江戸料理百選タイトル   

随時掲載
月だよりメモ


  
お月見
旧暦八月十五日夜の月を「十五夜」又は「中秋の名月」といい、今年2002年は九月二十一日(土曜日)にあたります。
旧暦九月十三日夜の月を「十三夜」又は「後の月(名残の月)」といい十月十八日(金曜日)にあたります。
月を眺める風習は平安時代に中国から伝わったと言われます。貴族達だけの風習でしたが江戸時代になって一般庶民にも広まりました。当時は十五夜と十三夜の両方を鑑賞するのが風習で、「片見月(片 方だけ見る)」はしないようです。片月見(かたみづき)は言葉からみても不吉だからでしょうね。
十五夜のお団子は十五個で餡(あん)を用いて食し、三方盆にうずたかく盛り上げ、柿・芋・衣かつぎ・枝豆・葡萄を添えます。秋草を花入れに挿し、座敷の縁先や物干台へ飾りました。
十三夜のお団子は十三個で、黄粉(きなこ)を用いて食します。衣かつぎ・栗・枝豆・すすきを供え、舟でお月見という者もあったようです。
ちなみに十五夜は「芋名月」、十三夜は「豆名月、栗名月」ともいいます。作物の収穫時期の違いからでしょうか。

月を詠んだ時世の句
「名月や池をめぐりて夜もすがら」松尾芭蕉
「名月を 取ってくれろと 泣く児かな」小林一茶
「月々に月見る月は多けれど 月見る月はこの月の月」詠み人知らず  

形が変わる毎に月の呼び名も変わります。十五夜、十三夜の他に二日月、三日月、十日夜、待宵、十六夜(いざよい)、立待月、居待月、寝待月、更待月、二十三夜、二十六夜、新月(しんげつ)、つごもり、晦(つきこもり)、弓張月、上弦の月、下弦の月、有明の月、七日月、八日月、九日月、宵闇月など。
中にはとてもロマンチックな名前もありますね。それぞれに意味があるようです。

秋の七草
春の七草が食用に対して、秋の七草は鑑賞用。頭の文字を読むと「おすきなふくは」となるので憶えやすいです。
お――おみなえし
す――すすき
き――ききょう
な――なでしこ
ふ――ふじばかま
く――くず
は――はぎ。
(参考)春の七草
セリ(芹)、ナズナ(ペンペングサ)、オギョウ(ハハコグサ)、ハコベラ(ハコベ)、ホトケノザ(コオニタビラコ)、スズナ(カブ)、スズシロ(ダイコン)


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