博士の奇妙な…#3
ピラミッドの不思議
小林紀史
◆ピラミッドエネルギーだ!
さて、電脳部室にお集まりの諸君、今回の話題は、諸君もよくご存知のピラミッドエネルギーだ。(前に話したことがあります。またかと思った人は、ごめんなさい。)
◆歴史
このエネルギーに関する世界最初の特許は、チェコのカレル・ドルバル氏が、1952年に取得したチェコ特許第91304号らしい。ドルバル氏の特許は、「髭剃り用の刃及び剃刀を鋭利な状態に維持する方法」というもので、ボール紙などの絶縁材料で四角錐(ピラミッド形)の箱を作り、その箱の底面の四隅を、それぞれ北西、南西、南東及び北東に向け、その箱の中に、摩耗して切れ味の悪くなった剃刀を、その刃の方向が地球の磁力線に平行になるように入れておくと、剃刀の刃のエッジが再生し、再び切れ味がよくなるというものである。以来、このエネルギーの利用についての研究が進められ、脱水乾燥、腐敗防止、植物の成長促進などの作用も確認されている。そして、どこでも手軽に利用でき、持ち運びに便利な組立式ピラミッドエネルギーユニットや、ピラミッドエネルギー発生器(つまり、小さな四角錐)を内蔵したピラミッドエネルギー健康器、ピラミッドエネルギー健康枕も考案されている(実開昭59−48653号、実開昭59−169844号、実開平1−90467号)。
◆問題点とその解決方法
このように広く用いられているピラミッドエネルギーではあるが、一つ欠点がある。それは、ドルバル氏の特許にも記載されているように、ピラミッドエネルギーを利用するには、その底面の四隅を、北西、南西、南東及び北東の方向に正確に向ける必要があるという点である。この重大な欠点を、我が日本の優秀な頭脳が解決した(特開昭59−187300号)。それは、
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底面を円形にする
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というものである。これなら、装置に方向性がないから、正確な方向合わせが不要で、どっちに向けてもいい訳である。
この画期的な技術により、今後のピラミッドエネルギーの利用に弾みがつくことは、間違いない。(底面を円形にしたら、ピラミッドじゃなくなるんだけどなあ。)
◆みなさ〜ん!
私は、こんなこと、本気で信じて書いているんじゃありませんからね〜、本当ですよ〜!
それにしても、特許庁というところは、ここで引用したような文献でも、きちんと年代順に整理されてファイルされている。それどころか、データベースに入っていて、検索キーまでついている。つくづく、変なところだ。
◆世紀末フォーラム?!
…というのが、NIFTYにある。そこのメンバーであるという特許庁の後輩に勧められたのだが、どんなフォーラムなんだろう? その後輩は、「ムー」を定期購読しているという噂なんだが。