大沢温泉★★★★


花巻の古い湯治場

■概要

花巻市から豊沢川を遡ると花巻温泉郷がある。川に沿っていくつもの温泉があるが、大沢温泉はそのひとつで露天風呂が名物の温泉である。

1200年前に坂上田村麻呂が発見したという伝説がある。江戸時代には南部藩主も利用したそうだ。明治になって花巻に鉄道が開通してから大沢温泉は湯治場として人気が高くなったそうだ。



大沢温泉は大きな一軒宿で、現代的な温泉ホテルの新館、自炊部がある旧館、川の向かい側にある茅葺き屋根の
菊水館と、大きく3つの棟からなっている。日帰り客は、駐車場から坂を下りたところの旧館で受け付けてくれる。



旧館の帳場は大正、昭和の時代の雰囲気がある。帳場の横の待合室に飾ってある写真で、大沢温泉の当時の繁昌ぶりがうかがわれる。幼いころの宮沢賢治や、若いころの高村光太郎が訪れているそうだ。

温泉は混浴の露天風呂「大沢の湯」と、男女別の内風呂3ヶ所「薬師の湯」、「南部の湯」、「豊沢の湯」が利用できる。


「菊水館」現在でも営業している

■所在地

岩手県花巻市湯口字大沢181
TEL:0198−25−2315
(自炊部)
TEL:0198−25−2021
(山水閣(新館))



■印象

高速道路から近い温泉に寄ろうと考えて花巻ICから20分の大沢温泉に来てみた。国道沿いの駐車場に車を置いて、坂を下る。新館を通り過ぎ、日帰り客用の旧館の入り口に行く。旧館の姿は歴史を感じさせるが、けっこう賑わっている。

帳場で丁寧な案内を受けて、まず露天風呂「大沢の湯」に行ってみる。混浴のはずだがこの日は男性ばかりで混み合っている。川を見下ろすように露天風呂がある。澄んで、熱めのお湯である。

泉質はアルカリ性単純泉、さらりとした感じのお湯だ。源泉の温度51.3度、PHは9.2である。お湯に浸かって川向いの茅葺き屋根を見ていると時代を忘れるようだ。


薬師の湯

自炊部の内風呂は薬師の湯という。脱衣場から階段を下りた半地下にある。楕円形の湯船が2つあある。


豊沢の湯


新館にある内風呂、ガラス窓からは川の流れが見える。


南部の湯 菊水館にある木の内風呂

予定外で何気なく立ち寄った所だったが、予想外にすばらしかった。古くからの湯治場の雰囲気があって、日帰りでも安い料金で何カ所もの温泉が利用できる。帳場の雰囲気もよかった。お勧めする。

■営業

営業時間 7:00−20:30
21:00から戸締まりします
休館日 無休
料金 400円

交通

東北自動車道の花巻ICを降りて県道12号線を西へ向かう。県道をたどって15分程度で大沢温泉に到着する。案内板がところどころにある。駐車場は道路脇にあって、整理係がいる。



調査日:1999年8月

豊沢川の対岸からみた大沢温泉全景(83kB)

追加情報

混浴の大沢の湯に女性用の更衣室が新設(2005年4月かなぶんさんからの情報)


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