Software Review vol.5

ロードランナー for Wonder Swan・・・Produced by (c) バンダイ (\.2980)

日本でやっとパソコンが一般人の手に届くようになった頃、米国から輸入され多くのユーザーを文字通りロードランナー (この場合は LOAD RUNNER という意味で、当時カセットからプログラムをロード{LOAD}し、実行 {RUN] させるだけのゲーマーを称した造語) にした名作。そのアクション性と戦略性、そして何より全150面 (+コンストラクション機能) という当時としては破格のヴォリュームで全パソコンユーザーを虜にしたアクションパズルゲームである。

パソコンからコンシューマー (アーケード) に逆移植された初めての作品でもあり、今日に至るまで様々なハードに移植されてきた。おそらく大部分の人はFC版で初めて遊んだクチだと思うが、パソコンでやり込んだ身としてはとにかく画面がスクロールするという時点で既に別物という気がしている。番兵の誘導を含めて画面全体を把握するのが非常に重要なゲームだと思うので、スクロールした先に突然番兵が出てくるようなFC版は何度コントローラーを叩き付けたか分からないほどだ (文句を言いながらも最後までクリアしたが)。

このWS版でもスクロールする点は同じ。別にモノクロのWSに凝ったグラフィックなど期待していない、というかWSだからこそパソコン版の画面を再現しても許してもらえると思うのだが、他のコンシューマー版同様に大きなキャラクタを表示するようになっている。おかげでスクロールが頻繁に起こり、残像で目が疲れるという弊害が起こっている (言うほど大袈裟ではないが、普段から目を酷使する仕事をしている自分にはちょっとツライ)。しかも、キーのレスポンスは良いがキャラクタの動きが早いのでスクロールした先に急に番兵が現れてミスというパターンも多くなっている。

グラフィック関連では他にも画面上部が非常に見づらいという問題がある。これはWSの液晶画面に起因するものだが画面上部はどうしても影になりやすい (本体表面と液晶板の厚みがあるため)。そのためステージの一番上のバーなどは注意してみないと有るかどうかも分からず、ついうっかり落ちてしまった等ということが多い。画面は狭くなるかもしれないが上下左右に少し間を空けてプレイ画面を中央に配置するようにすれば見やすくなったように思う。また、昔リリースされたGB版ではスタートボタンでゲームを中断することで縮小画面を表示し全体を確認することが出来たが、WS版はFC版と同じようにスクロールさせて画面を確認する様になっている。どちらが良いかはプレイヤー次第だが、やはり1度に全体を確認出来た方がゲームとしては遊びやすいと思う。

個人的にグラフィックよりも気になったのは番兵の動きのアルゴリズム。説明書にも書いてあるが、常にプレイヤーを追いかけるような動きをするようになっている。番兵をいかにしておびき寄せ、あるいは番兵から如何に逃げ回れるかを把握することがこのゲームの最重要事項な訳で、そういう意味では非常にマヌケというかやりにくい。一応、はしごの位置によっては遠ざかったりする場合もあるのだが昔のパソコン版のような動きとは違っている。ピンチの時でも誘導を使えばやり過ごせたのに本ゲームでは穴を掘って埋めるしか回避方法が無くなっているのは少々ツライ。良い方向に考えれば新しいアルゴリズムで気分も新たに遊べるといえなくも無いが、アルゴリズムが理不尽だと遊ぶ気が失せてしまうのは間違い無い。

WS版オリジナルの要素として水中のステージがある。迷路の一部 (あるいは全部) が水没しており、潜水服を着て活動するのだが、通常時に比べて動作が遅くなるという特徴がある。また、水が溜まっている床に穴を掘るとそこから水がこぼれてその下の部分がすべて水没する様になっている。これはなかなか良いアイディアで、たとえば最初は潜水服を着ずに (ステージの最初に着用するかどうかを選択する。着用すると水の中では速く動けるが普通の所では逆に遅くなる) スタートした場合、水の溜まっている所の金塊はなるべく最後にとる様なルートを進んだり、あるいは逆に最初に潜水服を来てスタートし、最初にステージを水浸しにするように掘り進んで動きやすくするなどのテクニックが生まれるのである。ただ、あくまでも自分の動きが速くなるか遅くなるかの違いだけで番兵よりも速く動けることには変わりが無いため、それらのテクニックというかギミックを駆使するような必要性が少ない (水中専用の敵=サメ型ロボットから逃れるには便利だが)。そのため、ゲームの進行上に何ら影響しないというか、水中に入ることによるメリット/デメリットがあまり感じられないのは非常に残念である。たとえば、潜水服無しで水中に入ると番兵よりも動きが遅くなるとか、こまめに水上に出ないと窒息して死んでしまうとか、もう少しシステムを練り込めばという気がしてならない。

ギミックといえば、オリジナルには無い要素として上に乗ると崩れるブロックというのがある。一見普通のブロックと見分けがつかないのは従来の落とし穴と同じ。ただ、このブロックは1度崩れると復活しないので下手に乗ると金塊を取るための足場を永遠に失ってしまいリスタートということもある。まぁ、これはオリジナルの落とし穴と同じで何回もひっかっかってステージの攻略法を見つけるという点からすると良く出来たギミックといえるだろう。他にもサーフボードとアロワナというのが存在し、集めた数によってブロックの最後 (1ブロックは24ステージからなり、5ブロック全120ステージ存在する) にエクストラステージが登場する。これらのアイテムは取らなくてもクリア出来るので、いわばオマケのようなモノである。ただ、ステージ上に出てくるとどうしても取りたくなるのがプレイヤーの性分だと思うが (^_^;)。

操作性に関しては、特に問題ない様に感じる。このゲームの場合キーを斜め方向に入れて動かしてハシゴへの移動をスムーズにするという操作がデフォルトなのだが、斜め方向にキーが入れにくいWSでもそれほどストレスは感じずに反応してくれる。ただ、斜め移動している場合はしごの上の金塊などに接触判定が無くなるのか取りこぼすことが多い。それと、自分も番兵も動きが少し速すぎる。画面全体を見渡せるならまだしもスクロールしなければいけないゲームでこの速さはちょっとシビアだ。自ずと少しずつゆっくりと動かすようになり流れるように動かしていく爽快感が無くなっているのが非常に残念である。他の操作に関しては特に問題は無い。ファミ通のレビューで穴掘りキーが2つあるのは無駄、向いてる方向に穴を空けるようにすれば良かったなどとほざいてる馬鹿がいたが、こいつはこのゲームの何たるかを全く分かっていないのだろう。ま、もともとクロスレビュー自体あんまり信用出来ないシロモノなのだが (発売日のチェックにはなるが (^_^;))。

先程も書いたがステージ数は全部で120面。後半のステージになるにつれ、時間差堀りや落下してくる番兵の頭の上を通って対岸に渡るとか色々なテクニックを使うようになるので、これだけでも結構楽しめると思う。ワンダーゲートに対応しておりネットからオリジナル面のDLが出来るらしいが、NTTの携帯にしか対応していないハードなので使えないし使う気も無い。本体にEDIT機能が付いているから自分で入力するとかした方が安く上がるだろうし (雑誌やWEBでオリジナル面を発表する人間がいるはずと期待している)。もう少し本ソフトの出来が良かったらワンダーゲートの購入も考えたのだが、残念ながらそこまでさせる求心力は無い。良く出来ている方だと思うし、何より非常に思い入れのあるゲームなのだが、上で述べたような問題があるのは事実。一般のユーザーにオススメ出来るかどうかと聴かれるとこれぐらいの評価が妥当ではないか。

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スリザーリンク・・・Produced by (c) バンダイ (\.2980)

コンピュータとパズルは相性が良いと良く言いますが、これは解析する能力もそうですがプレイをサポートするという点でかなり真実だと思います。特にピクロスなどは紙の上でやると間違った時に消す作業が面倒 (紙も汚くなるし) なのに対し、PC上ではボタン一つで描画/消去が出来るのでとても便利です (背理法を使う問題などでは仮置きが出来たりしてさらに便利)。

本ソフトも元々はパズル雑誌『ニコリ』で人気のペンシルパズル (ナンバーライン) をWSに移植したもので、今まで紙の上でやっていた面倒な作業をWS上でやってしまおうという発想から生まれました (ピクロスほどではないけど、線を引いたり消したりするだけでも紙の上でやると面倒なものです)。

画面を一見しただけでは何か良く分からないという人がほとんどだと思いますが (まぁ、大抵のパズルゲームはそうなんですけど)、ドットとドットを繋げて全体で一つの輪っかを作るというのが最終目標です。当然、適当に線を引いて良い訳ではなく幾つかのルールがあります。まず一つ目はドットは縦あるいは横に繋ぐこと (斜めに線は引けない)。二つ目は、4つの点で作られた小さな正方形の中にある数字は、その正方形の辺に引く線の数ということ (3と書いてあれば4辺のうちのいずれか3つに線が引かれる)。ただし、数字の無いところには、何本の線を引くか不明です。三つ目は、線は交差したり枝別れしたりしないということ。これら3つのルールに従ってクリアを目指します。

ルールが少なく漠然としているため何をやって良いのか分からず、途中で止めてしまうという人が多いようですが、マインスイーパーと同じように定石のようなモノが分かってくるとルートは一義的に決まるようになり、それが分かり始めると知らず知らずのうちについつい遊んでしまうというくらいにハマってしまう中毒性の高いパズルゲームだったりします (そこまでの段階に到達するまでが長いのですが)。試しにこのページで遊んでみると良いでしょう。

ボタンの操作性に関しては特に可も無く不可も無くといったところ。ゲームのメニューの中にキー操作やルールに関する記述があるので説明書を見なくても遊ぶことが出来るのも嬉しいところです。。ただ、問題のクリア判定が自動ではなく手動 (最後に確認ボタンを押す) なのはちょっと面倒。GBでリリースされたナンバープレイス (ルーカのパズルで大冒険) もクリア判定は手動でしたが、特に自動判定が難しいとは思わないので何故こういう仕様なのか不思議です。ま、ゲームの本質に影響するようなことではないので問題って訳ではありませんけどね。

通常のラインの確定/消去以外に仮置きモード切り替えのボタンも用意されている (仮置き部分の一括確定/消去が出来るのも便利) のですが、最初のレベルでは使用することが出来ません。というのも、誤った所にラインを引くと、自動的にミスの判定がされて勝手に訂正されてしまうのです。最初のレベルで仮置きする私が悪い (レベル低すぎ?) のかもしれませんが、どんな問題も当てずっぽではなく論理的に解いていきたいと思うのがパズル好きの人の性格だと思うのですがいかがなもんでしょう?初心者に対する配慮なのかもしれませんが、それならばオプション設定で自動ミス判定機能をON/OFF出来るようにして欲しかったです (答えを見ながら解いているような気がしてイヤなのです>自動ミス判定機能)。ただ、これもレベルが上がれば解消されることなのでことさら強調するような問題ではありません。

本ゲームで一番問題なのは、レジューム機能が無いことです。オートセーブ機能がついているので自分がクリアしたステージの情報は自動的に残されて便利なのですが、クリア前、すなわち問題を解いている状態でのセーブが出来ないのです。これはかなりイタイ!たとえば電車に乗ってる時、あと少しでクリアなのに駅に着いたといった場合、その場で最後まで解くか、涙を飲んで改めて最初から解くかの2つに1つしかないのです。乗り物に乗っている場合以外でも、ちょっと空いた時間に遊ぶという用途が多いであろう携帯機において好きな時に電源を切れないというのは仕様としてはちょっと、というか思いっきり不親切でだと思います。リアルタイム性のあるゲームという訳でもないし途中経過をセーブするのは全然難しいことじゃないはずなのに・・・。

モードは2つあり、そのうちのひとつ、ステージモードは全部で60問・・・と書いてあったんですが、90問あるようです。問題は10×10のフィールドでレベルが上がると10×14の問題も登場します (51面以降)。個人的にはもう少し小さなフィールドの問題を用意した方が初心者には良かったと思いますが (私は、最初にやったのは8×8の問題でした)、10×10の問題でも簡単なモノは簡単なので良いと判断したんでしょうね。あながち、間違いではないと思います (ちょっと見た目に圧倒されて、敷居が高いと思われちゃうかもしれないけど)。

もうひとつのモードはフリーモードで、自動的に問題を生成してくれるモードです。遊ぶたびにコンピューターが問題を自動的に作成するのでいつまでも新鮮なプレイが楽しめます。ただ、作成する問題のサイズが10×10固定で、難易度も設定出来ないのがちょっと残念。ヒントの数が多くて少し簡単というか物足りなさを感じてしまいます。ステージモードをすべてクリアしてしまった後でも長く遊べるという点では非常に良いと思うんですけどね。ただ、このモードはステージモードで一定レベルの問題を解かないと出現しません。まぁ、デフォルトの問題が解けないうちに他の問題を・・・とは考えにくいので別に良いかな?とも思いましたが、何かの拍子でバックアップが消えてしまった時、また最初から全て解かなければフリーモードを選べないというのはかったるい作業になりそうで不安ですね。

私が思うに、WSの画面はこのようなパズルゲームで遊ぶには非常に向いているような気がします。ほとんどのパズルはモノクロでOKだし (本ゲームもグラフィックやサウンドは非常に地味ですがゲームの本質には全く関わらないので気になりません・・・もう少しクリアした時の演出があっても良かったとは思いますけど)、何よりも解像度が高いので凝った問題が作れます。今後もこういった移植がドンドン行われることを期待したいものです (個人的にはGBで既にリリースされているナンバープレースあたりが欲しいですね)。WSの新作発売スケジュールがあまりにも寂しいですから・・・(ホントにどうなる>WS)。

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STREET DANCER・・・Produced by (c) バンダイ (\.3800)

某深夜番組のタイアップ企画でリリースされることになったゲームで、同番組で人気の『wuz↑b? (ワサビと読むらしい)』というダンスユニットがプロデュースを手がけている。と言ったところではたして何人が彼女達のことを知っているのかは定かではないが、少なくとも私は実物どころかテレビや雑誌でもお目にかかったことが無い (^_^;)。

ゲームのシステムは、いわゆる音ゲーの類で、パッと見た印象では同社がリリースしている TURN TABLIST に非常に似ている。ただ、TURN TABLIST が何をやったら良いか分からない&どうやったら上手く出来たことに成るのか分からないという非常にとっつきにくいゲームだったのに対し、本ゲームは一連の音ゲーよろしく、画面に表示される指示に従ってタイミング良くボタンを押せばOKという単純明快なシステムになっている。ここら辺は、ゲームに対する取り組み方というのもあると思うが、ハンディマシンで遊ぶ人間のほとんどは『手軽に遊びたい』という欲求を持っていると思うから、本ゲームのアプローチは (たとえマンネリであったとしても) 間違っていないと思う。

音ゲーといったが、いわゆるビーマニ系の『音楽自体を楽しむ』ゲームではない。既存のゲームで言えば『バストアムーブ』や『スペースチャンネル5』のように画面上に表示されるキャラクタのリアクションを見て楽しむゲームである。この画面上に現れるキャラが wuz↑b? である (他にオリジナルキャラが1人居る)。1ステージ (曲) はいくつかのフレーズに分けられていて、そのフレーズ毎にダンスステップは変わる (例えばAというフレーズでBボタンを押すとジャンプするが、Bというフレーズだとターンするとか)。また、同じフレーズでもキャラクタ毎にステップは変わる。最初のうちは簡単なステップしか出てこないが、高い点数でステージをクリアすれば新たなステップが増えていく (その数100以上)。これらのステップが1人用モード (ソロモードという) に反映されない (新しいステップを取得してもデフォルトのステップはかわらない) のは残念だが、エディットモードで自分の好きなステップの組み合わせを作ってプレイすることが出来たり、各キャラクタ毎にどのステップを覚えられたかを確認出来るモードもあるので、何事もコンプリを目指すという人にとっては目標が明確になって良いと思う。

ただ、前述の『バストアムーブ』や『スペースチャンネル5』のようにキャラがたっていないのが問題。どれも同じアニメ絵で、ぶっちゃけて言えば髪が長いか短いかぐらいの違いでしかない。彼女達のファンならば別だと思うが (いや、ファンならば逆にこのグラフィックは許せないか (^_^;)?)、個人的には1人だけにしてグラフィックをもっと凝ったものにした方が良かったのではないかと思う。まぁ、これはWSの小さい液晶画面にも問題はあると思うが、ゲームをしていてもキャラクタに惹きつけられないというのは、このゲームの本質を考えた場合問題だろう。

曲に関しても同じ事が言える。一応、HIPHOP / LOCK IN / JAZZ という3つのジャンルがあるが、どれも単調で似たような感じの曲になってしまっている。まぁ、ダンスに合わせる曲なので唄メロメインの派手な曲を期待する方が無茶な話だと思うが、実際の音楽世界ではどのジャンルでも様々なアプローチの曲が作られている訳だし、もっと工夫の余地があったと思う。それともダンスの方に重きを置いてどうしても曲の方に注力することが出来なかったのだろうか?いずれにせよ、曲数と共に不満は残る。

さて、このゲームでウリのひとつにしていたのが、曲のジャンルによって操作法法が変わるということであった。具体的に言えば HIPHOP は通常通り、LOCK IN ではWS本体を縦に、JAZZ では本体をさかさまにしてプレイするのである。一見、単に奇をてらっただけのような印象があるがこれが意外に面白い。前2者は大したこと無いのだが (ぉぃ)、JAZZ のさかさまプレイは普段使い慣れているコントローラー配置と全く逆のため思うように動かせない (頭では分かっていても、長い間に染み込んだコントローラーの配置の感覚で無意識のうちにボタンを押してしまう) もどかしさがある。これを単にやりづらいと感じるか面白いと感じるかは人それぞれだと思うが、個人的には非常に面白いと思う。多様な配置が可能なWSならではの遊び方だと思うし、初めてこの仕様の可能性を感じた気がする。

ただ、同時に問題を抱えていることも実感。まずは液晶の視野角の問題。昨今の液晶の性能が上がってきているとはいえ、液晶には見やすい角度が存在する。これはTFTでもそうなのだから、反射式のモノクロSTN液晶であるWSではさらに性能は低下する。本ゲームの場合、WSの持ち方には3パターンあるのだが、それぞれの持ち方で液晶の視野角が違うため持ち帰るたびにコントラストを調整しなくてはならない。まぁ多少の濃いとか薄いとかいうレベルと言えなくも無いが、元々暗い色調のゲームなので結構気になる人も多いだろう。

更に問題なのは、スピーカーの位置。ノーマル、あるいは縦にして持った時は問題無いが、さかさまにして持った時には左手でスピーカーを塞いでしまうのである。元々、微調整の出来ないWSのスピーカーでこれはかなり大きな問題。というのも、プレイ中ずっと塞いでいるならば別だが1曲のプレイ中でも手の動きでスピーカーを塞いだり開けたりして音が大きくなったり小さくなったりするので非常に聞き苦しい。聞き苦しいと言えばスピーカー自体の性能もあってか音質は最悪。その為、この手の音楽ゲームではヘッドフォンアダプタを使う人が多いと思うが、これがまたかさばってしようが無い。持ち帰るたびにケーブルをとりまわしたりして面倒なことこの上ない。しかもヘッドフォンアダプタを使ってもそれほど音質が良くならないというのだから困ったものである (もっとも、これは beat mania for WS の出来が良すぎたから言ってしまうことであって、TERRORSなんかに比べたら格段に良い)。

なんか問題点の方ばかり目立つような書き方をしてしまったが、ゲームとしては及第点に達していると思う。トコトンやり込むほどの奥深さは無いが、気軽に初めて気軽に終われるというライトなゲーム感覚はハンディマシン用として評価されて良いだろう。少なくとも私はそういう遊び方で満足している。

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名探偵コナン・西の名探偵、最大の危機!?・・・Produced by (c) バンダイ (\.3600)

マルバツールという新しいシステムで人気を博した前作の続編。

続編ということで、グラフィックとサウンドに関しては割愛します。というか、主要なキャラのグラフィックなどはほとんど前作の使い回しだし、サウンドに関しても前作からほとんど進歩は有りません。前作の評価を見てもらえばOKでしょう。ま、簡潔に一言だけ書けばグラフィックは原作の雰囲気が上手く出ててOK,サウンドはイマイチって感じです。

では、本作で新たに導入された機能について。まず『Hint機能』ですが、これはマルバツールで必要なKeyワードとは違い、単体あるいは幾つかの組み合わせを登場人物に突きつけて新たな証言を得るというモノ。的外れなHintを使うと時間の無駄=評価ポイントの低下に繋がる (はず) なので、効率的に集める&使う必要があります。ただ大仰な解説をしているがぶっちゃけて言えばマルバツール以前のアドベンチャーのフラグ立てと同じである。まぁ、前作のようにすぐにKeyワードが集まるよりはゲームの進行に深みがあるように思えますが、面倒な手順が増えただけという気がしない訳でもないです。

次に『追跡パズル機能』。通常マップ画面で移動出来るのは矢印の付いた建物だけですが、シナリオのクライマックス (犯人を追いつめる、あるいは逃げおおせる) ではプレイヤーの判断で自由に移動し、それがその後の展開に直接影響するようになっています。これが『追跡パズル機能』です。これは最終的な評価に影響を与えますが (判断を少しでも間違うと下がる)、まぁよほどの事が無い限り間違うようなことは無い (と思う) ので、一種の演出みたいなモノだと考えて良いでしょう。あっても無くても問題ないけど、あった方が面白いのかな?といった感じの機能だと思います (機能というのにも抵抗があるな)。

今回も収録されているシナリオは5本。タイトルに関係するのは最後の2本だけというのは、いかがなものかと思いますが (どうせならまるまる1本オリジナルのシナリオを作れば良いのに)、それよりも残念だったのは前述の『Hint機能』や『追跡パズル機能』が導入されたために肝心のマルバツールを使う機会が少ないこと。シナリオ本編での数は前作と変わらないかもしれないけど、今回はシナリオクリアした後のオマケ問題が無いのです。アドベンチャーというよりもパズルゲームとしてマルバツールを期待していた私にとっては残念でなりません。

オマケ問題は無いのだけど、オマケ機能として付いているのが『コナン手帳』という機能。これには、カレンダー、アドレス帳、占い、時間割、コナン図鑑という機能が付いていて、アドレス帳に入力したデータはシナリオ中に使われることもあるというのが面白い。ただ、そういった機能と時間割などは明らかに子供向けというか対象年齢をかなり低い者に見ている。WSのユーザーってそんなに対象年齢は低くなかったはずなんですがねぇ。それに、コナン図鑑という機能は原作に出てくる主要なキャラの解説がが出てくるのですが、まるっきりマニュアルに書いてあるのと同じ事が書いてある。これじゃ、わざわざこんな機能付ける必要無いじゃん (容量の無駄)?個人的にはこういう無駄な機能を省いてでも良いからオマケ問題を入れて欲しかったですね (カレンダーと占いは結構良い=使えると思ったけど)。

奇しくも前作のレビューの最後で『パズルモードだけの続編を出して欲しい』と書いたのと正反対のモノがリリースされたのは残念ですが (つーか、もとよりあんな要望が通る訳無いけど (^_^;))、そういう私情抜きで見た場合、非常に良く出来たゲームだとは思います。原作の雰囲気は壊していないし、推理を楽しんでるという気にもなれるし。1回クリアしたらオシマイというゲームですが、原作のファンだけでなくWSユーザーには是非プレイして欲しいゲームですね。でも、今度こそはパズルモードだけの続編を作ってね (^_^;)>バンダイ。

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リング∞ (インフィニティ)・・・Produced by (c) バンダイ (\.3800)

TERRORSに続くノベルシアター第1弾ソフト。今回は昨年各メディアで日本中を恐怖に陥れた『リング』(角川書店) の世界を再現しています。

基本システムはTERRORSと変わっていない (=メニューを開いて現れる項目が一緒) です。今回はシナリオが1本なのでテキストの量が大変多いので、文章の早送り機能 (スキップ) が付いていると非常に便利だったんですけどね。

逆に嬉しかったのが、片手で操作出来る機能が付いたこと。実はTERRORSのレビューで、この機能が欲しいと書いたんですが、それが実現されているのです。文庫本を読む感覚で操作出来るので大変遊びやすくなりました。ユーザーの声をきちんと取り入れるところはエライですね>バンダイ。

今回、ROMの容量が増えたことによりサウンドのクオリティが上がりました。前回のようにノイズも酷くなくクリアに聞こえるし、何よりヘタな台詞まわしが入っていない (SEやBGMがほとんど) というのが良いです。TERRORSでは、ド下手な声優 (声優というのもはばかられる) の下手な演技で全然世界に入っていけませんでしたが今回は純粋に物語を楽しむことが出来ました。

また、サウンドのみならずグラフィックも向上しています。いや、静止画に関しては変わっていないのですが、今回は効果的に動画が使われています。件の呪いのビデオや8ミリで撮影した画像、他にも (動画ではないかもしれないけど) キャラクタが動く場面が多く、しかもそれが非常に効果的に使われ演出効果がアップしています。携帯機というハードに対する偏見もあるんでしょうが、次世代機では何でも無いような演出でもWSで見ると非常に新鮮に見えます。しかも、要所要所にピリッと小粒で利かせている (つーか、容量的に全編動画って訳にはいかないんでしょうけど (^_^;)) 所がミソです。

さて、肝心のシナリオですが、個人的に『リング』は小説も映画もビデオもテレビも見たことがありませんでした (まぁ名前ぐらいは知っていましたが)。そういう予備知識の無い状態で遊んだ感じでは非常に怖かったです。何となく話は見えるんだけどグッドエンディングに結びつきませんし、結構何回も遊んでいます。ただ、雑誌の紹介などで『1度終わっても別の主人公で・・・』とあったんですが、実際に遊んでみると直前のプレイの結末をウワサしている女子学生の話を新しい主人公が聞いて・・・という感じで新しいプレイが始まるんですが、主人公以外のキャストの名前が全く同じなので違う人間になったという感覚は全く無いです。まぁ、1回1回キャストの名前を変えるわけにはいかないと思いますが・・・。

さて、今回試すことは出来なかったのですが、ワンダーゲートを使うと新たなシナリオで遊ぶことが出来るそうです。本編に出てくる別のキャラの視点から見たザッピングシナリオになっているそうですが、これで遊べば本編の謎が少し分かるのかもしれません (いや、なんか唐突な展開が何箇所かあったもので)。でも・・・携帯持ってないからワンダーゲート買っても使えないんだよなぁ (苦笑)。

TERRORSに比べて完成度が上がっていると思います。制限時間選択という新たなシステムも入っていますし、前作よりも緊迫度も上がっています。既に『リング』の内容を知っている人には拍子抜けかもしれませんが、私のようにまったく知識の無い人間にはかなり楽しめると思います。

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