赤倉温泉滝の湯★★★


妙高山麓の大きな露天風呂

■概要

赤倉温泉は妙高山の東麓にあって、妙高山付近の温泉地を代表する大きな温泉地だ。妙高山の大きな斜面にある。温泉街の上部にはスキー場がある。赤倉温泉スキー場は古くからのスキー場なのでよく知られていて、冬には温泉街はスキー客でにぎわう。

赤倉温泉にある日帰り温泉施設である滝の湯は、赤倉温泉開湯170年を記念して1986年にできた。温泉街の一番上にある大きな露天風呂の温泉だ。スキー場のゲレンデにも近いが、冬には露天風呂の温度が下がるため営業していない。



水着で入る温泉プールと男女別の露天風呂がある。温泉プールにはウオータースライダーや滑り台があるが、訪れた時期にはもう休止していた。温泉プールの営業は7月から9月とのこと。



■所在地

新潟県中頸城郡妙高高原町赤倉
TEL:0255−87−2958
TEL:0255−87−2165(観光協会)



■印象

水がなくなって落ち葉がたまった温泉プールをちょっとのぞいたあと、露天風呂に行く。露天風呂はかなり広い。巨大な岩をいくつも積み重ねた豪快な造りだ。大岩の上からお湯が流れ落ちる。周囲は木に囲まれて雰囲気はよい。

お湯の色はやや黄緑かかっている。湯の花はほとんどない。お湯の温度は少し温めでちょうどよい。 泉質はカルシウム・ナトリウム・マグネシウム−硫酸塩・炭酸水素塩泉である。

源泉の湧出量は300L/分と大変多い。源泉は北地獄谷、源泉の温度50.6度、引湯している間にちょうど適当な温度になるそうだ。流れ込むお湯をなめてみると、あまり濃く感じられずほんのりした味だ。



建物の2階は畳敷きの広い休憩室になっている。10月初めなのにもうストーブをつけていた。休憩室には食堂もあるので、蕎麦など食べられる。

露天風呂には洗い場が3人分しかないので、ちょっと不便だ。露天風呂だけだと、料金は少し割高に感じられた。夏には温泉プールがあるので子供連れの人は楽しめるだろう。

■営業

営業時間 7:00−21:00
休館日 無休
冬期(11月中−4月下)休業
料金 1000円

交通

上信越自動車道の妙高高原ICを降りて国道18号線を北上、豊橋交差点を左折して赤倉温泉方面へ。赤倉温泉街に入ったら、坂を登って温泉街の一番上まで行く。駐車場は広い。
JRの妙高高原駅から赤倉温泉までバスがある。



調査日:2001年10月




赤倉温泉の開発

赤倉温泉は今から200年近く前、1816年に開かれた。地元の庄屋が妙高山地獄谷の温泉を麓に引いて湯治場を作りたいと高田藩に願い出て、藩の事業として温泉開発が始められ、温泉奉行を置く藩営温泉となった。現代の第3セクターによる公営事業のようなものであろう。

説明によると、妙高山を領地としていた宝蔵院(現関山神社)に温泉買い入れ金800両、関温泉への迷惑料300両を支払うことを条件に開発が始まった。地獄谷から7kmの引湯は500本の大竹を使ったそうだ。2年間の開発経費3120両、温泉宿などの建設経費2161両と当時としては大開発事業であった。

日本銀行金融研究所によると江戸時代中期の1両は、そば代金をもとに比較してみると、米価では1両=約4万円、賃金で1両=30〜40万円程度とある。高田藩の総経費6481両は賃金換算(1両=35万円)で22億7千万円に相当する。

赤倉温泉の開発は 現代でも小さな自治体ではかなり大きな事業規模であろう。小藩の高田藩としては相当に思い切った投資であったと思う。
足湯

滝の湯の前の坂を下ったところに噴水のある小さな公園がある。噴水の縁に沿って足を漬けるための温泉がある。程よい温度でこれも楽しい。

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