日本最初の営業電車路線だった京都市電伏見線(京都駅〜中書島)は、1970年(昭和45年)に廃止されました。幼い頃伏見に住んでいた私にとって、同線は思い出深い乗り物です。1978年に京都市電が全線廃止になった直後に、高校生だった私は伏見線の痕跡を尋ねて歩き回りました。伏見線は棒鼻〜肥後町間に専用軌道区間がありましたが、廃止から10年近く経過していた当時は既にほとんど痕跡が残っていませんでした。丹波橋付近で見つけた唯一の痕跡が、枕木で作られた道路脇の柵でした(写真)。この写真から更に20年以上経過した現在では、おそらくこの唯一の痕跡も残っていないのではないでしょうか。
【参考になる文献】沖中忠順著「京都市電が走った街 今昔」, p.144, JTBキャンブックス ISBN4-533-03421-7