もうヘロヘロっす。もうたまらんっす。こんなに歩き回ったのもすべてりんごのせいだ。会ったら文句言ってやる。いやいや、文句を言うだけじゃ気分が収まらない。武器屋の裏にでも呼び出して、熱いのをお見舞いしてやらないと(どんなんだ)。
しかし、いざリリザの町に入ってもりんごの姿は見当たらない。どこじゃあ、どこにいるんじゃあ、ガルルルルル....。ボケる余裕もないほど疲れ切ったゆたすけは、疲れた体を引きずるように宿屋へ入って行った。
何だ?
何だ、この光は?
宿屋の奥のテーブルに、見知らぬ少年がこちらに背を向けて座っている。ゆたすけは自分の目を疑ったが間違いない。光はその少年の身体から放たれていた。少年がゆっくり振り返る。
どき
彼がりんご.... りんご君に違いない。間違いない。ぼくには分かる。
何て可愛いんだろう。今までたくさんの人々と会って来たが、こんなに美しく、こんなに愛らしい少年に出会ったことはなかった。妹もむしゃぶりつきたくなるほどの美人だったが、その兄であるりんご君がこんなに可愛かったとは....。
口には出せなかったが、ゆたすけは心の中でこう叫んでいた。
ぼくは君と出会うために生まれて来た
ボクは サマルトリアの
りんご王子です。
(何て美しい声なんだろう)
もしや キミは ローレシアの
ゆたすけ王子ではっ!?
(今ぼくの名前を呼んだ!!)
いやー さがしましたよ。
さあ ちからを合わせ
ともに たたかいましょう!
(ちからを....あわせ....ともに....)
ついに運命的な出会いをしてしまった2人(しかも宿屋で....)。そして歯車が狂い始めた冒険日記(爆笑)。この先、一体どうなるんですか? (聞くなよ)
ということで、愛は本当に世界を救えるのか!? 次回をお楽しみに....。