八雲町営温泉おぼこ荘★★★★★


快適な露天風呂の町営温泉

■概要

八雲町は北海道南部の太平洋側にある酪農の町だ。八雲町市街から日本海側に向かう国道277号線の峠道の手前に町営温泉おぼこ荘がある。遊楽部(ユーラップ)川の支流である鉛川の上流にある温泉だ。

昔は鉛川温泉と呼ばれ鉱山の温泉だった。1975年に町で新たに温泉を掘って町営温泉を建設した。低い山に囲まれた渓谷にある。「おぼこ」の名前は鉛川上流にある岩山「雄鉾岳(999m)」に由来する。


国道から1kmほど離れた鉛川の沿っておぼこ荘が建てられている。近くには町営キャンプ場や宿泊研修施設もある。おぼこ荘の母屋は宿泊棟で温泉は新しい浴室棟にある。



日帰り客は浴室棟の入り口から入る。浴室棟には畳敷きの休憩室がある。渡り廊下でつながった母屋には食堂もある。

■所在地

北海道山越郡八雲町鉛川622
TEL:01376−3−3123
FAX:01376−3−2241




■印象

浴室には大きな岩を組み合わせた大きな浴槽がある。赤茶色のお湯があふれている。浴槽のふちには茶色の石灰華がついて水面に小さく張り出している。あふれたお湯はザーザーと排湯口に落ちていく。排湯口も赤茶色した石灰華がついている。

お湯に入ると潮の香りが混じったような強い金気臭を感じる。源泉を飲んでみると甘苦い味がする。体が温泉成分でコーティングされたような強いキシキシ感がある。泉質はナトリウム・カルシウム−炭酸水素塩・塩化物泉、源泉の温度48.8度、成分総計3.527mg、500L/分(動力揚湯)(平成14年分析)。



浴室から外の階段を降りると非常に大きな露天風呂がある。近隣の巨大な名石を組んで風呂にしている。露天風呂から鉛川がよく見える。浴槽の下から勢いよくお湯が注入されている。こちらも源泉かけ流しだ。

濃い赤茶色のお湯は、体のほてりがなかなか抜けない温まる湯だ。浴後は肌がさらさらつるつるになる。周囲には人家はなく、おぼこ荘は秘湯の雰囲気が濃い。すばらしい露天風呂があるので、近くにくることがあったぜひ寄ってもらいたい。


■営業

営業時間 10:00−21:00
休館日 第2、4火曜日
料金 360円

交通

道央自動車道の国縫ICで降りて、国道5号線を南下。八雲市街に入る前に右折して、熊石方面へ行く国道277号線に乗る。18kmほど走って雲石峠への登り道にさしかかるところに案内板があるので、左折する。案内板は小さいので注意。駐車場は広い。



調査日:2002年12月


八雲町

八雲の海岸部は江戸時代から漁場があったが、内陸部は明治になってから開発された。1878年(明治11年)に旧尾張藩主の徳川慶勝が遊楽部の官有地払い下げを受け、徳川農場を開設し「八雲」を命名した。

現在の八雲町はたくさんの牧場がある大酪農地帯だ。広々とした土地に牧草地が広がる。国道に沿って牛の絵がある牧場の看板が点々と連なって、いかにも北海道らしい風景だ。

北海道みやげの木彫りの熊の発祥も八雲町だ。徳川牧場当主の徳川義親が1922年(大正11年)にスイスから木彫りの熊を持ち帰り、これを模して作ったのが始まりとされる。

スイスレストラン

酪農地帯らしく国道277号線の途中にスイス料理のレストランがある。おぼこ荘の帰りに寄って、試しにスパゲッティを食べてみた。なかなかおいしく、量もヨーロッパサイズで大盛りだ。チーズフォンデュもいけるらしい。



スイスレストラン アルポン
山越郡八雲町立岩403
TEL:01376−2−4344

 


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