小さな家に、小またの切れ上がった良い妻(誤)ネネと、丸呑みしても痛くないほど可愛い息子ポポロの3人で暮らしている。

 おれの日常は、もはやあくびも出ないほど単調だ。

 口にするのも恥ずかしいことだが、おれには、大金を貯めて自分の店を持つという夢がある。愛する妻の弁当を店に売り飛ばすのも、トムじいさんを教会へ連れて行くのも、すべては金のため。そう、いつの世でも、夢を実現するにはある程度の金が必要だ。

 ある日、知り合いから鉄の金庫の話を聞いた。北の洞窟にあるという鉄の金庫は、手に入れると、魔物に襲われても所持金が減らないという。自分の夢を実現するには不可欠な道具だが、今はまだ手に入れるわけにはいかない。

 おれはすべての装備を処分し現金に換えると、例によって例のごとく、黙々と武器屋勤めに精を出すことにした。

 毎日毎日カウンターに立ち、客に武器防具を売ったり、逆に客から武器防具を仕入れたりする日々が1ヶ月近く続いた(実話)。

 ある日、客が破邪の剣を売りに来た。レイクナバのような辺境の地で、こんな武器を目にすることはめったにない。客から武器を買い取ると、おれはそれを店の奥、なるべく人目につかないところに置いた。

 しかし世の中には目ざとい奴が多く、破邪の剣を欲しいという客が後を立たない。もちろんこの剣を誰かに売るつもりは毛頭ない。この武器は、おれが金を貯めて自分で買い取るのだ。

 もちろん破邪の剣を売れば、それだけで平均の4倍もの日当を手に入れられるのだが、いったん剣を売ってしまえば、次にいつ入荷することができるかまったく分からない。自分で3500ゴールド貯めるまでは、誰にも売らないんだもん(早くも芸風破綻)。


武器屋漫才?

 そんなことをしているうちに1日が過ぎてしまった。おれは親方に日当をもらい、店を出た。見上げると、大きな月の前を巨大な雨雲が通り過ぎようとしている。おれはコートの襟を立て(コートなんか着てないって)、家路を急いだ。


 中途半端なハードボイルド風味はやめろーっ(笑)。

 ということで次回もみんなで一緒に冒険しましょう。

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