上林温泉塵表閣★★★★


贅沢な湯使いの老舗旅館

■概要

長野県の北部、渋湯田中温泉郷の北端に上林(かんばやし)温泉がある。6軒の旅館があって、老舗の塵表閣(じんぴょうかく)を訪れた。格式の高い宿なので日帰りを受けてくれないと思っていたが、電話でお願いすると今日は大丈夫とのこと。



塵表閣は上林温泉の中央部にあって、がっしりとした格式を感じる日本旅館だ。隣に不釣合いなリゾートマンションが建っているのが残念だが、高級旅館と言ってよいだろう。

門ののれんをくぐってロビーに入ると、クラッシクカーが展示してある。夏目漱石が訪問したとき出迎えた車だという。

旅館の創業は1901年。地獄谷から2kmほど引湯して開業した。明治、大正時代の有名人が数多く逗留したという。今でも揮毫の書が飾ってある。小説「二十四の瞳」で有名な女流作家、壺井栄も長逗留したところだ。

休日の昼間でお客がいない時間帯なのでひっそりとしている。日本画や豪華な打掛の飾ってある帳場で待つと、貸し出し用のタオルとバスタオルを持ってきてくれた。

■所在地

長野県下高井郡山ノ内町上林温泉
TEL:0269-33-3151
FAX:0269-33-2638



■印象

離れにある浴室に案内された。一度サンダルを履いて外に出、て屋根のある廊下伝いに少し歩く。浴室からは甘い石膏泉系の香りがただよってくる。

透明でやや熱めのお湯だ。浴室の床が溢れたお湯で温まっている。かけ湯をしてさっそく湯に浸かる。番茶の香りに似た温泉の香りに包まれてさわやかな感じがする。

すりガラスの窓が大きいので浴室は明るい。源泉の掛け流しなので、白い糸くずのような湯花が舞っている。



露天風呂は浴室のすぐ外側にあって、意外に広い。浴室棟の下までつながっている。冬は露天風呂の女湯側は閉めてあって、男湯側が混浴なっている。に隅には樽風呂もあるが冬はお休みのようだ。

広々とした露天風呂はややぬるめだ。こちらも加水、加温なしの源泉掛け流しだ。ゆっくり浸かっていると心地よい。

温泉は旧湯、新湯(共有源泉)の2つを使っている。泉質はナトリウム・カルシウム−塩化物・硫酸塩温泉、源泉の温度58.5℃、成分総計1185mg、258L引湯。  もうひとつの源泉の泉質は単純温泉、源泉の温度58.2℃、成分総計885.5mg、362L引湯。

館内は隅々まで心配りが行き届いていて、良い雰囲気だ。老舗らしい掛け流しのお湯を楽しんでもらいたい。


■営業

営業時間 要電話確認
休館日 無休
料金 1000円

交通

上信越自動車道の信州中野ICを降りて、そのまま志賀中野有料道路(100円)に乗り、続いて国道292号線バイパス(オリンピック道路)に入る。沓野渋ICで上林温泉街に入る。駐車場は6台程度。



調査日:2009年1月

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