白布温泉西屋旅館★★★★


重厚な萱葺きと豊富な湯量

■概要

山形県米沢市から南へ30分ほど、福島県と山形県の県境の山に入っていくと、白布(しらぶ)温泉がある。700年前の発見とされ、古くからの湯治場だ。たいへんな山の中だが、近くに天元台スキー場もある。

以前は大きな萱葺き屋根の湯宿が3軒あって、歴史のある景観で有名だった。2000年に火災があって2軒が焼失してしまった。今は右端の西屋旅館だけが萱葺き屋根を残している。東屋は再建したが、萱葺き屋根ではなくなってしまった。中屋は場所を移して営業している。

今回はせっかくなので古い西屋を訪れた。バス停の近くにあって大きな屋根が印象的だ。今の建物も200年前からのものだそうだ。広い玄関で立ち寄り入浴をお願いすると、快く案内してくれた。



玄関から隣の浴室へ行くのに渡り廊下になっている。スノコを渡してあって床をお湯が流れている。左手の格子を覗くとそこはすぐ浴室だ。

■所在地

山形県米沢市大字関1527
TEL:0238−55−2480
FAX:0238−55−2212



■印象

浴室の床や浴槽はすべて真っ黒に変色している。下に8人ほど入れる主浴槽、右手に上がり湯用の小浴槽、奥に3本の打たせ湯がある。

大きな落差のある打たせ湯の音が浴室に響いている。しぶきが飛ばないよう主浴槽との間についたてがある。打たせ湯のお湯はそのまま主浴槽に流れ込む仕組みだ。

全体にたいへんな量のお湯がかけ流されている。お湯はかなり熱い。熱いが攻められるような熱さとは違い、軽い泉質のせいかさっぱりしている。

浴槽が黒くて分かりにくいが、透明なお湯に白い湯花が舞っている。体の油気が抜ける泉質だ。

「白布2号源泉」の泉質は含硫黄−カルシウム−硫酸塩泉、源泉の温度59.7℃、蒸発残留物1230mg、pH=7.1。掲示によると「1号から3号源泉の総湯量は毎分1800L、当館の使用量は毎分400L」。



3本のうたせ湯は右端が加水してあって何とか利用できる。肩にお湯を当てると強い刺激で気持ちがよい。

かなり人気の宿で、立ち寄り客もひっきりなしに来る。一度は寄ってみるのも面白いだろう。


■営業

営業時間 12:00−15:30
休館日 無休
料金 500円

交通

東北自動車道の福島飯坂ICを降りて、国道13号線を米沢方向へ向かう。米沢市街に入って、県道2号線(米沢猪苗代線)を南下、18kmで白布温泉に入る。温泉街の上のほう。萱葺き屋根ですぐわかる。新幹線米沢駅から白布湯元行バスあり。



調査日:2007年7月

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