知内温泉ユートピア和楽園★★★★


北海道最古の温泉

■概要

北海道の南端近くの山の中に北海道では最も古い温泉があると聞いて行ってみた。温泉は知内(しりうち)温泉という。

古文書「大野土佐日記」に1247年に砂金掘の掘子によって発見されたと伝えられている。後に松前藩領となってからも金山経営の一部として湯守を置いて利用されてきた。

付近は低い山が続く森林地帯で、沢筋にも小さな源泉があるという。知内温泉ユートピア和楽園は6つの建物が集まる大きな一軒宿だ。中央に1996年にできた新館がある。


変わった屋号の「ユートピア和楽園」のいわれを専務さんに聞いて見た。先々代の社長が温泉はユートピアであるということで「ユートピア」と付けたが、日本語のでも分かるように「和楽園」を付け加えたそうだ。

浴室は上の湯と下の湯の2箇所あって、少し離れて混浴の露天風呂がある。どれも大量の自然湧出の源泉かけ流し。上の湯は正面の左手、下の湯は右手にあって、それぞれ男女別になっている。お湯を巡るにはそれぞれ服を着て移動する必要がある。



■所在地

北海道上磯郡知内町字湯の里
TEL:01392−6−2341
FAX:01392−6−2343




■印象

まず上の湯に行って見る。壁も床も温泉成分で黒くなっているので、窓があるのに昼間から薄暗い。高い位置から熱いお湯が注がれて浴室は湯気もうもうだ。

お湯はとろりとした感じで薄濁り。なめると少し塩味がする。 ツルスベ感もある。泉質は含重曹弱食塩泉
蒸発残留物2494mg/kg、源泉の温度65度だ。浴室の床はあふれたお湯で千枚田のようだ。



下の湯は深めの浴槽に、寝湯ができる浅い浴槽がついている。 こちらも結構熱めのお湯だ。上の湯と比べてお湯は澄んでいて、さらりとしている。泉質は含食塩重曹泉、塩味が比較的濃い。



露天風呂は広い庭に囲いがあって、その中に屋根のついた露天風呂がある。棚があるので湯船の傍で着替えることになる。勢いよく流し込まれるお湯はなかなかうれしい。ツルスベ感もあってかなり満足できる。

古色蒼然とした浴室は秘湯という雰囲気がある。爽やかな浴感はなかなかだ。特徴のあるお湯なので温泉ファンにはぜひ寄ってもらいたい。

■営業

営業時間 7:00−21:00
休館日 無休
料金 350円

交通

函館から国道228号線を西に走り木古内を過ぎ、知内川を遡って山に入る。案内板に従って右にそれて旧道に入る。旧道を2kmほど走る。駐車場は広い。
JR木古内駅前から松前行きのバスで「湯の里温泉入り口」下車。



調査日:2003年4月


湯の里展望台の野湯

野湯ファンには知られている知内温泉の近くの野湯。知内温泉の裏山に湯の里展望台があって、そこから谷に少し下ったところにある。訪れたときは大きいポリバスにお湯を入れていた。

展望台の入り口は知内温泉の200mほど手前の林道。ダートでわだちがひどいので乗用車では行けない。
お湯はたいへん熱いので足をつけただけで退散した。
 

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