---えどめぇるまがじん・ooedosen_02--- 

都営大江戸線一周旅行  第弐回目 「練馬春日町」
 今回は都営大江戸戦の2番目の駅「練馬春日町」駅を取り上げます。実は
 自分も行くのが初めての駅。どんな駅なのか、どんな街なのか、興味は
 ありますが、果たしてここに「江戸」はあるのでしょうか?「江戸」の
 香りを発掘しながらのそぞろ歩き、今回は如何なることになりますやら?

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写真1(練馬春日町駅構内)
練馬春日町駅構内 まずイヤな予感がしたのだ。
「大江戸線1周」の取材の前には必ず周辺地域の地図を調べることにしている。
大江戸線の駅を渡り歩いて「江戸」を探し追求する傍ら、
やはり現代の「東京」の市街の様子も把握しておく必要があるからだ。
でも、甘かった。地図からでは、江戸の香りはしない。

写真2(駅の周辺)
駅の周辺 「練馬春日町」の駅に降り立ち、周りを見ても何もない。予感的中である。
駅構内も、これといった特徴もなく、周囲はただの住宅地だ。
ただ存在するのは環状8号線。しかしコレは南側が開通していない。
さて・・・本当にどうしよう。こんなんで記事になるんだろうか?

もしかしたら、江戸発見の感動を素直に伝えたいと、白紙の状態で臨んだのが、
実は無謀だったのかも知れない。ここはひとまず江戸は置いといて、
練馬春日町という街として特徴のあるものはないか? ランドマークみたいなものは ないだろうか?

あの「Webやぎの目」でも取り上げられていた、
恐らく日本(のWeb上)で一番有名なガスタンクが、この近所にあったはずだ。
毎朝毎晩、通勤している電車からも、よく見える、あのガスタンク。
とりあえず行ってみよう・・・「練馬春日町」の駅から歩くこと約20分。
街道脇に6つのガスタンクを発見。

写真3(ガソリンタンク)
ガソリンタンク そもそも、このガスタンク、1959年にできたのだそうだ。
この周囲に住んでいる人は万が一のことを考えると怖くないんだろうか?
よく怪獣映画とか特撮物でガスタンクがバンバカ壊されたりしているけど、
アレって実際に起こったら大惨事だろうなぁ・・・などと余計なことまで考えてしまう。
政情不安定なこの時期に、全く不謹慎極まりない。

でもガスタンク・・・いや、正式な名称は「ガスホルダー」なのだそうだが、
実は意外に強い構造をしているらしいのだ。
何枚もの鋼板を繋ぎあわせて作ってある上、しかも球形という形が強風をもしのぎ、
阪神大震災クラス(震度7)の大地震にも十分耐えられるそうなのだ。
さらに意外なことに、ガスホルダーに火を近づけただけでは発火しないらしいのだ。
内部に空気がない状態なので、外からの加熱はもちろんのこと、例え内部に着火した
としても、爆発しないのだそうだ。例え火災が起こっても、ガスホルダーは、熱に強
い鋼材を使用し、周囲は広く空間をとってあるため、影響はないとのこと。また、専
用の消火設備も備え、安全対策も万全。コレは意外といっては失礼だが、案外しっか
りしてるんだ。

よく刑事物や探偵物の小説や映画に出てくる台詞で
「犯人(ホシ)は必ず現場に戻る」というのがある。よし、戻ってみよう。
今回の現場・・・「練馬春日町」駅へ。再び20分ほど歩く。

実は、この歩いている道が「富士街道」と称されて、江戸時代からある道だと
いうのを、この帰り道に知った。コレはちょっと江戸のにおいがする。江戸時代、富
士講と称して、庶民が江戸から富士山に詣でる旅をする風習があったという。富士街
道は、江戸時代、そんな人々が旅をした道なのだ。

または当時は、それが高じて、江戸周辺に「富士山」を擬似的に作ってしまったとい
う話もあったそうだ。いわば富士講のために作られた「ヴァーチャル富士山」であ
る。確かにこの辺、そういえば「富士」のつく地名が多い。富士街道、富士見台、富
士塚、富士見高校・・・実は多い気がするだけかも知れない。

「練馬春日町」駅まで戻って、まずは駅員さんに聞き込み。
なんでも、この「練馬春日町」駅は仮称時は「春日町」だったそうだが、文京区役所下
にある「春日」駅と区別するために「練馬春日町」になったそうだ。環状8号線のア
ンダーパスがあるので、この辺りにしては駅自体がやや深い構造となっているとのこ
と。しかし、環状8号線は練馬春日町から南西方向はまだ開通していない。付近はマ
ンションが多く建つようになり、大江戸線の駅ができて街がかなり発展したところで
もある。今後は、環状8号線下に「区部周辺部環状交通」(エイトライナー)の計画
があり、そ乗り換え駅になる。かなり将来有望株な駅であるらしいのだ。

写真4(愛染院)
愛染院 さらに駅の近所をブラブラ歩いてみる。住宅地の中に畑の多い、ある種「牧歌的」な 雰囲気。その中にある「愛染院」というお寺を発見。愛染明王を祀る江戸時代からの 縁あるお寺らしい。しっかりお参りをしてから境内を見てまわる。なんでも江戸時代 には寺領十二石一斗の御朱印を賜っていた由緒正しきお寺で、弘法大師の銅像なんか も境内にある。そして注目は鐘楼・・・元禄時代、1704年に鋳造されたもので、太平洋 戦争中の「供出」も乗り越え、現存している鐘楼の中では大変貴重なもの。

写真5(練馬大根の碑)
練馬大根の碑 そして、その参道で・・・発見しました「練馬大根の碑」。 さすがに、コレにはびっくりです。練馬といえば大根、大根といえば練馬の、パブリ ックイメージがあるのは知ってはいたものの、まさか「碑」まであるなんて。そもそ も江戸の頃、当時の将軍であった徳川綱吉が駿府から種子を取り寄せ、栽培を奨励し たのが、この練馬の地との事。昭和のはじめには一大名産地として名を馳せ、昭和 16年に、この碑はそれを記念して建てられたんだそうです。しかし練馬大根は1933年 の「バイラス病」なる病に冒されて、その伝統は衰退していったとの事。現在では練 馬大根を栽培している農家も少なくなり、キャベツの方が農業の主流とのこと。まさ に栄枯盛衰。

さらに調べてみると、大泉の方に行くと練馬大根饅頭なんて代物もあるらしい。まさ
か、実際に餡を大根に包むんだろうか?甘いものはちょっと苦手で、あまり食べない
筆者でも、それはスゴい取り合わせになりそうな気がする。(実際の練馬大根饅頭
は、普通のお饅頭に大根の葉をくるんだ物らしいです・・・ほっ)他にも練馬大根最
中、練馬大根物語なんていうのもあるらしく、こっちは麦こがしのお菓子とのこと。

丁度、「江戸料理百選」WWW-Siteの方では大根特集やってるし・・・コレって、かなり
タイムリーなんではなかろうか? 皆様「江戸料理百選」WWW-Siteの方も閲覧してい ってくださいね。

Webやぎの目 http://www.kt.rim.or.jp/~yhayashi/
谷原のガスタンクを始め、日本中のガスタンクを紹介している「ガスタンク2001」
他、本にもなった「死ぬかと思った」、好きなにおいを告白する「においカミングア
ウト」等、コンテンツが充実。

よみがえれ!練馬大根 http://www.city.nerima.tokyo.jp/daikon/index.html
区が運営しているWWW-Site。練馬大根の情報は、ほとんど網羅している。

栄泉 http://www.ipnet.city.nerima.tokyo.jp/eisen/
大泉学園町にある練馬大根饅頭、練馬大根最中などを扱う和菓子屋さん。
練馬土産に如何でしょうか?

      次回「豊島園〜練馬」へ。


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