月刊LaLaインデックス1989
MONTHLY LaLa INDEX 1989

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 白泉社月刊LaLaのインデックスデータ。その1989年版。独断と偏見に満ちた星取表(5点満点)と短評付き。


月刊LaLa 1989年12月号
表紙やまざき貴子「GONDWANA」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「月の子」清水玲子第15回 ★★★
「CIPHER NEWS NETWORK」成田美名子 CIPHERスペシャル番外編PERSONAL COOKING★★
「淋しいリフレイン-僕のBlueAngel II-」なかじ有紀読切 ★★★
「カメの甲より年の功」笑木田しいギャグシルバー・エイジ・リポート★★
「花咲ける青少年」樹なつみ第3回 ★★★★
「フル−ツ果汁100%」岡野史佳第23回Flesh10.Miss You (後編)★★★
「みかん・絵日記」安孫子三和第19回その19★★★
「Dr.ク−ジョ危機一髪!!7」星崎真紀第4回カリブの王子様4★★★
「GONDWANA」やまざき貴子第3回 
「むかーし、むかし…」笑木田しいギャグシルバー・エイジ・リポート★★
「君達のとくべつ」杜真琴読切 ★★★
「アイドルには手を出すな」山岡まゆみ読切第84回LMSトップ賞★★
「インナ−・カルテット」かわみなみ第11回(第3話第2回)第3話We'll Be Together 2★★★★
「シニカル・ヒステリ−・アワ−」玖保キリコ第87回 ★★★
「ひのまるなかま」ひのまるギャグ ★★
 そんなに特筆することはないけど、あまりコメントしていないギャグの話をすると、この時期、笑木田しいはけっこうオリジナルな絵柄と独特のテンポを確立していて、玖保キリコの域には到らないけど、層の薄いギャグ陣を底支えしていたなあ、と、ちょっと思った。(2006/07/17)


月刊LaLa 1989年11月号
表紙清水玲子 
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「フル−ツ果汁100%」岡野史佳第22回Flesh10.Miss You (前編)★★★
「GONDWANA」やまざき貴子第2回 
「花咲ける青少年」樹なつみ第2回 ★★★★
「みかん・絵日記」安孫子三和第18回その18★★★
「秋に来る鬼」わかつきめぐみ読切 ★★★
「黄金色の句読点」桑田乃梨子読切(犬神くん)★★★
「月の子」清水玲子第14回 ★★★
「カラフルBOX」なかじ有紀最終回15 COLORFUL GIRL★★★
「CIPHER」成田美名子第56回Scene11.RIPTIDE★★★★
「ダイエットについて御一考願います」笑木田しいギャグ ★★
「とりさんのおくさんのピクニック」ひのまるギャグ ★★
「Dr.ク−ジョ危機一髪!!7」星崎真紀第3回カリブの王子様3★★★
「インナ−・カルテット」かわみなみ第10回(第3話第1回)第3話We'll Be Together 1★★★★
「シニカル・ヒステリ−・アワ−」玖保キリコ第86回 ★★★
 桑田乃梨子犬神くんシリーズが最終作。まあ、残念ながら尻すぼみかなあ。やはり、たこい的には桑田乃梨子は短編作家で、ワンアイデアのヒット短編をシリーズ化すると尻すぼみになる印象が強い(後年の『ほとんど以上絶対未満』あたりも残念な例の代表かと)。まあ、最初から連載向けにキャラクターを立てたシリーズものには光るものも多いので、桑田乃梨子が短編オンリーの人だとは思ってはいないんだけど。
 わかつきめぐみ「秋に来る鬼」は、作者が寺田寅彦、中谷宇吉郎にハマっていた時期の作品で、内容はそれらとは関係ないが(笑)、登場人物の名前がちょっと気恥ずかしい(笑)。わかつきめぐみは、自分の趣味を作品に反映させたがるものの、それが前面に出すぎて気恥ずかしい、というのがけっこう多い人かも(笑)。
 かわみなみ『インナ−・カルテット』が連載再開。四重人格がそれぞれの必然性を持って徐々に統合されていく展開は今読んでも圧巻。(2006/07/17)


月刊LaLa 1989年10月号
表紙なかじ有紀「カラフルBOX」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「花咲ける青少年」樹なつみ第1回 ★★★★
「夏もやっぱり一生懸命いしだくん」笑木田しいギャグ ★★
「みかん・絵日記」安孫子三和第17回その17★★★
「CIPHER」成田美名子第55回Scene11.RIPTIDE★★★★
「GONDWANA」やまざき貴子第1回 
「それなりにロマンチック」ひかわきょうこ最終回 ★★★★
「月の子」清水玲子第13回 ★★★
「幸せの青い手紙」河野若菜読切第83回LMSトップ賞
「フル−ツ果汁100%」岡野史佳第21回Flesh9.籠の外の傾向と対策4★★★
「Dr.ク−ジョ危機一髪!!7」星崎真紀第2回カリブの王子様2★★★
「カラフルBOX」なかじ有紀第14回14 TRICOLORE★★★
「キミは等身大の夢」森生まさみ読切 ★★★
「シニカル・ヒステリ−・アワ−」玖保キリコ第85回 ★★★
 樹なつみ『花咲ける青少年』連載開始。確かに、パイロット編の「マハティ編」のラストページで本編が現代日本から始まる、ということが書いてあったものの、導入編としての意外性とキャラクターの立ち方、展開のスピード感にはけっこう脱帽した記憶がある。やはり、マンガ家としての脂がのりきった印象。
 ひかわきょうこ『それなりにロマンチック』は、番外編なども含め、一連のウェスタンシリーズの完結編ということで、作品単体のみならず、いろいろと感慨深い。
 注目し始めていた森生まさみ「キミは等身大の夢」は、こっぱずかしいほどの正統派少女マンガで、マル。今の絵柄に固まりきる前の、この時期だけの森生まさみの絵柄が、実はけっこう好きだったりする。
 やまざき貴子『GONDWANA』は、もともとムシシリーズのSF的評価が低いところにもってきて、スケールだけは大上段に振りかぶってみたけど、設定に追いつかないストーリー、演出力、いずれを取っても受け入れ難く、中堅の作品には珍しい★。後年の『ZERO』と比べればファンの人にも違いは明らかではないかと思う。せめて、このアイデアに手を着けるのをあと5年くらいは待てばよかったのに、というのが正直な印象。(2006/07/17)


月刊LaLa 1989年9月号
表紙成田美名子「CIPHER」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「みかん・絵日記」安孫子三和第16回その16★★★
「月の子」清水玲子第12回 ★★★
「カラフルBOX」なかじ有紀第13回13 MILK BOY AGAIN★★★
「Dr.ク−ジョ危機一髪!!7」星崎真紀第1回カリブの王子様1★★★
「どこにいても大丈夫」桑田乃梨子読切(犬神くん)★★★
「それなりにロマンチック」ひかわきょうこ第2回 ★★★★
「ひのまるなかま」ひのまる第10回 ★★
「一生懸命いしだくん」笑木田しいギャグ ★★
「フル−ツ果汁100%」岡野史佳第20回Flesh9.籠の外の傾向と対策3★★★
「CIPHER」成田美名子第54回Scene11.RIPTIDE★★★★
「荘厳な神殿-エシュマ-」秋里和国後編青のメソポタミア★★
「COUNTDOWNパートナー」椎隆子読切 ★★★
「シニカル・ヒステリ−・アワ−」玖保キリコ第84回 ★★★
 連載陣はいずれもほぼ堅調。外様的なところで、秋里和国は『青のメソポタミア』シリーズが終わったので、LaLaへの登板はこれが最後。あと、増刊に続き、椎隆子が登場しているものの、本誌への登板はこれが最初で最後だったかと。(2006/07/17)


月刊LaLa 1989年8月号
表紙安孫子三和「みかん・絵日記」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「それなりにロマンチック」ひかわきょうこ第1回 ★★★★
「みかん・絵日記」安孫子三和第15回その15★★★
「月の子」清水玲子第11回 ★★★
「ブライアン君の休暇」しばたひろこ最終回豆パン食べたい3★★★
「CIPHER」成田美名子第53回Scene11.RIPTIDE★★★★
「カラフルBOX」なかじ有紀第12回12 ホワイトラビリンス★★★
「ぼ−−〜棒のおはなし〜」笑木田しいギャグ ★★
「荘厳な神殿-エシュマ-」秋里和国前編青のメソポタミア★★
「フル−ツ果汁100%」岡野史佳第19回Flesh9.籠の外の傾向と対策2★★★
「ひのまるなかま」ひのまる第9回 ★★
「だって夏よ」米沢りか後編(信夫&玉緒)★★★
「夏休みのおさんぽ」八色祈読切第82回LMSトップ賞
「インナ−・カルテット」かわみなみ第9回(第2話第5回)第2話Blow in the wind 5★★★★
「シニカル・ヒステリ−・アワ−」玖保キリコ第83回 ★★★★
 LaLa WINTER CLUBの前日譚「ミリアム13」に続き、『時間をとめて〜』の後日談『それなりにロマンチック』の短期連載スタート。娯楽マンガとしての完成度はもはや職人芸。
 あと、しばたひろこ『ブライアン君〜』が最終回で、また懐かしい顔ぶれが一人LaLaから退場。そういう意味では、1989年は徐々に進んで来たLaLaの世代交代がひととおり終わった年、ということになるのかも。
 あとは、「シニカル〜」に★★★★がついているのは、お察しの通り(笑)、ツンタくんの回だということで(笑)。特に今回は、謎のバイキャラクターかわいいコックさんとのからみで、なかなかいい味が。(2006/01/04)


月刊LaLa 1989年7月号
表紙岡野史佳「フル−ツ果汁100%」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「パッション・パレード」樹なつみ最終回第14話 PASSION PARADE・後編★★★★★
「月の子」清水玲子第10回 ★★★
「白昼、サバイバる!」やまざき貴子読切若菜&紫野★★
「とりのおはなし」笑木田しいギャグ ★★
「みかん・絵日記」安孫子三和第14回その14★★★
「だって夏よ」米沢りか前編(信夫&玉緒)★★★
「ブライアン君の休暇」しばたひろこ第38回豆パン食べたい2★★★
「CIPHER」成田美名子第52回Scene11.RIPTIDE★★★★
「フル−ツ果汁100%」岡野史佳第18回Flesh9.籠の外の傾向と対策1★★★
「カラフルBOX」なかじ有紀第11回11 レボリューションレッド★★★
「So What?」わかつきめぐみ最終回蒼天百景★★★
「インナ−・カルテット」かわみなみ第8回(第2話第4回)第2話Blow in the wind 4★★★★
「シニカル・ヒステリ−・アワ−」玖保キリコ第82回 ★★★
 この号は、なにはなくとも樹なつみ「パッション・パレード」最終回にとどめを刺す。いささか駆け足で語られる後日談でのそれぞれのキャラクターが何ともいい味を出していて、なおかつ、すべてが納まるべきところに綺麗におさまった大団円。「パッション・パレード」というタイトルの含意も明らかになる。長編の最終回のお手本のような最終回といえるかも。
 一方で、わかつきめぐみ「So What?」も地味に最終回。淡々としたこのマンガらしい淡々とした最終回ではあった。サブタイトルがムーンライダーズからの引用であるのはまあご愛敬ということで(笑)。(2006/01/04)


月刊LaLa 1989年6月号
表紙なかじ有紀「カラフルBOX」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「月の子」清水玲子第9回 ★★★
「CIPHER」成田美名子第51回Scene11.RIPTIDE★★★★
「Dr.ク−ジョ危機一髪!!6」星崎真紀読切ひみつのクージョ2★★★
「みかん・絵日記」安孫子三和第13回その13★★★
「フル−ツ果汁100%」岡野史佳第17回Flesh8.そして9月の瞳・後編★★★
「ひのまるなかま」ひのまる第8回 ★★
「パッション・パレード」樹なつみ第25回第14話 PASSION PARADE・前編★★★★
「So What?」わかつきめぐみ第29回Phase29 春日晨明★★★
「耳をそばだてて」桑田乃梨子読切(犬神くん)★★★
「カラフルBOX」なかじ有紀第10回10 シグナルレッド★★★
「ブライアン君の休暇」しばたひろこ第37回豆パン食べたい1★★★
「MILK」原なおこ読切 ★★★
「インナ−・カルテット」かわみなみ第7回(第2話第3回)第2話Blow in the wind 3★★★★
「天使も悪魔も君次第」馬城郁読切第81回LMSトップ賞
「シニカル・ヒステリ−・アワ−」玖保キリコ第81回 ★★★
 前号に引き続き、「パッション・パレード」の盛り上がりに★★★★。「So What?」もラス前なんだけど、こちらはまあ淡々としたもの。
 かわみなみ「インナー・カルテット」はタイトルの意味が初めてわかる回。一人の人間の中に四つの人格がある、という意味だったのだが、まだダニエル・キイスという名前がSFファンにしか知られていなかった1989年に多重人格もの、というのは、今にして思えばなかなかに先駆的ではあったかも。そういえば、「シャンペン・シャワー」も内容はほとんどギャグだったけど、Jリーグ発足のはるか昔に世界的なサッカー事情をきちんと押さえた設定だったし、総じてかわみなみという人は、早すぎたマンガを描く人ではあるかも(笑)。(2006/01/04)


月刊LaLa 1989年5月号
表紙清水玲子「月の子」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「CIPHER」成田美名子第50回Scene11.RIPTIDE★★★★
「フル−ツ果汁100%」岡野史佳第16回Flesh8.そして9月の瞳・前編★★★
「青のメソポタミア」秋里和国読切第3部<完結編>★★
「みかん・絵日記」安孫子三和第12回その12★★★
「パッション・パレード」樹なつみ第24回第13話 FINAL★★★★★
「どどどどとど-とどのおはなし-」笑木田しいギャグ ★★
「月の子」清水玲子第8回 ★★★
「ひのまるなかま」ひのまる第7回 ★★
「カラフルBOX」なかじ有紀第9回9 PINKY PINK★★★
「ヤマダヒロエのやればできる!!」ヤマダヒロエギャグロック・バンド編
「ブライアン君の休暇」しばたひろこ第36回 ★★★
「インナ−・カルテット」かわみなみ第8回(第2話第2回)第2話Blow in the wind 2★★★★
「So What?」わかつきめぐみ第28回Phase28 水天一碧★★★
「DEAR TEAR」あおしま桃水読切第13回アテナ新人大賞佳作
「シニカル・ヒステリ−・アワ−」玖保キリコ第80回 ★★★★
 今回は、「パッションパレード」の霖とキングの一騎討ちにとどめを刺す。読んでいてちょっと魂が震えたかも。レジー・キングの存在感、バスケの試合展開の緊張感もあるが、なににもまして「朱鷺色三角」からのストーリーのすべてがこの試合に向かって収束していく感覚は、連載をずっと読み続けてよかった、と思わせるに十二分。連載自体のオムニバス的な、表向きは散漫ともいえるスタイルから、これだけの「長編」としての収束を予測していなかっただけに、リアルタイムで読んだときのインパクトは大きかった。
 あとは、「シニカル〜」に★★★★がついているのは、お察しの通り(笑)、ツンタくんの回だということで(笑)。(2006/01/04)


月刊LaLa 1989年4月号
表紙樹なつみ「パッション・パレード」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「カラフルBOX」なかじ有紀第8回8 マーマレードの夏★★★
「マリー・ブランシュに伝えて」やまざき貴子後編(ムシ)★★
「CIPHER」成田美名子第49回Scene11.RIPTIDE★★★★
「みかん・絵日記」安孫子三和第11回その11★★★
「月の子」清水玲子第7回 ★★★
「パッション・パレード」樹なつみ第23回第12話 REVOLUTION・後編★★★★
「ブロントサウルスのおはなし」笑木田しいギャグ ★★
「Dr.ク−ジョ危機一髪!!5」星崎真紀読切ひみつのクージョ1★★★
「インナ−・カルテット」かわみなみ第5回(第2話第1回)第2話Blow in the wind 1★★★★
「ひのまるなかま」ひのまる第6回 ★★
「フル−ツ果汁100%」岡野史佳第15回Flesh7.Fruit Salad Days 3★★★
「ブライアン君の休暇」しばたひろこ第35回 ★★★
「So What?」わかつきめぐみ第27回Phase27 夢見草★★★
「フレンドシップrunning」馬城郁読切第80回LMSトップ賞
「シニカル・ヒステリ−・アワ−」玖保キリコ第79回 ★★★
 今回は樹なつみ「パッション・パレード」が霖とキングのラストバトル前の緊張感でクライマックスにふさわしい盛り上がり。試合前にグイドが霖を励ますシーンは何度読んでも目頭が熱くなる。(2006/01/04)


月刊LaLa 1989年3月号
表紙玖保キリコ「シニカル・ヒステリ−・アワ−」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「パッション・パレード」樹なつみ第22回第12話 REVOLUTION・中編★★★
「カラフルBOX」なかじ有紀第7回7 イエローマジック・後編★★★
「月の子」清水玲子第6回 ★★★
「ひのまるなかま」ひのまる第5回 ★★
「ブライアン君の休暇」しばたひろこ第34回 ★★★
「CIPHER」成田美名子第48回Scene11.RIPTIDE★★★★
「マリー・ブランシュに伝えて」やまざき貴子前編(ムシ)★★
「SHORT SHORT 3X3」笑木田しいギャグ ★★
「みかん・絵日記」安孫子三和第10回その10★★★
「君の青春は輝いているか」桑田乃梨子読切(青春は薔薇色だ)★★★
「フル−ツ果汁100%」岡野史佳第14回Flesh7.Fruit Salad Days 2★★★
「恋はソラマメ」ヤマダヒロエギャグ 
「So What?」わかつきめぐみ第26回Phase26 行雲流水★★★
「ウワサの隣人」原なおこ読切 ★★★
「シニカル・ヒステリ−・アワ−」玖保キリコ第78回 ★★★
 表紙が玖保キリコで、掲載作品の方には玖保キリコを筆頭にひのまる、しばたひろこ、新人の笑木田しい、ヤマダヒロエと、ギャグ系がこれだけまとまって載っているのはLaLa本誌では比較的珍しいかも。中でも、新人二人を見ていると、ちょっと独特の画風で、編集部的にはポスト玖保キリコのにらみつつ新人を選考していたのかな? という節がちょっと伺えるかも。ただ、結果的には玖保キリコ的方向性は跡継ぎが出ず、リアル系の絵柄とネタのギャップで読ませる宇野亜由美とかにざかなが出るまで、LaLaのギャグ系は低迷が続くんだけど、それはまた別の物語(笑)。
 やまざき貴子のファンには申し訳ないがたこいのSFファン的視点からムシシリーズには点を辛くしているので「マリー・ブランシュに伝えて」も★★。前の平安時代にしても今回の中世フランスにしても、現代の人間がその時代の人間とあまりにもスムースに意志疎通してしまう安直さが最大のネックかと。
 桑田乃梨子「君の青春は輝いているか」は、かの傑作「青春は薔薇色だ」のシリーズ化だが、第1作ほどのテンションはなし。(2006/01/04)


月刊LaLa 1989年2月号
表紙成田美名子「CIPHER」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「月の子」清水玲子第5回 ★★★
「CIPHER」成田美名子第47回Scene11.RIPTIDE★★★★
「パッション・パレード」樹なつみ第21回第12話 REVOLUTION・前編★★★
「ブライアン君の休暇」しばたひろこ第33回 ★★★
「カラフルBOX」なかじ有紀第6回6 イエローマジック・中編★★★
「みかん・絵日記」安孫子三和第9回その9★★★
「インナ−・カルテット」かわみなみ第4回(第1話第4回)第1話Tea for Two 4★★★★
「その気にさせないで」米沢りか読切(信夫&玉緒)★★★
「フル−ツ果汁100%」岡野史佳第13回Flesh7.Fruit Salad Days 1★★★
「ひのまるなかま」ひのまる第4回 ★★
「OPEN SESAME」秋南弘子読切第13回アテナ新人大賞大賞★★
「So What?」わかつきめぐみ第25回Phase25 隠水★★★
「イスタンブル物語」森川久美最終回 ★★★
「シニカル・ヒステリ−・アワ−」玖保キリコ第77回 ★★★
 今回は作品内容よりイラストの点で一言。「エイリアン通り」から「CIPHER」になって以降、カラーイラストの質が数ランク上がって来ていた成田美名子にしても、今回のイラストは傑出の出来。まず冒頭ページがハルの顔のアップで、ハルのかけているミラーシェイドにサイファが映り込んでいるショット。ページをめくるとそのハルが後景に引いて、手前に大きくサイファがいる見開きイラスト、という構成。成田美名子のカラーイラストの中でも、特にお気に入りの一品である。
 あと、創刊当時から退廃的な異国歴史物サスペンスドラマでワンアンドオンリーだった森川久美が、今回の連載の最終回を持ってLaLa本誌から退場。これもまた、ちょっと感慨深いものが。(2006/01/04)


月刊LaLa 1989年1月号
表紙なかじ有紀「カラフルBOX」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「CIPHER」成田美名子第46回Scene10.PERSONA★★★★
「月の子」清水玲子第4回 ★★★
「フル−ツ果汁100%」岡野史佳第12回Flesh6.MOMENT・後編★★★
「パッション・パレード」樹なつみ第20回第11話 スプーン一杯の愛で・後編★★★
「So What?」わかつきめぐみ第24回Phase24 子午線★★★
「まるいことはいいことだ」笑木田しいギャグ ★★
「カラフルBOX」なかじ有紀第5回5 イエローマジック・前編★★★
「ブライアン君の休暇」しばたひろこ第32回 ★★★
「インナ−・カルテット」かわみなみ第3回(第1話第3回)第1話Tea for Two 3★★★★
「微熱狼少年」桑田乃梨子読切(犬神くん)★★★★
「Dr.ク−ジョ危機一髪!!4」星崎真紀後編怒涛のメリークリスマス・後編★★★
「イスタンブル物語」森川久美第6回 ★★★
「ひのまるなかま」ひのまる第3回 ★★
「シニカル・ヒステリ−・アワ−」玖保キリコ第76回 ★★★
 なんだかんだいって、★★★★がけっこう多いのは、けっこう楽しんで読んでいたんだなあ、と、久しぶりに読み返してちょっと感慨にふけってみたり。修士論文のプレッシャーでけっこう大変な時期だったと思うんだけど(笑)。
 増刊の方に書いたけど、桑田乃梨子「犬神くん」シリーズはリアルタイムでは第1作を読んでいなくて、これで初めて読んだんだけど、「青春は薔薇色だ」とこれを読んだところで、たこいの桑田乃梨子への評価は決定的なものになった。そういう意味では想いで深い号かも。(2006/01/04)


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