井熊さんちの家庭の事情#1
井熊明子


 糸納豆を有り難く受け取りました。

 ずいぶん反応遅れがあるけど、感想などをひとつ。

 200ページ達成記念号のビールの試飲のお話が面白かった。ひとごとだから、とっても楽しく読ませてもらいました。

 お酒の味に関しては、私はまったく無関心なんですが(と、いうのも、私が知る人ぞ知る地上最弱の下戸だから)、大変な努力の上に、様々な新製品の山が築かれるんですね。でも、食料品や飲料に限ったことではないけど、来年まで残る新製品は極わずかだそうで、ご苦労さまなことです。

 このお話しを読むまでは、夏にやっていた“出来立て出荷”』って、単に目新しさを狙ったのかと思っていたのですが、ちゃんと理由があったのですね。

 啓蒙されてしまいました。

 では、冬物語とかの季節ものにもやはり深いわけがあるのでしょうか。

 これからもこんなうんちく話をたくさん載せてください。


 それから、“お楽しみはこれからだ”も楽しかった。少年マンガの“ガキ大将説”はご尤もだとおもいます。前にスピリッツに相原コージが連載していた『サルでも描けるマンガ教室(略して“さるまん”)』で、少年マンガのストーリーに関する考察がなされていたけど、“ガキ大将説”は少年マンガのヒーローの内面に踏み込んだ(?)、より深い考察ですね。

 『北斗の拳』はアニメしか見ていないけれど、第1部でケンシロウにくっついていた少年、少女が第2部ではあんなに大きくなっていたのに、ケンシロウは全く老けていないんだから、彼は永遠の少年(青年かな)といって間違いないでしょう。その点では、400年も同じ姿で生きているらしいダークシュナイダーなんかは、その最たるものじゃないでしょうか。

 しかし、ダークシュナイダーの場合は、どう見てもカオティックとしかいえない性格からいって、典型例ではないですね。私としては、正統派ジャンプマンガよりもこの手の異色(というほどではないか)の方が好きなので、こういう傍流の作品についての考察なんかも読みたいと思います。それと、ヒーローの考察が終わったら、今度は悪役についての考察なんかいかがでしょう。


 子供が出来て夜遊びが出来なくなった上に、井熊氏の転勤で水戸に飛ばされてしまったから、お江戸会にも参加できなくなって、今まで以上に情報に疎くなってしまいました。だから、糸納豆のゴシップ情報をあてにして待ってますのでよろしく。来年は、細川さんが結婚する関係上、きっと世代番号の若いロートルたちの情報も多く出まわると期待されるので楽しみです(引退が早かったもので、羽鳥君の世代より若い人達はほとんど知らないんだもの。蛸井君は、一度お江戸会で見たことがあるような気がするけど)。


 先日、大竹さんが遊びに来ました。と、いうよりも、昼御飯を食べにきたといったほうが適切かもしれません。SF馬鹿話が始まるかと思ったのですが、結局井熊氏が、手持ちのゲームソフトのうちパソコンからPCエンジンあるいはスーパーファミコンに移植されたものを実際にやってみせることに終始してしまいました。彼は、説明するという大義名分を得て、子守りは大竹さんに任せて、ゲームに熱中しておりました。

 そう、なんと、家の子供(ちなみに朋実といいます)は、大竹さんが気に入ったらしく、おじいさんやおばあさんに対するよりもずっとなついてしまい、彼の青いひげ剃りあとのジョリジョリした感触を物珍しそうに楽しんでいました。そこで、きっと変わり者の変な女の子に育ってしまうであろう我が子の行く末を案じた井熊氏は、大竹さんに、20年先の予約でいいから、嫁さんにもらってくれないか、と、申し出たのですが、「井熊さんをお父さんと呼ぶのにはちょっと抵抗がある」と、あっさり断られてしまいました。

 確かに、私も大竹さんのお母さんになるのはちょっと抵抗がある。


 大竹さんといえば、彼もアップルを買うそうです。先日来たときに、既に注文していたのだから、買ったそうですと言うべきかな。SF研OBのアップル人口は凄いものがありますね。ボーナス一回分をはたいたそうだから、なかなかのものでしょう。独身だからできることだと、井熊氏はうらやましがっておりました。

 そう、いく負けは、共稼ぎでありながらなぜか貧しく、未だに電脳部室への入会切符であるモデムと通信ソフトが買えないのです(実は、私も電脳部室への入室のためにモデムを買おうとしている一人です)。だれか、ATコマンド対応のモデムのお古をくれないかな。

1993年12月8日(バカが戦争を大きくした日だ)


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