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薬・検査・治療/抗利尿ホルモン


薬・検査・治療

抗利尿ホルモン

抗利尿ホルモンに関する記述を集めてみようと思いましたが、これというほどのモノが多くはなく、しかも最初の2つは、出展が同じ人でした。しかし時間的な経過でいうと後者の方が最近です。まだちょっと中途半端なのですが、適度なボリュームにもなってしまったので、とりあえずUPしました。

BS-i | 健康DNA!!(メニエール病)
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「めまいはこうして治す!」(株)二見書房     
著者  東京厚生年金病院 耳鼻咽喉科部長    石井正則 2006/2/25初版
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メニエール病の患者さんのストレスホルモン(視床下部・下垂体系ホルモン)を測定すると、統計的にきわめて高い数値を示すことがわかりました。これは私が10年ほど前に200人以上のメニエール病の患者さんを3年間にわたって調査した結果、わかったことです。ただ、このなかで現在では否定せざるをえないものもでてきました。それは当時の研究結果から、ストレスホルモンのなかでもバゾプレッシン=抗利尿ホルモン(ADH)が著しく高かったものですから、これがメニエール病の原因だと提唱したのですが、その後の研究で、当初の考えとは違う結果が出てきました。というのは、7〜8年前にADHを打ち消す薬が開発され、患者さんの了解のもとに使用したのですが、めまい症状はおさまらなかったのです。逆に、メニエール症状の出ていない患者さん8名にADHを上昇させる処置をしましたが、メニエール病の発作は起きませんでした。さらに、メニエール症状の出ていない成年男子500人以上に動揺病の誘発実験に協力してもらい、ADHを正常の20〜50倍まであげたのですが、誰ひとりとしてメニエール病の症状を起こしませんでした。これらのことから、メニエール病にストレスが関係していることは明らかですが、ADHは原因ではなく、結果であるということがわかったのです。メニエール病の治療には、原因ではなく結果であるADHを下げても有効ではなく、源となっているストレスを除去することが有効なわけです。

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「めまいの正体」 (株)文藝春秋  文春新書 著者 神崎 仁 
平成16年10月10日 第2版発行
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では、その内リンパ水腫がなぜできるのか。以前より種々の説がありますが、確定的なものはありません。水分・塩分代謝の障害説、ストレス説、自律神経障害説、アレルギー説、ウィルス説、自己免疫説、内リンパ嚢機能不全説などです。
これらのうち私が注目しているのがストレス説です。最近、竹田教授(高知医大)らの研究により血中のバゾプレシンというホルモンがメニエール病の患者で高値を示す事がわかってきました。ストレスを受けるとこのホルモンが増加し内リンパ水腫をおこすのではないかといわれています。