大網温泉田中屋★★★★


渓谷の底の露天風呂

■概要

塩原温泉は 塩原11湯(大網、福渡、塩釜、塩の湯、畑下、門前、古町、中塩原、上塩原、新湯、元湯)と呼ばれ、箒川沿いに温泉が点在している。今回は塩原温泉の入口ある大網(おおあみ)温泉に来た。大網温泉は一軒宿の温泉で、渓流沿いにある露天風呂が有名だ。

田中屋は立派なビルで、そこにももちろん温泉の内湯があるが、国道の反対側、箒川(ほうきがわ)の谷底に露天風呂がある。このあたりでは箒川は深い渓谷になっていて、国道から露天風呂までは階段を300段余り下りなければならない。


田中屋のロビーで料金を払う。老舗旅館らしく愛想のよい応対をしてくれる。塩原温泉の湯めぐり手形が利用可能だ。玄関脇には飲泉所がある。
露天風呂に行く前意にお湯を飲んでみた。ほんのりしたダシ味、少し渋みはあるが飲みやすい。



■所在地

栃木県那須郡塩原町下塩原6
TEL:0287−32−3232



■印象

長い石段を降りていくと大きな露天風呂が見えてくる。これが 仙郷の湯、一番大きい。隣には屋根がついて女性専用の露天風呂、美人の湯がある。一段下には2つの露天風呂 河原の湯と 石間の湯(いわまのゆ)がある。美人湯以外はすべて混浴だ。

仙郷の湯は脱衣場はなく、服を置く棚があるだけだ。さっそくかけ湯をして、露天風呂の入る。お湯は透明で、太いホースから勢い良く流れ込んでいる。箒川の渓谷がすばらしい眺めだ。お湯も適温なので、手足を伸ばして開放感に浸れる。

泉質は ナトリウム・カルシウム−硫酸塩泉中性低張性高温泉(大網4号源泉)、 源泉の温度は64.8度である。


一段下の河原の湯は大岩の陰が浴槽だ。コンクリートの屋根があって、その上では釣り客の家族連れが毛布を引いてのんびり昼寝している。河原の湯は少し熱め。窓から川をのぞくと魚が見える。

国道沿いにあって比較的便利のよいところで、開放感たっぷりの 露天風呂はすばらしい。露天風呂&混浴ファンには特にお勧めする。


■営業

営業時間 7:00−20:00
日中不定期に清掃時間あり
休館日 無休
料金 800円


交通

東北自動車道の那須塩原ICを下りて国道400号線を西へ向かう。箒川沿いに走って旅館の大きな建物を探す。ICから15km程度。駐車場は旅館の前にある。



調査日:2001年11月

オフィシャルページ

追加情報

営業時間が20時までに(takaharuさんから2009年1月)。 日帰り料金が800円に、オフィシャルページリンク変更。


「塩渓紀勝」

露天風呂に降りる石段の途中に休憩所があって、そこに「塩渓紀勝」という紀行文の一節があった。大網温泉の部分だ。

「三冬水涸れて落ちず。春末に至って始めて燦燦の音を聞く。大網に抵る。二戸村を成す。一は茶店、一は呂亭なり。小憩して茶を供す。椀面に紅桃、黄菊の花を浮ぶ。香気舌に沁む。・・・」

興味を持ったので調べてみると、「塩渓紀勝」は、明治の実業家で文化人だった奥蘭田(おく・らんでん)が塩原温泉を紹介するために書いた漢文の紀行文であった。 蘭田は塩原の明治21年に塩原に別荘を作り、塩原の名勝、温泉などをまとめて、「塩渓紀勝」として出版した。

塩原温泉を世に知られせたとして、蘭田は塩原の3恩人の一人とされている。 ちなみに他の2人は、道路を整備した三島通庸、新聞小説で塩原を取り上げ有名にした尾崎紅葉である。



温泉饅頭 

塩原のバスターミナルの近くの温泉街のなかに温泉饅頭の店がある。平たい形の茶色い饅頭だ。店先に床机があって、お茶と饅頭が楽しめる。


できたてで中のアンコが熱い温泉饅頭はなかなかうまい。

お土産用8個入り600円
松泉堂本店

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