第7章 おかしなティー・パーティー







「場所がないよ!場所がないよ!」
 アリスが来るのを見たとたん、おかしな帽子屋と3月ウサギが騒ぎ始めました。
「場所なんてたくさんあるじゃない!」
 アリスはかんかんになってそう言うと、テーブルのはしっこにある大きなひじかけイスに座りました。

「ワインをどうぞ」
 3月ウサギが元気づけるように言いました。アリスはテーブルを見渡しましたが、ワインなんてありません。
「ワインなんてないじゃない」
「ワインなんてないよ」3月ウサギは言いました。
「ないものをすすめるなんて、本当に礼儀知らずね」アリスは怒ってそう言いました。
「招待されてもいないのに勝手にイスに座るのは、礼儀知らずじゃないのかい」3月ウサギの言い分です。
「ここがあなたたちのテーブルだって知らなかったんだもん」アリスは言いました。「3人で座るにはずいぶん大きなテーブルね」

「髪が長いね。切った方がいいよ」アリスのことをじーっと見ていたおかしな帽子屋が、初めてアリスに言いました。
「他人にそんなことを言うべきじゃないわ。失礼よ」アリスは厳しく言いました。
 それを聞いて帽子屋は目を大きく開きましたが、その次に彼が言ったことといえば「どうしてカラスは机に似てるんだろうね」でした。


















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