Software Review vol.4

たねをまく鳥・・・Produced by (c) バンダイ (\.2980)

テレビ朝日系で放送されている『D's Garage21』という番組内でアイディアを公募し、それを元に生まれたゲーム。ちなみに、某雑誌では『あみだをつかうという今までに無いアイディア』と書いてましたが、アーケードの『アミダー』とかGBでリリースされた『アミ〜ダくん』など、あみだをフィールドにするというゲームは出ており、ことさら新しいアイディアではないということを明言しておきます。

新感覚アクションパズルと銘打たれた本ゲームのコンセプトは『落ちる』から『つたう』。画面上に張り巡らされたあみだ状のフィールドを操作して上からつたってくる水滴を上手く下まで誘導するのが目的となっています。

『花いっぱいになる頃に戻ってくるよ』と言い残して去っていった渡り鳥の友達を想い、1日も早く花を咲かせようとするカラスが本ゲームの主人公。ゲームが始まるとカラスは地面に種を落としていきます。この種に水滴を与え続けていくと、やがて芽が出て蕾となり花が咲きます。ただ先程も書いたようにフィールドはあみだ状になっており、上手くあみだを入れ替えないといつまで経っても種に水を与えることが出来ません。また、水滴以外に害虫もフィールド上を動き回っていて、花までたどり着かれてしまうと枯らされてゲームオーバーになってしまいます。

水滴は、1滴ずつつたって来るのですがあみだを動かすことにより合体することがあります (右と左から水滴が移動してきた時など)。最高4段階まで大きくなり、大きな水滴にして花に与えればそれだけ高得点になるし害虫を退治することも出来るようになるのですが、4段階目の状態になるとあみだをつたうことなくその場に落ちてしまい得点になりません (害虫駆除は出来る)。すなわち小さすぎてもダメだけど大きくすれば良いというものではない、というバランスが組み込まれています。ここら辺はパズルとして考えた場合なかなか良く出来てると思います。

あみだを動かす (具体的には3列のフィールドにある横棒を列毎に上下に動かす) テクニックも色々とあるようで (説明書だけでなくオープニングでもでも見れる) それなりに奥が深いゲームのように思えるのですが、残念ながらイマイチという感じがぬぐえません。というのも、害虫を退治する手段が大きな水滴を当てることしかないため、1度花までたどり着かれてしまうとよほど水滴の流れが良くない限り退治することが出来ず、すぐにゲームオーバーになってしまうからです。もちろん害虫を近づけないようにうまく誘導することがゲームの秘訣なんでしょうが、そうなると害虫にばかり気を取られてしまい水滴は流れるまま、それでも下手な鉄砲数打ちゃ当たる方式でいつのまにか花が咲いてクリアということが起こります。

こうなるとアクションパズルではなく完全にアクションゲームであり、単調な作業の繰り返しになってしまいます。まぁ、慣れてくれば上手く水滴を誘導して害虫を退治しつつ水を与えるということも出来るようになるのでしょうが、いかんせんアクションの占める割合が高いために力ずくでクリアしてしまおうという風になってしまいがちです。逆に言えば、苦労して水滴を大きくしてもその見返りが小さいというか、あまり恩恵を得られないといえます。危険を顧みずテトリスを狙ったり、大連鎖を組んだりするのは得点が多く得られる以上に、それを成し遂げた後にピンチが一気に和らぐ (あるいはチャンスになる) というメリットがあるからです。しかし、本ゲームの場合はそのメリットの度合いが小さいので (なるほど大きな水滴を作れば害虫を退治出来るし、花も早く咲かせられますが、上手く誘導することで害虫は遠ざけられるし、花だって急がなくても規定の水を与えれば咲く=急ぐ必要はない) 無理に狙おうとは思えないのです。

個人的に嫌いではないというか、ついつい遊んでしまうゲームだったりするのですが、パズルとしてではなく単にアクションとして遊んでる感覚が強いです。そういうスタンスで遊ぶ分には非常にオススメなゲームだと思います。ストーリーモード (全8ステージ構成でステージ間にデモストーリーが入る) とエンドレスモード (言葉通りゲームオーバーになるまで続けるモード) があるし、通信対戦モードも用意されています。また \.2980 という低価格も魅力です。雑誌などで持ち上げてるほど大層なゲームでは無いような気がしますが \(^_^;) ォィ、お手軽に遊べるゲームとして購入してみてはいかがでしょうか?

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プロ麻雀・極 for Wonder Swan・・・Produced by (c) アテナ (\.3800)

麻雀登竜門日本プロ麻雀連盟公認・徹萬に次ぐWS用の麻雀ソフト。本格派4人打ち麻雀としてパソコンやPS・SSで人気を博し、GBにも移植されているほどの人気シリーズでその実力は折り紙付きといえる。

日本プロ麻雀連盟公認・徹萬に比べて少し遅いか?と感じる場面もあったが目くじら立ててこだわるほどのことでも無く (麻雀登竜門に比べれば十分早いし)、打つテンポという意味では一番しっくりくる気がした。また、テンポが良いだけでなく、難易度も十分・・・つーか、タコな私には太刀打ち出来ないほど強いのですが、打ち筋がしっかりしてるのでイカサマされたという気にはならず、素直に自分の非を認めさせる説得力があるのはサスガだといえる。

隠しキャラを含めて選べる面子は実在する雀プロ8人。これが多いか少ないかは人によると思うが、各々のアルゴリズムがしっかりしてる (=キャラがたってる) のでよほど麻雀の上手い人でもない限り感嘆に飽きることはないだろう。少なくとも私は最初の面子ですら苦労していて、飽きるとか言う以前の状態である (^_^;)。

ハンディマシンであるWSで遊ぶことを前提にして色々なアレンジが加えられているのだが、特に説明書を読まなくても済むようにオンラインヘルプが設けてあったり、ルールを良く知らない人のためにいつでもルールや役の一覧が表示出来るようになっているのは便利。メニュー用のキーが一つ割り当てられており、それを押せばゲーム途中でも間違った操作をしなくても済むというのも初心者にやさしい仕様で好感が持てる。

その一方で、レベルアップ (半荘が始まる前の条件を達成する) しなくてはメニューの機能の一部が使えない、逆に言えば自分の実力が上がるほど機能がアップしそれによって自分のレベルの高さが実感出来るレベルシステムを採用することで初心者のみならず上級者も充実感を味わうことが出来るようになっている。まぁ、初心者の場合は実感する前に挫折するっていうパターンも考えられるが、1人で遊ぶことが多い (ソフト=その人以外遊ばない) WSならではの機能だといえるだろう。

他にもWSらしい機能はたくさんある。対局中のオートセーブ機能はもちろん、思い出の対局をセーブしておけたり、もしあの局面でこう打っていタラ・・・という場面を再現して打ち直し対局出来るタラレバ対局機能などバックアップメモリをフルに使った機能が満載、通常の対局はもちろんユーザーを飽きさせない工夫が数多く盛り込まれている。

トータルで見て非常に良く出来たソフトなのだが残念な所がいくつかある。ひとつは、液晶のドット数の制限でもあるのだが、捨て牌の表示がつぶれていて非常に見にくいこと。同じビューの日本プロ麻雀連盟公認・徹萬に比べるとかなりツライ。ポンやチーの場合はメニューで出来る操作が限定されるので何の牌か連想出来るが、フリテンしてしまうとかなり脱力感が大きい。

また、これは慣れの問題だと思うが、リーチをかける時に先に切る牌を選んでおいてからリーチをかけないと違う牌を切ってしまいリーチにならないということ。今まで遊んできたソフトの多くがメニューでリーチを選んでから捨て牌を選ぶという仕様だったので、それに慣れてしまっていた私は何度と無くリーチを失敗してしまった。まぁ、これは単純に私の方の問題かもしれないので一概に悪いとは言えないのだが。

いずれにせよ、人気シリーズであるとともに最後発のソフトであり他のWS用麻雀ソフトに比べて完成度は高いといえる。ただ、何故かは分からないのだが、本ソフトが一番安値で売られている店が多い。ユーザーにしてみれば嬉しい話ではあるが、不当な評価を受けているのではないかと少し心配である。

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おーちゃんのお絵かきロジック・・・Produced by (c) サンソフト (\.3800)

GBユーザーにはピクロスの名前でお馴染みのパズルゲーム。パズル雑誌にも数多く掲載されているし、PCのフリーウェアでも見かけるので知らない人は居ないと思いますが、縦横に表示されている数字を元にしてマス目を塗りつぶしていき1枚の絵を完成させるパズルゲームです (ピクチャークロスワード=ピクロスという訳ですね)。

本ゲームは、サンソフトのイメージキャラへべれけのゲームに出てくるおーちゃんが主人公 (といっても直接操作したりする訳ではない) で、PS版が既に数年前にリリースされています。PS版はCD−ROMの特性を活かしてたくさんの問題を収録していたのですが、WS版もそれに負けないくらい頑張ってROMとしては破格の全300問 (ストーリーモードを入れると400問近く) を収録しています。しかも、WSの液晶画面の特性を活かして25×15の問題が多数収録されてるのが嬉しいですね (まぁ、大きいだけで超簡単っていうのも結構ありますけど (^_^;))。

お絵描きパズルの場合に重要なのは完成したグラフィックなのですが、本ゲームの場合はクリアした時点で絵にグラデーションが付いてどんなモノかが浮かび上がるようになっています。SFCでリリースされているピクロスなんかはモノクロの段階ではただのドットの固まりで最後に色が着いて完成なのですが『そんなのアリかよ』というような色の付け方で納得いかないモノが多々ありました。それに比べると、WSのグラフィックはモノクロの段階でもある程度の完成度があるし、グラデーションの付け方も突飛では無く結構良い感じだと思います。

操作に関してはGBピクロスと同じなので問題なく遊ぶことが出来ました。GBピクロスではミスをすると制限時間が減ってしまうというのもあって結構シビアだったんですが、本作にはそれがありません。ストレスを感じずに塗りつぶせるのは非常に気持ちが楽です。ただ、逆にミスして塗りつぶしていても気づかず最後の最後で上手く塗りつぶせない〜やり直しというパターンにハマる危険性もあります (背理法を多用する上級以上の問題ではこれが結構重要だったりします)。

WS版の良い所は、ヒントの数字が自動的にチェックされるというところです (オフにすることも出来る)。SFCのピクロスでもヒントにチェックを入れることが出来たのですが、あくまで手動で行わねばならず面倒なのでほとんど使ったことがありませんでした。それに比べ本作では自動的にチェックが入っていくので非常に楽です。ただ、チェックは完全では無い (いくつも同じ数字が並んでる場合、どの場所の数字をチェックしてるかまでは正確に判別出来ない) ので頼りっきりになると問題が生じます。いちいち数を数えながらドットを塗りつぶしていかなくても良い、程度のスタンスで使うのが吉ですね。

あと、やはり画面が大きいということでフィールドの大きい問題が収録されているというのがWS版最大の特長でしょうね。多少ヒントの数字が小さくて見にくいという気もするし、やたら塗りつぶしばかりのかったるい問題が多いのは上手く画面を活かしきっていないという気がしますが、GBピクロスのように15×15の問題を4つ繋げただけなのに30×30の問題だ!と虚言をはいたり、PS版のようにスクロールさせたりしないで済む分かなり遊びやすくなっていると思います。

ちょっと残念な点をひとつ。背理法で良く使う仮チェック機能が付いているのですが、SFCピクロスのように一括で消したり確定 (本塗りにする) したりすることが出来ません。この機能って結構良く使うので、このような仕様になっているのは非常に残念でなりません。ボタンの配置もちょっと?な感じで使い勝手はかなり悪いです。PS版もそうだったのかな?特に難しい処理が必要な訳でもないと思うので逆になんで出来ないの?と思いました。

他の機能に関しては特に問題無いかな?セーブがオートセーブじゃないのは気になるけど (背理法使う時なんかは絶対間違いないっていう状態で1度セーブしてから始めるというやり方をすればやり直す時ラクチンという話はあります)、一応いつでもセーブ出来るようになってるからどんな時でも大丈夫。ROMにゲームの遊び方が搭載されてるのでマニュアルも要らないし、本当に手軽に遊ぶことが出来ます。旅のお供に是非1本という感じですね。是非とも続編を作って欲しいものです (^_^)/。

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線脳ミレニアム・・・Produced by (c) バンダイ (\.3600)

無事に発売1周年を迎えGBには及ばないものの、ある程度の知名度とシェアを獲得するに至ったWS。それを見計らったように発売されたのが本ゲーム。画面構成を見ても分かるようにGUNPEYに非常に良く似ている本ゲーム (コンセプトも似てる)。特に続編を謳っている訳でもないし、両者を比較するのはナンセンスではないかという意見もあるが (全く別の新しいパズルと見るべき)、どうしても比較してしまうのは、あまりにGUNPEYの存在が大きすぎるのと、新たなパズルへの期待が大きいからに他ならない。

ただ、残念ながらパズルとしての完成度は低いと言わざるを得ない出来で、完全に肩透かしを食らったような気分である。システム的には、古くからある水道管ゲーム+落ちモノアクションといえばほぼ間違い無い。上から落ちてくるパネルを回転&移動させ、フィールドの枠から枠へ繋げたり、パネルだけでループを作るとパネルが消えて得点となる。パネルが消えることによりさらにパネルが消えた場合には連鎖ボーナスが入るというのもイマドキのパズルゲームでは良くあるパターンである。ただ、問題のひとつがここにある。連鎖消しの意味合いがイマイチ明確では無いのである。というのも、このゲームのコンセプト自体が如何に多くのパネルを繋げて一気に消せるかを謳っており (事実、説明書でもそちの記述の方がメイン)、連鎖消しはあくまで偶然の産物的な意味合いしか持っていないのである (点数は高いはずなのだが)。例えば、ぷよぷよなどの他の落ちモノの場合、連鎖消しは積み込みが難しいけど大量得点が得られる、同時消しには点数は低いけど初心者にも分かりやすく、パネルが上の方まで積み上がってピンチになった時の急場しのぎをするためにも使える。本ゲームの場合、同時消しで高得点が取れるというのは別に良いのだが、連鎖消しに関しては単に『システムに取り入れてるよ』ってだけで使用目的や意図が全く分からないのである。まぁ、使わなければ良いじゃないかと言われればそれまでだが、どうにもシステムとして洗練されてないという印象を受ける。

それはまぁ良いとしても、実はもっと問題と思う点がある。実は、これがイチバン大きな問題というかパズルゲームとしては欠陥と言いたくなるほどのシステムで、1度パネルを置き間違えた時の救済措置が全く無いのである。このゲームの場合、ラインが繋がらない限りそのパネルが消えることは無い。その為、端っこのパネルが枠に繋がらないような置き方をしてしまうとその時点でそれまで置いてきたパネルが全て無駄になってしまうのである。例えば、GUNPEYなんかでは間違えて消してしまい変な残骸が残ってしまった場合でも、運の要素は強いがパネルを動かすことによって回復できる可能性はある。テトリスにしても変な置き方をして下のラインの穴を塞いでしまっても後のブロックでそのブロックを消せば回復出来る。しかし、このゲームの場合は後からどんなに良いパネルが落ちてきたとしても回復しようが無いのである。で、この無駄なパネルがどうなるかといえばしばらく時間が経つとカウントダウンが始まり勝手に消滅してしまうのである。まぁ自分がミスしたんだから仕方ないとはいえ、何らかの回復手段さえあれば続ける気も起きるが、こういう状況に陥ってしまったら誰でもやる気が無くなるであろう。

さらにもうひとつやる気が無くなるシステムがある。それはレベルアップする毎にフィールドの形が変わってしまうということ。どういうことかというと、レベルがアップした時点でフィールドの枠の形がランダムで変わってしまうのである (Tの字型とか、上半分の狭さになってしまうとか)。たしかに、ゲームとして普通に遊んでる分にはパネルの落下スピードが異常なほど早くならない限りいつまででも遊べるようなゲームではある。しかし、だからといって難易度をあげるためにこのようなことをするのはあまりにも唐突過ぎる。何が許せないかといって、それまでに積み込んできたパネルが全てオシャカになってしまうのが納得いかない。ただでさえ、変なパネルが多く落ちてきて長い積み込みが難しいのに、やっと積み込みが出来たと思ったらフィールドが変わってオシマイ・・・じゃ誰も苦労して積み込みをしようなんて思わなくなって当然。そうなると短いラインを細々と消していくだけの単純作業になり、ゲームの醍醐味 (もちろん、大量消しによる高得点) を味わうことなく遊ばなくなってしまうというのは目に見えている。こういうカタチで難易度を上げるというのはナンセンス以外のナニモノでもないし、システムの甘さをこけおどしでごまかしているという印象が拭えない。もっとパネルの方に工夫 (丸っきりのお邪魔ピースとか、周りのパネルを回転させちゃうパネルとか) を持たせるとかした方が遥かに良かった気がするのは私だけではないはず。

ここまではゲーム全体のことだったが、各モード、特に対戦モードに関しても出来がイマイチ。非常に分かり難いというか、いつ自分が攻撃しているのか、どうすれば攻撃したことになるのか、必殺アタックの効果が見にくいなど、色々と不条理を感じることが多い (ほとんど何もしていないうちに勝ちになっていたりとか)。GUNPEYの場合、明らかにこちらが優勢とかミスしてヤバイとかが分かったのだが、このゲームの場合それが全く分からない (楽勝ペースだと思ってたら勝手に積み上がっちゃってオシマイとか)。まぁ、対戦で遊ぶことはほとんど無いから良いと言えば良いが (笑)。

それとは対照的に、規定のパネルを使って問題をクリアしていくモード (線脳道) は非常に良く出来ている。というか、無理にアクションパズルにしないでこのモードだけで売っても良かったんじゃないか、と思うくらいである。アクションパズルが主流で、1度解いたらオシマイの倉庫番型パズルよりも長く楽しめるというのはたしかだが、それはあくまでシステムがしっかりと確立されていればこそ。このゲームのように、アクションともパズルともつかない中途半端なシステムでは何回も遊ぼうという気にはなれない (どころか遊ぶ気も起きない)。

どうにも消化不良というかやっていて爽快感とか達成感の無い、緊張感も無くただダラダラと続く作業という感じがするゲームである。評価を3としているが、これは全て上で述べたパズルモード (線脳道) が遊べたからに他ならない。もしこのモードが無ければ 2すらも甘いという感じである。産みの難しさ (特にGUNPEYという良作がある訳だし) というのも分かるが、もう少しシステムの構築に時間をかけて調整を行なっていれば、あるいはもっと良くなっていたかもしれない。そう考えると非常に残念であり、そうまでしてリリースしなければならないWSの事情を考えると非常に頭がイタイ今日この頃である。

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FINAL LAP 2000・・・Produced by (c) バンダイ (\.3800)

かなり年季の入ったゲーマーだとタイトルを見て懐かしさを感じると思いますが、現在のWSの主要購買層にとってはおそらく聞いたことはある、程度の認識しかないような気がするのですがいかがなもんでしょう?・・・ってくらい歴史の古いゲームです (オリジナルがアーケードで稼動したのが87年だから今から10年以上も前のこと)。

なぜ今この時代にこのタイトルが出てくるのか?という疑問はありますが、ポリゴンが使えないWSにあってレースゲーム、しかもある程度の知名度のあるゲームということになればある意味当然のことなのかもしれません。まぁ、それが吉と出るか凶と出るかはネームバリューに対する移植度の高さが大きく関わってくる訳ですが、このゲームの場合は良くも悪しくもアーケードの雰囲気が出ています。

何といっても少しハンドルを切っただけでも真横を向いてしまうような挙動を見せるマシン (オプションの設定である程度は変更可)、まるでスケートリンク上を走ってるかのような路面の感覚 (ホント、グリップという概念があるのか?という感じ)、L&Hしか無いギア (昔はコレが標準仕様だったんだけど)、コース自体は変化するが風景は変わらないし (モナコを選んでもサーキットコース (^_^;))、アップダウンもあまり無い (アーケードはもっと起伏に富んでたような気もするけど・・・違うゲームだったかな?) など。あと、WSでは最大2人までになってしまっているけど通信対戦が可能な点とかレースにおいて先頭車よりも後続車の方が性能が少し良くなるなどの設定もそのままです (COM相手だとアタマにくるけど通信対戦してる時はこの仕様が結構アツイ)。いまどきのポリゴンバリバリで実車シミュレータ的なゲームが多い中、単純に速いか遅いかだけのバトルを行なうレースゲームというのは逆に新鮮というかWSのようなハンディマシンにはちょうど良いのかな?という気がします。あのボタンで難しい操作するのもなんですしね。

アーケードオリジナルモードの他に、世界各国のコースを転戦していくワールドGPモード、好きなコースを選んで腕に磨きをかけるタイムトライアルモード、そしてコースのパーツをフィールド上に配置して自分の好きなコースが作成できるエディットモードが付いています。このエディットモードがナカナカ面白く、超短距離オーバルコースとかタイトなコーナー連続のジグザグコースとかを作れるのがナイスです。ただ、GPモードで勝たないと新たなパーツが選べないのが難点。GPコースで勝ち抜くのは結構ツラく (入賞しても1位になれなきゃゲームオーバー)、なかなか新しいパーツをゲット出来ないのです。ま、これは私が下手なだけかもしれないので一概に短所だということは出来ませんが・・・。

あと、最初から選べるコースはエディットを除くと15コース。鈴鹿が入っていないけど、おそらくセレクト画面で???になってるのがそれでしょう。これもGPモードで優勝しないと遊べないような気がしますが、鈴鹿くらいは最初から遊べる様にして欲しかったですねぇ (ま、GPモードを遊んでいけば否が応にも遊ぶことになると思うけど)。普通は16コース全部で優勝したらシークレットコースとかシークレットマシンが現れるってのが普通じゃないのかなぁ (ナムコサーキットとかパックマンマシンとか出てきたら非常に面白かったと思うんですけどねぇ)?

最後に細かいことを書いておくと、コースの路面の色が黒単色ではなく色が変わっているのは芸が細かいですね。四角いパターン毎に色が変わってるだけなので止まっている時にはツギハギだらけに見えますが、走っている時には良い感じで路面の汚れが表現されてると思います (これで色によってグリップが違ったりすると凄かったんだけど)。コース上の看板も結構面白いです。スワンのマークはもちろん、WSで発売されているナムコブランドのゲーム (鉄拳カードチャレンジ、風のクロノアなど) の看板もあります。これらを見るためにわざとゆっくり走ってみるのも一興でしょう (^_^;)。

一興といえば、コースエディットや対戦受付中に出てくる永井流奈ちゃん。なんか若い頃の安室奈美恵みたいなカンジのこの娘のカードが封入されてます (初回販売分のみ)。まぁ、彼女の写真はともかく (結構凄い衣装だけど (^_^;))、ゲーム攻略のワンポイントが載ってるのがポイント。私のカードには車体が傾いてる時に追突されるとスピンする、コーナーではこれを逆手にとってライバル車を蹴落とせみたいなことが書いてました。結構実践で使えるテクニックだったりして重宝してます (この手のヒントって役に立たないことが多いんですけどねぇ (^_^;))。

最初に書いたように良くも悪しくも昔ながらのレースゲームという感じです。WSで初のレースゲーム (デコトラ伝説は除く (^_^;)) でもあり、贅沢を言わなければ (WSにリアルさを求める人は少ないでしょうけど) 遊べるゲームだと思います。ただ、携帯機ということもありますが爽快感はあまりありません。ラジコンで遊んでるという印象がピッタリですね。願わくばラップ数が設定出来たり、途中でレースを中断出来るような仕様にして欲しかったです。ま、ここら辺は続編というか新作に期待したいところです (まさか、次回作も FINAL LAP ってことはないですよねぇ!?)。

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