大塩温泉共同浴場★★★


鄙びた源泉の共同浴場

■概要

福島県金山町は新潟に接する福島県の西端の町だ。只見川沿いに点々と集落があって、大塩地区もその一つだ。只見川は発電用のダムがたくさんあって、大塩地区あたりでも山の中にしては広い川幅だ。



大塩温泉共同浴場へは、国道から只見川の川岸へ向かう細い道を入る。少し下ったところに集会所のような小さな建物がある。それが共同浴場の休憩所だ。浴室まではさらに階段を下りる。



共同浴場は大塩地区の住人が温泉組合を作って運営している。観光客などは200円以上の協力金が必要。

■所在地

福島県大沼郡金山町大塩
TEL:0241−54−5111
(金山町企画観光課)



■印象

休憩所から階段を下ったところが浴室だ。床や壁が湯ノ花で赤茶色に染まっている。いかにも鄙びたところだ。お湯は浴槽の端から流し込まれ、あふれて床を暖めている。

お湯に入ってみるとややぬるめ、青白く濁りがある。分析表によると、泉質は「含二酸化炭素−ナトリウム−塩化物・炭酸水素塩泉」、源泉の温度は38度、成分総量12,502mgである。

溶存ガスの二酸化炭素は2856mgもあると書いてあるがそれらしい泡は感じなかった。なめてみると、鉄分の強い塩味だ。炭酸成分を期待したがあまり感じない。源泉の温度が低いので加熱しているそうだ。

ぬるいお湯なので長湯ができる。窓からは川幅の広い只見川が見える。その昔はダムがなかったので川の水位が低く、共同浴場ももっと下にあったそうだ。

ちょっと分かりにくい所にあるが、濃い温泉なので、泉質重視の温泉ファンには見逃せないところだと思う。奥会津ののんびりとした雰囲気を味わうにはとてもよい。

■営業

営業時間 7:30〜21:00
休館日 無休
料金 入浴協力金200円

交通

磐越自動車道の会津坂下(あいずばんげ)ICを降りて、国道252号線を南下する。
30km程で金山町に着く。JR只見線の会津大塩駅の少し手前の集落、小さな温泉旅館があるあたり。民宿たつみ荘の看板を目当てに左折し川へ向かう。
駐車場は3台程度。
会津大塩駅からは歩いて10分程度。



調査日:2001年7月


炭酸水の井戸

大塩地区には炭酸井がある。国道に案内標識があったので、行ってみることにした。中・宇奈多理神社の東側の森の中に鉄板に覆いをした井戸がある。途中には「キケン」の注意看板もあった。



井戸は大きな四角い井戸で、のぞき込むと大きな泡がどんどん涌いている。水面まで2m程度の深さだ。井戸の内面は赤錆色だ。


ロープを結びつけたヤカンが置いてあったので、それで水を汲み上げた。さっそく飲んでみると確かに炭酸水だ。鉄味が強いので美味しくないが、炭酸味は濃い。

解説によるとこの井戸の水は、大正時代の一時期、輸出されていたそうだ。近くの温泉旅館には炭酸泉の風呂もある。
 

 TOP  温泉みしゅらん