海軍大尉 小灘利春
平成17年
回天烈士ならびに回天搭載潜没潜水艦乗員追悼式
参列報告
平成18年 2月
山口県周南市の大津島で、本年度の回天追悼式が定例どおり第二日曜日に当たる十一月十三日に挙行された。
昭和三十年以来、連綿と続いてきた慰霊祭であるが、終戦六十周年の本年は様式を若干変更して
開始時刻を練上げ、午前十一時半から始まった。
北海道から九州までの各地から御遺族四六人が出席された。
一般参列者は約三百人であった。
新幹線徳山駅の南口に近い桟橋から高速艇またはフェリーの便を利用して大津島に渡るが、
参加者が多かったためフェリーでも満員になり、次の便まで待たされた人が多かった。
御遺族に始まる全員の献花の折り、上空を慰霊飛行の三群が航過した。
航空自衛隊第十二飛行教育団(防府北基地)のT17練習機三機、
海上自衛隊小月教育航空群(小月基地)のT15練習機3機、
同第七一航空隊(岩国基地)のUS11A飛行艇1機であり、
いずれも飛行時間の長い練達した操縦者による見事な編隊の慰霊飛行であった。
恒例の「大徳山太鼓・回天」が地元青年有志による真撃な演奏があり、加えて徳山商工会議所女性会の方々
による舞踊「ああ回天」の奉納があった。
式典終了後、今回は「ぜんざい」と御神酒が振舞われ、好評であった。
地元団体・回天顕彰会が慰霊祭を主催しているが、中心となって活動してきた理事がこの一年に三人も急逝する
事態があった。
何処も世代交代を迫られる時期であるが、より若手の海軍関係者や海陸空の自衛隊OBなど有志が代わって
参加し、慰霊事業存続の見通しが固まったことはわれわれ元・隊員として感謝に堪えないところである。
更新日:2007/09/17