鳳来湖の岩場を愛するクライマーの会

2011年11月4日作成


事故報告
鳳来・鬼石(鬼岩)「ファースト」 2010年10月25日

以下の事故は昨年10月25日に発生し、当事者のかたから11月下旬に報告書をいただきました。
(当サイトへの転載が遅れたことをお詫びいたします)

発生時刻 12〜13時ぐらい(はっきりした時刻を覚えていません)
発生場所 鳳来・鬼岩 ルート名「ファースト」
事故当事者

40代女性。クライミング歴5年。それまでのクライミング最高グレードは、レッドポイント5.12b、フラッシング5.11b、オンサイト5.10d。
[ビレイヤー] 50代男性。クライミング歴=アルパインクライミング28年、フリークライミング5年、トータル33年。クライミング最高グレードは、レッドポイント5.12b、オンサイト5.11a。
[メンバー] 30代男性1名、20代男性1名、40代女性1名、50代男性1名

天気 曇時々晴
岩場の状態 前日の夜に霧雨が降り、岩も結露して状態が悪い。
クライミングシューズのソールが濡れて、タオルで拭いても滑る感じがした。
ハイカラ岩のメンバーは岩の条件が悪く登るのを諦め、「ファースト」のメンバーの結果で帰るかどうかを決めることになっていた。
     
事故経過  
ロープはスタートホールドから斜め上2m弱、地面から3mぐらいの1ピン目のボルトにプリクリップしてありました。
40代女性が「ファースト」をリードしようとして、地面から50cmぐらいの高さにあるスタート位置のある大岩に上がり、スタートホールドを持ち足を壁に移し、1手目の遠い左斜め上のガバホールドを取ろうとしたが届かず、後ろの川原の大岩(スタート位置のある岩)に後ろ向きで跳び乗った。
跳び乗った途端、大岩の上でクリップしてあった左斜め上のボルト方向に振られ、再度振り子のような状態で右方向へ振られた際に、スタートの地面から50cm位の高さの岩に左膝を川原の大岩の一段高いところに当て、骨折。
     
救助経過  
左膝の皿が割れ、膝を曲げると皿が離れて膝が陥没し痛みがあり、大腿骨が浮いてくるので手で押さえて皿を元の位置に自力で戻し、同行者がいなければならず、持っていた幅広のテーピングテープで固定。
上記のように負ぶって下ろせる状態ではなく、がっかりエリアの担架を使用させていただきました。
3人交代で登山道を搬送するも、曲がり角や段差などがあり、なおかつ昨夜の雨で足元が滑りやすく、時間がかかり危険である、救助者の状態は重傷であり自分達だけでの搬送は無理と判断。
携帯電話にて119番通報。
乳岩駐車場に救急車を要請、担架を搬送する応援に5〜6人上がってきて欲しいと伝える。
登山道の休憩ポイントから100mぐらい下った所で、ヘリにて救助者のみピックアップされる。
愛知県民の森にヘリにて搬送される。
愛知県民の森から救急車にて豊川の総合青山病院にPM3時ごろ搬送。
登山道に残された3名は、鬼岩に戻り担架を元の所に返却。
壁のヌンチャクを回収、装備をまとめ下山。
川合区の派出所にて事情聴取。
PM6時ごろ豊川の病院にて救助者と面会。
手術を地元に帰ってしたい意向を受け、車にて帰る。

 


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