南チロル地方の主要都市の一つ、ボルツァーノ（Bolzano、独語ではボーツェンBozen）はイタリア領といってもドイツ語を話す人もかなり住んでおり、街中の標識は全てイタリア語とドイツ語の併記になっています。このボルツァーノから約1000メートルほど山を上がったところ、標高1200メートル程の高地にあるレノン（Renon、独リッテンRitten）に小さな電車が走っています。
　イタリア語でレノン鉄道（Teno del Renon）、ドイツ語でリットナー鉄道（Rittnerbahn）と呼ばれるこの鉄道、Kolbenstein（独）/Collalbo（伊）とHimmelfahrt/L'Assuntaを結ぶ7キロ弱の路線を持つ軌間1000mmの電気鉄道です。開業は1907年で、既に100年を超える歴史を有する小鉄道では、今も山々に囲まれた高原の牧草地の中をのんびり単行の電車が走っています。現在の主力はドイツのEND（Esslingen-Nellingen-Denkendorf）市内鉄道からやってきた鋼製の電車ですが、「アリオス（Alioth）」と呼ばれる木造電車も運転されています。
　下界から孤立した様な存在の鉄道ですが、かつてはラック式鉄道の区間があり、Himmelfahrt/L'Assuntaと麓のボルツァーノの間を結んでいました（事故で廃止）。現在はロープウェイが鉄道の途中駅Oberbozen/Soprabolzanoとボルツァーノを結んでいます。

Kolbenstein/Collalbo - Himmelfahrt/L'Assunta 6.6km
※駅名は現地（リッテン／レノン）での表記に従い独語／伊語の順にしました。
※情報は全て2009年03月現在のものです。
※2009年4月にスイスのトローゲン鉄道（Trogenerbahn、2006年にアッペンツェル鉄道Appenzeller Bahnenと合併）から2両1編成の電車が到着し、運転開始に向けて整備が進められている様です。

Kolbenstein/Collalbo駅に停車中の木造電車「アリオス」。

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	高原の村を行く Himmelfahrt/L'Assunta 03/2009 Rittner/Renon Railway, Ritten/Renon, Italy
	牧草地を行く Oberbozen/Soprabolzano - Wolfsgruben/Costalovara 03/2009 Rittner/Renon Railway, Ritten/Renon, Italy
	放牧地を行く Rappersbichl/Colle Renon - Kolbenstein/Collalbo 03/2009 Rittner/Renon Railway, Ritten/Renon, Italy
	山々を背に Wolfsgruben/Costalovara 03/2009 Rittner/Renon Railway, Ritten/Renon, Italy
	森を抜ける Wolfsgruben/Costalovara - Lichtenstern/Stella 03/2009 Rittner/Renon Railway, Ritten/Renon, Italy
	高い木々 Lichtenstern/Stella - Rappersbichl/Colle Renon 03/2009 Rittner/Renon Railway, Ritten/Renon, Italy
	夕暮れの山 Rappersbichl/Colle Renon 03/2009 Rittner/Renon Railway, Ritten/Renon, Italy