海軍大尉 小灘利春
関東、東海、近畿地方の基地回天隊
平成18年 1月13日
第十二回天隊は千葉県夷隅郡大原町の「小浜基地」に進出した。
同隊は第十二突撃隊に所属し、横須賀鎮守府管轄の第七特攻戦隊の指揮下に入った。
同突撃隊は本部を千葉県勝浦に置き、第十二回天隊の回天6基のほか、第十二海籠隊(海籠12隻)と
震洋隊6隊で構成されていた。
回天搭乗員は大津島訓練基地の次の6名であり、
八月六日に陸路出発、広島に原爆が投下されたため日本海沿岸経由で赴任した。
中尉 峯 眞佐雄 兵学校七三期 福井県
少尉 伊藤兵次 兵科四期予備学生、航海学校、 神奈川県
一飛曹 中村八郎 第十三期甲種飛行予科練習生出身下士官(土浦空) 東京都
〃 青山善一 〃 ( 〃 ) 秋田県
〃 石田 忠 〃 (奈良空) 愛知県
〃 高坂 林 〃 ( 〃 ) 長野県
同隊の回天6基は第二一号一等輸送艦が積載する予定であった。
同艦は呉海軍工廠で竣工して間もない八月九日朝、呉を出港して大津島に回航中、光基地沖合の小水無瀬島付近で
米第五空軍のB25爆撃機群と交戦して被爆、浸水し、火災が発生、死傷者多数に及び任務遂行不能となった。
呉に引き返す途中、沈没を防ぐため芸予諸島の津和地島の浜辺に乗り上げたが、火災が消えず
同夜、爆発が発生して遂に沈んだ。
そのため同隊は回天兵器が基地に到着しないうちに終戦を迎えた。
第十六回天隊の下記の搭乗員4名は八月六日大津島を出発、和歌山県日高郡由良町の「白崎基地」に到着した。
阪神警備府配下の第六特攻戦隊第二二突撃附に配属されたが、同突撃隊は紀伊防備隊がある由良に本部を置き、
回天4基のほか海龍24隻、震洋50隻で構成された。
少尉 武永惟雄 兵科四期予備学生、水雷学校、明治大学商学部 福井県
一飛曹 松填公平 第十三期甲種飛行予科練習生出身下士官(奈良空) 愛知県
〃 柴田文四郎 〃 ( 〃 ) 愛知県
〃 高山照夫 〃 (土浦空) 北海道
回天の基地到着は終戦までに間に合わなかった。
このほか、配備を予定されながら搭乗員および兵器の終戦までに進出が間に合わなかった回天隊は次の通り。
第十三回天隊 静岡県熱海市網代下多賀 第十五突撃隊 光基地の回天 10基
第十四回天隊 神奈川県横須賀市小田和 第十一突撃隊 光基地の回天 8基
第十五回天隊 愛知県南知多町大井 第十三突撃隊 平生基地の回天 4基
更新日:2008/02/17