勇者ゆたんぽの冒険
●第32話●


 すっかりお馴染みのレベルアップポイントで戦いと笑い(これが余計だっちゅーの)というメリハリのある生活を続けるオッペケペパーティーは、サマンオサ侵攻の機会を虎視耽々と狙っていた。

いやーんは おもむろに こわいはなしを はじめた!
いやーん「……そして おしろのめしつかいを
  ひとり また ひとりと……
それは とんでもなく こわいはなしだった!
しかし だれも きいていない!
  ただの独り言じゃねーか

 そんな遊び人のボケも、今はオッケー。こっちは経験値がたまればそれで良いのだ。人間ゆとりがあると心も広くなるってもんだ。

 ちょっとでも話を進めるためにレイオムランドへ出かけて、今まで集めたオーブを台座に納めることにした。ピーナッツみたいな双子の小人が「モスラは」「モスラは」「怒っています」「怒っています」なんて言うのを聞きながら(うそ)、一番上の台座から時計回りにレッド、パープル、ブルー、グリーンをそれぞれ置いていく。中央に居座っている卵は、ちょうど半熟状態。食べごろである。黄身が液状で、ぱくっと頬張ると口の中にじわーっと黄身の味が広がって....。くそー、食いてえーっ。

 てなことをしている間に、ゆたんぽはレベル33になった。やった。ついにベホマを覚えたのだ!!

 気がつくと、一行はサマンオサの王様の寝室。4人で王様の寝顔を覗き込んでいる。

「悪い顔してんなあ」
「あ、耳毛だ」
「くさ」
「どーした?」
「寝息がくさい」
「顔、近付け過ぎ」
「おでこに『肉』って書いちゃおうか」(実話)
「…………………………」
「正体現わさないね」
「用事は明日にしろとか言ってるよ」
「こしょうでも使ってみようか」
「それ違うだろ」
  これ、ちょっとふざけ過ぎ?

 ゆたんぽがラーの鏡を覗き込むと、ようやく魔物が正体を現わした。ボストロールだっ!!

 例によって例のごとく、遊び人3人は序盤で全滅。ゆたんぽは1人で戦う孤高の戦士、ロンリー・ファイター状態(意味不明のカタカナ語)。

 そして、

 ボストロールを倒した。(だから最初から1人で戦えよ)

 へんげのつえを手に入れたゆたんぽは、これを使ってどんな遊びをするか、期待に胸を膨らませるのであった....。

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