お楽しみはこれからだッ!!
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第52回 “帰ってきた帰ってきた帰ってきた橋本みつる”
 掲載誌 糸納豆EXPRESS Vol.22. No.1.(通巻第37号)
 編集/発行 たこいきおし/蛸井潔
 発行日 2004/05/01(予定)


 唐突ではあるが、速報をお知らせしたい。いきなり冒頭ページに「お楽しみはこれからだッ!!」があってびっくりしている向きもあるとは思うが、速報なのでご勘弁願いたい(笑)。いや、勘弁するとかしないとか、そういう問題ではない気もしないでもないけど(笑)、まあ(笑)、そこはそれ(笑)。

「聞こえ悪いけど、この先何年もあの時の青衣の記憶にすがるよ。
 何かある度、何度も、都合良く思いかえしては、支えにしてしまうと思う」

 台詞は2004年3月25日発売の新書館ウィングス5月号掲載の、橋本みつる4年ぶりの最新作「青いドライブ」より。

 そう! 全国114人(推定)の橋本みつるファンの悲願は、実に意外な展開で達成されたのである! 刮目して読め! ……ということで、刮目すべき今回のテーマは「帰ってきた帰ってきた帰ってきた橋本みつる」だッ!!

 思えば長い日々ではあった。今は亡き花とゆめプラネット増刊から、やはり今は亡きセリエミステリーへ、さらにはこれもまた今は亡き別冊きみとぼくへと、掲載誌から出版社まで転々とした橋本みつるの遍歴ではあるが、1999年までの間は、それでも年に1作は新作を読める状況だったのである。

 駄菓子菓子(笑)、きみとぼく2000年1月号に短編「女神」が掲載された直後、ソニーマガジンズの事業撤退により発表舞台は消滅! せっかく出版された3冊のコミックスも絶版!! だめ押しに、若木未生『グラスハート』シリーズもイラストレーター交代、と、トリプルショックに見舞われた後、橋本みつるの消息は杳として知れなくなってしまっていた。

 そして、4年の月日が流れた……

 その間、ファンにできることといえば、「たのみこむ」とか「復刊ドットコム」などに嘆願の投票を送るくらいが関の山。そして、数年がかりで「復刊ドットコム」の橋本みつる復刊投票が復刊交渉のための規定数100票を目前にしていた、まさにその時ッ、2004年1月下旬ッ!

 意外ッ! それは新人賞ッ!!

 なんと! 橋本みつるは第34回ウィングス新人賞に作品を投稿、大賞ではないものの、トップ入選を果たしたのである。それに前後して、「復刊ドットコム」でも得票数をじわじわと伸ばし、2月上旬にはついに100票を突破!

 ファンの地道な行動と、橋本みつる本人の努力とは、この場合無関係であったとはいえる。ただ、それが表出するタイミングが絶妙であったことについては、何か運命的なものを感じてしまう。何よりも、マンガを描くということを橋本みつるがあきらめていなかった、ということがファンとしては素直にうれしい。

 誰に誓った? 自分に誓った! 橋本みつるに一生ついていくと、自分に誓った!! 何はともあれ、ウィングス要チェックだッ(笑)!


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