伊豆山温泉伊豆山浜浴場★★★


古湯「走り湯」の共同浴場

■概要

熱海の町に入る手前の山の中腹が伊豆山(いずさん)温泉だ。ここは奈良時代に発見されたといわれのある古い温泉「走り湯」があるところだ。走り湯に入れる共同浴場があると聞いて訪れた。

海岸近くにある走り湯から山の上にある伊豆山神社まで、延々と続く参道の階段がある。国道からこの階段を少し降りたところに浜会館がある。ピンク色の概観のビルなのでけっこう目立つ。



地区の集会場にもなっている浜会館の1階に、共同浴場である伊豆山浜浴場がある。般若院共同浴場が取り壊されてしまったので、伊豆山でただひとつの共同浴場だ。

質素な普段着の温泉という雰囲気の温泉浴場で、ほとんど地元の人用だ。番台があって話し好きな年配の女性が番をしている。

■所在地

静岡県熱海市伊豆山579
TEL:0557−80−0210




■印象

浴室は天井は高くないがタイルが磨かれていて気持ちが良い。浴槽は2つに仕切られていて、一方がぬる湯とある。 蛇口にパイプをつけて浴槽の底の方からお湯が注がれている。もちろんかけ流しだ。

お湯は緑のささにごり、ぬる湯の方は適温だ。もう一方は足がしびれるほどの劇熱。さすが温泉地の共同浴場は強烈だ。

お湯をなめてみるとかなり塩辛い。ソバツユほどの塩辛さだ。香りは石膏泉に近いほのかな香りだ。泉質はカルシウム・ナトリウム−塩化物泉、源泉の温度71℃、総成分7242mg。

しばらく浸かっていると、体の芯から温まる。のぼせそうになってやっと出た。地元の客は熱い方のお湯をざばざばとかぶっている。

浴後は食塩泉のせいで多少体がべとつく。湯上りに神社参道の階段で、海を見ながら涼んでいるととても気持ちが良い。体も心もさっぱりとする。

熱海の入り口、伊豆山温泉の共同浴場はちょっとした穴場かもしれない。お勧めする。


■営業

営業時間 14:30−21:30
休館日 木曜日
料金 250円

交通

小田原厚木道路の小田原西ICを降りて、国道135号線を南下。真鶴を過ぎて熱海市街に入る手前、伊豆山温泉がある。熱海市の伊豆山出張所を過ぎ、逢初橋の手前を左折して狭い道を下る。
小さな公園の近くが浜浴場だ。温泉旅館偕楽園をめざすとよい。駐車場は広い。
JR熱海駅から湯河原・伊豆山行きバス、「逢初橋」下車。



調査日:2006年4月

走り湯

熱海の名物「走り湯」は、海岸の崖地にある横穴から湧出する温泉だ。その昔は豊富なお湯が海に流れ落ちていたので、その名がついた。

熱海のビーチライン(有料)の途中で、ホテル田中屋に入るようにビーチラインをそれると、走り湯の下に出る。空き地に車を置いて少し階段を登ると走り湯に出る。

腰をかがめて入るトンネルから湯気が出ている。奥には勢い良く噴出している源泉がある。そこから樋を伝ってトンネル出口にお湯が流されている。触ってみるとほとんど熱湯だ。

1200年前に発見されたといわれていて、道後、有馬に並ぶ古湯だという。江戸時代は有名な修験道の道場だった。伊豆山神社や般若院にその名残がある。

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