ムーンペタ周辺でレベルアップ大作戦を敢行したゆたすけは、戦闘で得た金を使ってはがねのつるぎをゲット。向かうところ敵なし(言い過ぎ)状態でムーンブルクの城を目指した。
さすがにこの辺(ムーンブルクの城のことだよ)まで来ると、ちょっと強めの敵が出て来たりするのだが、それがまた冒険してんなあって感じで心地よかったりもする(なぜ)。城内は、アメリカ映画でマフィアの手下たちが何かを探して散らかして帰った後の自分の部屋(なげーよ)みたいな有り様になっていて、もはや生き物の気配すらしない。
城内のあちらこちらに火の手が上がっているが、それぞれの炎は小さく、まるで生きているかのように揺らめいている。
「炎だね」
「そうだね」
炎.... どうして人は炎に魅入られるのだろう。夏祭りの炎、林間学校のキャンプファイアー、そして夏の夜を彩る海岸のたき火。人は、炎の中に何を見ているのか。
ゆたすけは、口にはしなかったものの、心の中でこんなことを呟いていた。「何かロマンチックだなあ」
すでに辺りは夜の闇に包まれようとしている。城内に点在する炎の明かりを頼りに2人は城の奥に辿り着いた。
「疲れたね。少し休もうか」
2人はそれぞれ腰を下ろし、ゆらゆらと揺らめく炎を見ている。ふと隣りを見ると、りんご君の顔が炎の明かりを受けてオレンジ色に輝いている。か.... 可愛い。
「踊ろうか」
「え」
「踊ろうよ。昔、村祭りとかで踊らなかった?」
「踊ったことはあるけど....」
「じゃ、踊ろう」
ゆたすけは、まるで炎からエネルギーを得たようかのように勇気が湧いて来た。立ち上がり、りんご君の手を取る。
ゆっくりと、ゆっくりと、2人は踊り始める。りんご君、聞こえるかい? 今、ぼくの心の中にメロディーが流れているんだよ。これは.... そう、これは「ゴッドファーザー 愛のテーマ」だ。(よりによって何でそんな曲なんだよ) (しかも踊りにくいだろ、それ)
聞こえるかい、りんご君。あの歌声.... そう、あれは尾崎紀世彦の歌声だよ(オリジナルテーマじゃないんか)。
これはどういうエピソードなんだよ(笑)。もう誰にも止められない冒険日記は、果たして正しい道へ戻ることが出来るのでしょうか? 自分でもよく分かりません(笑)。
ということで、愛は本当に世界を救えるのか!? 次回をお楽しみに....。