峯 眞佐雄 奉職履歴

 

平成 3年 8月 3日 横田(旧姓青山)善一氏 告別式

弔辞

 

横田善一君

君が生前、最も心に懸けておられた峯龍隊を代表して、ここにお別れの言葉を申し述べなければならない事と

なったのは、この上ない悲しみであります。

 

横田君、君の逝去はあまりにも突然であり何と言っていいのか、言うべき言葉もありません。

私が君とはじめて会ったのは、昭和十九年十二月、戦況不利で正に回天の偉業を成し遂げんとするべく、

特攻兵器、人間魚雷回天の訓練基地大津島でした。

大津島では、若い搭乗員が日夜激しい訓練に明け暮れており、君は第一班の先任として、訓練に研究討論に

班内調整に最高の力を発揮し、他の同僚から兄貴と慕われていた事を思い出します。

 

その間、先輩友人達が次々と出撃して行きましたが、ついに我々の番となり、

君と伊藤・高坂・中村・石田の諸君、それに私の六人で攻撃隊を編成することとなりました。

隊長の私の名前を取り、「峯龍隊」と名付けてくれたのは、確か横田君だったと憶えています。

昭和二十年八月六日、私達六人は第十二突撃隊付を命ぜられ、千葉県大原町 にある小浜基地へ勇躍出撃致しました。

しかし間もなく終戦となり、私達は平和日本の再建のため、各々の道に進むこととなったのであります。

そして君は戦後も峯龍隊の定期的会合を提唱し、その幹事を率先引き受けて頂き、私達はそれに甘えて今日に

至りました。

 

本年は七月十九日実施との連絡を受けました。

私は社用で札幌出張があり、やむをえず初めて欠席したのでありますが、今となっては何とも残念でなりません。

電話で峯龍隊欠席を詫びたところ、「来年は必ず事前に相談します」と話してくれたのが最後となりました。

痛恨の極みであります。

横田君、今ここに私達の最も親しい友を失い、寂寞の感如何ともし難いものがあります。

しかし、君の残された足跡は永久に消える事はありません。

私達は君の友情に報いる事を誓うものであります。

横田君、どうか安らかにお眠りください。

ここに謹んで哀悼の意を表する次第であります。さようなら。

 

第十二回天隊(峯龍隊)の出撃記念写真(大津島)

後列:石田 林一飛曹(甲13)、中村八郎一飛曹(甲13)

前列:石田 忠一飛曹(甲13)、峯眞佐雄中尉(兵73)、伊藤兵次少尉(予4)、横田善一一飛曹(甲13)

 

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更新日:2007/12/30