皇帝ペンギン まもなく公開される映画「皇帝ペンギン」の予告編を公式サイトで見た。 過酷な自然の中で、皇帝ペンギンの子育てを描いたドキュメンタリー。 1分程度のビデオクリップだけど、南極大陸は美しいな、なんと皇帝ペンギンのヒナが愛くるしい。 こう云う映画は劇場に出かけて見たいな。 と思っていたら丁度いい具合にきょうの日経新聞の文化欄に、この映画の監督で動物生態の研究者の リュック・ジャケと云う人の文章が載っている。 一寸だけダイジェストしよう。 普段は海で暮らす皇帝ペンギンは、 産卵期になると陸に上がり氷壁に囲まれて外敵が近づけない内陸部で卵を産む。 2、3百羽が一列につながって営巣地を目指して氷原を行進すると云う。 氷脈や氷丘の位置や形は毎年変わり目印はないのに、同じルートを毎年きちんと辿るのには驚かされると。 最も寒い内陸部の平均気温はマイナス65度。時速250キロの激しいブリザードが吹き荒れる。 卵は産み落とされた瞬間から死と隣り合わせ。 メスは氷の上を転がしてオスに卵を受け渡すが、すばやくやらないと凍ってしまう。 出産で疲れ果てたメスはエサを探しに再び海に戻る。 そうして小魚にエビやオキアミを胃に蓄えてオスとヒナの元へまた100キロ歩く。 この間2ヶ月、オスは何も食べずに足の上に置いた卵を立ったまま暖め続ける。 動物のドキュメンタリーを撮り続けているリュック・ジャケさん。 産卵期には気が立って襲ってくる動物は多い。 ふつうは動物を驚かさないように身を隠して撮影するらしいが、 皇帝ペンギンたちはカメラの前にすすんで寄って来たと云う。 人なつこいと思ったが、ある日ふと気づいた。 そしてこう書いている。 「戦うことにはエネルギーがいる。 しかし彼らには無駄に費やす力はない。 1つの命を守るだけに、すべての力を注ぐその姿から私たちは何を学べるだろうか」。 「皇帝ペンギン」公式サイト www.gaga.ne.jp/emperor-penguin/ |
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ジェダイの帰還 ゆうべはテレビの「スター・ウォーズ、ジェダイの復讐」を横目に見ながらノートパソコンで雑用を片付けていた。 結局、テレビの方は殆ど見なかった。 ラストシーンのところでちらりと見ると、あれっ「ジェダイの復讐」ではなく 「ジェダイの帰還」をやっていたのだ。 勝利の宴の場にヨーダにオビ=ワンと一緒に降り立つアナキンの霊は、 若い方のアナキン・スカイウォーカーだった。 何だ、知っていたらビデオに撮ったのに。 去年だと思うが、ジョージ・ルーカスは新たに編集した旧三部作のDVDを出した。 そのときのタイトルは「復讐」ではなく「帰還」になっていた。 原題はリターンなんだから「復讐」としたのは誤訳で「帰還」が正しい。 この種の物語は、旅立ちで始まり最後は帰ってこなければいけない。 トールキンの『指輪物語』だってちゃんと帰ってきたからね。 ルーカスは神話学者ジョセフ・キャンベルの教え子だから、こう云うところは間違わない。 劇場公開中の「シスの復讐」はリベンジだから「復讐」で正しい。 なぜリターンを復讐と誤訳したのかな。 随分前になるが、人気絶頂のルーキーがリベンジと云う言葉を使ってからマスコミは喜んで頻りにマネをした。 そのときはイヤな言葉だなと思った。 ジョージ・ルーカスが「シスの復讐」と云うタイトルを決めたとき、 リベンジ(復讐)と云う言葉はジェダイの騎士には似合わないと云った、と何かで読んだ覚えがある。 もっと前に云ってくれたら、「復讐」なんて誤訳はしなかっただろうに。 |
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砂書帖 ・ アップデート ▼ マイクロソフトは今週13日の水曜日に、セキュリティ修正パッチを公開するそうだ。 全部で3件あって、セキュリティの深刻度はいずれも最悪の「緊急」だと云う。 この月例パッチ、アップデートしても何にも嬉しいことはない。 ▼ もうひとつマイクロソフトの話。 先月末頃に、Windows 2000 SP4用の更新プログラム・ロールアップ1が公開された。 そのプログラムに不具合が見つかったと云う。 適用後に、Word や Excel でフロッピーディスクにあるファイルを扱うと、 応答不能となり、PCを強制終了しなければならなくなると、これは窓の杜の記事から。 穴を一つ塞いだら別のところが壊れる。 やれやれ、だね。 |
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座るワザ 電車に乗るときは決まってと云うわけではないけれど、大概は先頭の一番目に乗っている。 降りる駅では階段に近いから段々とそう云う風になっただけのことで、たいして意味はない習慣である。 席が空いていれば座るし塞がっていれば立っている。 座っていようが立っていようが文庫本を片手に読んでいる。 件の脱線事故があって、先頭車両を避けようとか云う様な分別はない。 話変わって、 きのう日経新聞についていた生活情報紙『NIKKEIプラス1』の中に「通勤電車で座るワザ」と云う記事を読んだ。 ワザと云うのは、 次の駅で降りそうな人の前に立ち狙った通りその人が席を立つのと入れ替わりに着席する、その見極め方。 で、そのテクニックとは、端の席に座る客の前に立つ、 降りる前兆動作を見逃さない、衣服や持ち物などから見極める、 毎日同じ駅で降りる人の顔を覚える(特にサラリーマンは覚えやすいのだと)、 読んでいる本から推測する、云々とある。 明察神の如しと云う風に行くのかどうだか知らないけれど、 じろじろと観察しているのかしら。 そこのあなた狙われてます。 |
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蜻蛉 きのうの夕べ、近くを流れる川の傍らの土手の上にある道を歩いていると、 トンボの群れが飛んで来た。 目の前に一斉に現れ、後から後から飛んで来て通り過ぎて行く。 曇り空で、すでに暮れかけていた。 シオカラトンボのように見えたが或いは違っていたかも知れない。 ほんの何日か前にヤゴから成虫になったのか、 頼りないような姿で飛ぶから何だか顔に当たりそうな気がした。 これほどの数のトンボを見るのは今年初めてである。 以前にもこの川辺で見たような気もするが、記憶が曖昧でよく覚えていない。 余り気にも留めていなかったけれど、 ヤゴが棲息するくらいだから、まずまず綺麗な川なのだろう。 トンボは漢字で蜻蛉と書く。 蜻蛉は「かげろう」とも読む。 『蜻蛉日記』と云う右大将藤原道綱の母の日記がある。 もっと大昔はトンボのことをアキヅ、もしくはアキツと云ったそうだ。 これは由緒ある呼び名で、 日本書紀では神武天皇が日本の国を秋津洲(あきつしま)と命名した由来はトンボから来たと云う。 |
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イチレツランパン破裂して 文春文庫の新刊に、高島俊男さんの『お言葉ですが…6 イチレツランパン破裂して』 が出たのでさっそく読んでいる。 週刊文春の連載コラムで1年経つと単行本になる(らしい)。 それから3年ほどすると文庫に入る。 週刊誌の方は読まないので毎年、文庫が出ると4年遅れで纏めていっきに読んでいる。 そうして次の年に文庫が出るまで待っている。 文庫版には[あとからひとこと]と云うのが加わっていてこれが面白い。 そしてこの本の新しいところは索引があること。 高島さんが意識的に行っていることだけど、 いまではコンピュータで組版するから簡単に出来るのにそう云う本を余り見かけない。 表題の「イチレツランパン破裂して」とは何のことだろうと思ったら、 むかし全国で歌われた子どもの数え唄だそうだが、まるで知らない。 数え唄なら「いちじく人参」は知っている。 ♪無花果(いちじく)、人参(にんじん)、山椒(さんしょ)に、 椎茸(しいたけ)、牛蒡(ごぼう)に、無患子(むくろじゅ)、 七草、初茸(はつたけ)、胡瓜(きゅうり)に、冬瓜(とうかん)と続くんだ(たしか)。 話が脱線したので戻す。 [あとからひとこと]の欄に読者からの手紙のひとつに、 この唄はオイチニの薬屋さんが広めたと云うのを紹介して、 「日露の談判破裂して」と云う替え歌がもとだと。 それに高島さん、「日露の談判…」にイチレツランパンの節は合わないと云っている。 オイチニの薬屋さんなら、内田百閒(ひゃっけん)の摩阿陀会(まあだかい)のくだりで知っている。 映画『まあだだよ』では所ジョージたちが楽しそうにオイチニの薬屋さんをオイチニ、 オイチニと行進していたなぁ。 |
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平々凡々の記 スパム(迷惑メール)はプロバイダのスパムブロック・サービスを使って、 ブロックする条件を色々付けるようになって来ていない。 ところがこの2、3日前から新手のスパムがやって来るようになった。 どれも似た内容だが微妙に違う。 この新手のスパムを受信拒否したい。 メールアドレスやヘッダーにはこれと云ったブロックできそうなキーワードが見あたらない。 件名はいつも突飛なことばかり書いているので使えない。 そこでスパムを幾つか並べて見て、 本文の文面を読み比べ、これらに共通のキーワードを探してみた。 矢っ張りあるんだな、この種の文面を特徴付ける一言と云うものは。 暫く経って、ブロックされたスパムを覗いてみると、さっそく一通が捕まっている。 こんなにすぐに効果があると、スパムもけっこう遊べる。 |
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御馳走帖 ・ 茄子 夏の夜中に一杯やるとき、酒の肴は枝豆もいいけれど矢っ張り茄子(なす)がいい。 しぎ焼きにした茄子に生姜をおろして醤油で食べる。 或いはポン酢でもいい。 そうなると一杯どころでなくなるが、困るわけではないから構わない。 茄子にも色々ある。 京都の賀茂茄子は丸形で田楽に向いている。 また小茄子はクセがなく挽肉を挟んで揚げたものは旨い。 小さい茄子の仲間に丁子茄子と云うのがあって、 日本料理店あたりで前菜として出されると云うのだが見たことはない。 内田百閒に「丁子茄子」と云う一文がある(ちくま文庫、『うつつにぞ見る』所収)。 既に政界を引退した吉田茂の大磯のお屋敷へ御馳走に呼ばれて酒を飲んでの座談会で、 その膳の一品に丁子茄子がありこう書いている。 < 初めの内お膳を突っついている時、前菜風に盛った細長いお皿の中に、 猫の好きなまたたびの蔕(へた)の様な物があったのを、何の気なしにお箸に挟み、 変な物だなと思いながら口に入れたら非常にうまい。 何だかわからずに食べてしまった。 今僕が戴いた物は何です、と尋ねた。 吉田さんも知らない。 お給仕の人を呼んで聞いて「ちょうじなす」だと云う。 丁子茄子と書くのだろうと思う。 そんなにお気に入ったなら、もっと差し上げましょうと云って、 お膳の上に追加を取り寄せて下さった。 それをみんな食べてしまった。 そんなにむしゃむしゃ沢山食べる物ではなさそうだとは思ったが、 酔っていると、うまいとなれば留めどがなくなる。> こう云う文章を読んでいると なんだか本当に食べてみたくなる。 旨そうだな。 |
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ディープ・インパクト 同名の映画があったがそれとは関係ない。 NASAの探査機の名前でいま彗星(すいせい)を追跡しているのだと云う。 追いかけられているのは1867年に発見されたテンペル第一彗星。 伊豆諸島の八丈島ほどの大きさだそうだ。 このディープ・インパクト探査機はその彗星に「弾丸」をぶち込むのだと云う。 7月4日、あすの午後3時頃にその「弾丸」は彗星に衝突するのだそうだ。 彗星の本体は氷とドライアイスに岩石、砂粒、チリなどからなる、 言わば汚れた巨大な雪だるま。 太陽に近づくと氷が蒸発してガスになる。 ガスはチリと共に本体の周囲にまとわりつき、次第にうしろへ流されて、ほうき星となる。 探査機から発射される「弾丸」は銅とアルミニウムで出来ていて、 衝突の衝撃力はTNT火薬約5トンに相当する。 それによって彗星の表面にクレーターが出来ると云う。 だけど、その後に何が起きるのか分からないそうだ。 壊れて大量のガスとチリが放出され明るく輝き始める可能性もあるし、 或いはめり込むだけで何も起きないかも知れないと。 きょうの日経の科学欄から引いた。 それにしてもこの探査機による彗星衝突はどの程度の規模か。 衝突によって彗星の軌道が地球に向かうようになり、映画「ディープ・インパクト」 の様なことが起こらないのか。 彗星をジェット旅客機にたとえると、弾丸(探査機の子機)は蚊ほどの存在だそうだ。 ディープ・インパクト探査機とは大きく出たな。 何用あっての彗星衝突か。 彗星は約46億年前に太陽系が出来た当時の物質を閉じ込めているとされ、 太陽系の成り立ちを知る手掛かりとなるデータが期待されているそうだ。 独立記念日のイベントだとは云っていないようだけど。 NASAのディープ・インパクト探査機 www.nasa.gov/deepimpact |
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黒革の手帖 テレビで「黒革の手帖・スペシャル」と云うのをやっているので、 去年の続編かと思って見ていたら何だか様子が違う。 回想シーンに前の番組の映像が使われているけれど、 演出はまるで違っている。 軽快なテンポで話が先に進まないし、 あの絢爛豪華で大袈裟ぶった演出もない。 そのうちに殺人事件が起きて、「古畑任三郎」の西村雅彦が刑事役で登場。 「なんかおかしくない」 と云うことになって新聞を見ると、なあーんだ、土曜ワイド劇場なのだ。 あはは。 相変わらずのサスペンスもので辻褄の合わないドラマだったが、 人殺しの場面がなかったのはよかった。 田村高廣さんが出ていた。 時々NHKの朝のドラマで見ているけれど、 ぢぢい役を好演じている。 今年の初めにDVDで見た35年前の映画「トラ・トラ・トラ」では大阪弁を話す淵田少佐役は 若々しくて実に凛々しかった。 競演した三橋達也さんは、去年だったかもう亡くなった。 |
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御馳走帖 ・ 大根おろし 昼に蕎麦屋に入って、おろし蕎麦を食った。 底の浅いどんぶりに、蕎麦の上に大根おろしがたっぷりと載っている。 あとは刻みノリと薬味がぱらっとかかったシンプルなものである。 つゆをざあっとかけた後、山葵をつけて大根おろしと一緒に蕎麦をすする。 すり胡麻が入っていて、これが後味を芳ばしくする。 天麩羅を食べるときは決まって、天つゆに大根おろしをたっぷりとかける。 天麩羅そのものは別に旨いとは思っていないけれど、大根おろしを食べたいので天麩羅を食べるのである。 また、トンカツは一口大のヘレカツがいい。 カツの上に大根おろしを載せて、その上から土佐醤油を垂らして食べると旨い。 大根おろしは昔から体に良いとされている。 おろして細胞を壊すことで化学反応が起きる。 それにより体に良い成分が生まれると云う。 白いばかりの大根と似たのがスイカである。 スイカは水ばかりのようだけど効能は忘れたが、 夏にスイカを食べるのは体内を冷やすだけではないそうだ。 ただし、体に良い成分を含むのは赤いスイカであって、 黄色いのは健康とは関係ないと云う。 |
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