高速バスで長野に向かう
さて、新幹線を使えば東京から長野までは一時間半ほどであるから、その
日のうちにこの苗名滝を見て帰ってくるという強行日程も可能であろう。
しかしせっかくここまで出かけるなら、近くの燕温泉には惣滝があり、同時に
みておくにこしたことはないだろう。2つの滝を訪れて、温泉につかるとなると
丸々一日使いたいから、前日長野に宿泊することに決めた。この日程では、1日めは長野にたどりつくだけでよいのであるから、時間は充
分すぎるほどあり、何も新幹線で急ぐこともない。私はこのような時には時間つぶしに各
駅停車を乗り継いでいくのだが、長野新幹線のできた後、信越線の碓井峠は在来線で
は越えられなくなってしまっている。ほかに方法がないかと時刻表で探せば、高速バスが
出ていることが見つかった。
土曜日の午後、池袋駅に向かった。いつものこと、夕方の道路は渋滞している。あたりが
暗くなり始めても、バスはまだ都内を走っていた。しかし、今日はホテルにたどりつければい
いのであるからずいぶん気が楽だ。予定より少し遅れはしたが、9時50分長野駅に着いた。
苗名滝へ
長野駅を6時38分に出る信越線に乗ると、7時20分妙高高原駅に着いた。駅のすぐ前には、
25分発のバスが待っていた。乗り換え時間が5分しか時間がないから、バス停が遠かったらどう
しようかと心配したのは全くの取り越し苦労であった。バスは池の平の温泉街を経て杉野沢の集
落に向かっていく。滝に行くにはどのバス停で降りたらいいのか情報が得ていなかったので、行き
すぎないように杉野沢の集落に入るとすぐ下車した。歩いてみれば、苗名滝入口という最寄りのバ
ス停その先にあった。このバス停からなら30分ほどで滝のもとに着くことが可能だろう。滝付近は
洪水によって荒れ、復旧工事の最中だった。また、水量の多いことで知られているこの滝でも、秋
には水の流れが細くなるようで、残念ながら期待したほどの迫力はなかった。
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