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懐かしのテレビラジオ録音コレクション

レトロ番組録音コレクションに寄せて

2006年6月17日最終更新

うたのメリーゴーラウンド

私の亡父は子供の情操教育に役立てるため、昭和30年代にテープレコーダを購入し、子供番組を数多く録音保存していました。その中で、昭和39年 (1964)頃にNHK総合テレビで放送されていた「うたのメリーゴーラウンド」(略称「歌メリ」)という30分番組の初期の録音が25回分、私の手元に残っています。「回れくるくる回れ....」の主題歌で始まるこの番組に、私は幼児だった自分が受けた情操教育の原点を感じています。
この膨大な録音の書き起こしテキストなどの記録を、以下のページでご紹介していますので、ご覧下さい。

「うたのメリーゴーラウンド」資料集


NHK少年ドラマシリーズ

NHK少年ドラマシリーズの主題歌

1970年代の夕方にNHK総合テレビで放送されていた「少年ドラマシリーズ」は、当時の少年少女に絶大な人気を博していました。私は同シリーズの中で以下の番組の主題歌の録音テープを所蔵しています。 これらの他に、「続・タイムトラベラー」の最終回全部(1972年12月2日放送,30分)の録音テープ(4.75cm/sオープンリール式)も保存しています。私は当時小学校5年生でしたが、子供には高価だった録音テープを30分も消費してわざわざ残した位ですから、私も相当に好きな番組だったのでしょう。

「タイムトラベラー」の思い出

(1998.8.17記)
NHK少年ドラマシリーズ「タイムトラベラー」(筒井康隆原作「時をかける少女」、石山透脚本、NHK総合テレビ1972年1月〜全6回放送)は、私にとって強く印象に残っている番組です。筒井康隆という小説家の名前も、「エントロピー(の増大)」という科学用語も、この番組で知りました。放送当時小学校4年生だった私は、ストーリはほとんど忘れましたが、以下の断片的なシーンが記憶に残っています。 最終回に私は、テレビとテープレコーダ(オープンリール式)をケーブルで接続してテーマソングを録音していたのですが、イヤホン端子(接続するとテレビのスピーカの音が切れる)と録音端子(音が切れない)のうち前者に接続してテレビの音を出さずに録音していたところ、父が「なぜ録音端子に接続しない!」と怒って引き抜き、録音に失敗してしまいました。私は悔しくて後から泣き出したのですが、父は理由がわからず「なぜ泣いてるの?」と尋ねてきました。好きだった番組が終わってしまったことの悲しさもあったのでしょうが、あの時ほど「親は子供の心がわからないのだ」と悔しく思ったことはありません。思い返してみると、ヤケを起こして子供に悲しい思いをさせることは、父親になった私自身が今、子供に対してしばしばやっていることです。反省。。。
なおテーマソングは、幸い最終回の1回前の分を録音してあったので、今も手元に残っています(上記リスト参照)。但し最終回のほうが長いバージョンの曲だったので、そっちのほうも録っておきたかったのですが。

「続タイムトラベラー」(1972年秋放送)の頃には私は小学校5年生に成長していたので、最終回に泣き出すことはありませんでした(笑)。

こうしてみると変な思い出ばかりですが、「タイムトラベラー」が私だけでなく同世代のかなり多くの人達にも強い印象を残している番組であることを、私は比較的最近になって知りました。NHK少年ドラマシリーズは100シリーズ以上放送されましたが(外国製の少年向けTV映画も含む)、国産のシリーズはほとんどがスタジオでのビデオ制作番組(フィルム制作である数少ない例外が「つぶやき岩の秘密」)だったため、映像がNHK(および関連会社)に現存しているのは2〜3シリーズに過ぎず、その他に制作スタッフやマニアが個人的に保存しているものを含めても10シリーズ程度しか現存が確認されていないそうです。「タイムトラベラー」や「続」は現存が確認されていないシリーズです。(その後「タイムトラベラー」も「現存が確認されているシリーズ」になりました! 詳細は後述。1998.9.5記)

私の手元にある「続」の最終回の録音を聞き返してみますと、演出や特撮の技術が発達しきった最近のテレビ番組と比較すると、セリフや効果音などに稚拙さが聞き取れます。もし「タイムトラベラー」のビデオが現存していて、もう一度見ることができたとしても、おそらく幻滅して当時のような感動は得られないでしょう。現存しない幻の番組であることが「タイムトラベラー」の神話性を高め、感動を維持するためにむしろ幸いなのかもしれないという気がしています。後に同じ原作が原田知世さん主演で映画化されましたが、私は全く興味を持てませんでした。関心があったのは、その映画に昭和初期の大女優であった入江たか子さんが出演していたことぐらいでしょうか。(1998.8.17記)

「タイムトラベラー」の録画を発見!

(1998.9.4記)
1998年9月3日に、当ホームページへアクセスした方から以下のメールをいただきました。タイムトラベラーが再放送される日が待ち遠しいですね。「NHKアーカイブス」という番組枠で、2001年11月18日にノーカットで再放送されました。)
はじめまして、ちねといいます。
恐らく、私と同年代でしょうか、NHKのタイムトラベラーを含め昔のテレビ番組に対しての思い出は同じものがあります。私には、2歳離れた妹がいて、彼女も当時、タイムトラベラーのファンで、やはり、お目当てはケンソゴルのようでした。妹は、いつも学校の帰りが遅いので、ビデオに撮ってあげて、見ていました。 当時、ビデオは今のようなVHSではなくベータさえも無く、オープンリールタイプのものでした。ビデオデッキは高級なもので、ほとんど普及していなかったと、思います。決して、私の家が裕福だったというわけではなく(^^;家が電気店だったため、展示商品を使っていました。テープ1本に、毎回、上書きしていたのですが、当然、最終回が残ることになりました。
昨年、NHK-BSで、懐かしの番組特集があって、その中で、タイムトラベラーの録画が残っていないことを知りましたので、さっそく、NHKに連絡しました。 なにぶんにも今は使われていないオープンリールテープなのでNHKでも再生に苦労したようです。ようやく見つけた放送博物館にあるデッキを、メーカで修理させたりと、かなり時間がかかったようですが、なんとか、再生に成功しました。
恐らく、今後、NHKで昨年同様な懐かしの番組特集を放送する場合には、必ず放送されるものと思います。ちなみに、私の手元にはNHKでダビングしてもらったVHSテープがありますが、思ったよりきれいに映像が残っていて感動ものでした。
当時の番組をカセットで録音することを私も行っていました。 タイムトラベラーや、続・タイムトラベラーの曲もけっこう良い音で残っています。 民放の番組などは、最近、CDなんかで復活し、番組もCSで放送されるようになったの で、少し残念ですね。
それでは、また。
【タイムトラベラー関連情報へのリンク】

天下御免

1971年から72年にかけてNHKで放送された時代劇「天下御免」は、当時大変に人気があり、小学校5年生だった私も好きな番組でした。江戸時代の奇人・平賀源内を主人公にした早坂暁脚本のこの作品は、時代劇のあり方を根本的に変えたとさえ言われるほどの衝撃的な番組でした。私はこの番組の最終回全部(60分)の録音(カセットテープ)を保存しています。当時片道60分の連続録音ができるカセットテープ(120分テープ)は高価で貴重なものでした。同番組を録音保存するために、わざわざ父に120分テープをねだって入手したことを覚えています。なおこの番組もご他聞に漏れず「幻の時代劇」と呼ばれ、NHKには録画が1回分も残っていません。平賀源内を演じた俳優の山口崇氏が当時まだ珍しかった家庭用ビデオテープレコーダで録画保存していた第1回と最終回の2回分だけが、悪い画質ながらも現存が確認されています。
この番組が放送されていた当時、わが家はテレビを白黒からカラーに買い換えました。買い換えて初めて見たのがこの「天下御免」でした。主題歌の最初に「天下御免」の文字が大写しになるのですが、先週まで何の疑問ももたず灰色の文字として見ていたのに、いきなり真っ赤な文字が躍り出たために、子供だった私はびっくりしたことを強烈に覚えています。

※私がテレビ番組の保存に関して朝日新聞『論壇』(1999年9月8日)に書いた中で「天下御免」について触れたところ、主演・平賀源内役の山口崇氏から共感のおたよりをいただきました。 山口崇氏の色紙
山口崇氏の色紙

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