麻雀大会

ディーエスの同時発売ソフトの中では唯一大人向けのソフト。ディーエスのターゲットって結構上の年齢を設定してると思ったので、オセロとか将棋とかもっと出ると思ってたんですがチョット意外。もっとも「スタイラスによる操作は年齢関係なく誰でも初心者としてスタートに立てる」みたいなことを任天堂が言ってたので大人用ゲームとかいうことにはあまりこだわってないのかもしれませんね。

さて、この麻雀大会というソフト、私の記憶が正しければ元々はパソコン用ソフトとして登場したモノで、今から十数年前から続く由緒正しいシリーズ(現在もPS2などでリリースされている)だったはず。ちなみに私はファミコン版で遊んだのが初めてで、今でも実家の押入れにはファミコンとこのソフトが眠っているはず。

光栄(現在はコーエーですが)という会社が持つイメージとして非常に真面目というか固っ苦しいカンジがするのですが(まぁ、昔ストロベリーポルノシリーズとかロリータソフト出してたのは黒歴史ということで (笑))、この麻雀大会シリーズもそんなコーエーのイメージ通り余計な飾りなどは一切入れず、イカサマ無しの堅実な思考ルーチンを組み込んだ対戦相手と純粋に麻雀を楽しむ、そんなカンジの麻雀ソフトになっています。

遊べるモードも必要最小限で、リーグ戦、サバイバル戦、フリー対戦の3つしかありません。メインになるであろうリーグ戦モードは、ルールが異なる全5ステージ(1ステージは半荘5回勝負)を戦い抜き、最終的な順位を決定するモードです。このリーグ戦の成績は個人成績としてデータが残るのですが、半荘1回終了毎にデータを保存するかどうか聞いてきます。ここでデータを保存しなければやり直しが出来てしまうのでちょっと緊張感に欠けるところがあります。もっとも、私のようなタコ雀師の場合、やり直しが出来なければいつまで経っても先に進めませんけどね (苦笑)

サバイバル戦モードは、東風のみの半荘1回ごとに最下位の人間が脱落し新たに1人補充して対局を再開。これを繰り返して最終局で1位になった人が優勝というモード(相手は16人)。とにかく勝負が付くまで非常に短いので振込みは即命取りになるのはいうまでも無く、リーチかけた後に親がツモ上がりしちゃった場合なんかはリー棒の点数分他の人よりも点数が低くなるので接戦の場合には注意が必要。もっとも、リーチ後はどんな危険牌でも捨てなきゃならないというリスクがある以上、短期決戦の場でそうそうリーチかける人はいないと思いますけどね。とにかく安い手であろうが何であろうが早く上がることが至上命題。実際の麻雀でも終盤トップ目で早く終局させたい場合もあるでしょう(私はトップ目になることはほとんど無いですが (苦笑))。本モードはそんな時のための練習になるでしょう。

フリー対戦は、文字通り好きな対戦相手を選んで半荘遊ぶモードで、このモードでの勝敗はデータとして何も残りません。個人的には、フリー対戦で気軽に遊ぶこともあるだろうし、やはり個人の打ち癖等を把握するためにデータがあると便利なので、フリー対戦の結果もデータに反映して欲しかったところ。ちなみに、リーグ戦モード以外ではルールを設定することが出来るのですが、メジャーなモノからほとんど聞かないようなモノまで色々と用意されており、自分の得意なルールで戦うことが出来ます。もっとも、そんなルールを用意しているってことはCPUもそれなりの対処ルーチンを持っているということでもあるんですが (苦笑)。なお、これらのルールも含めて麻雀用語や打ち方の基礎などを記したチュートリアルが用意されています(メニューから選んで見るようになっているモードなので対局中に見ることが出来ません。対局前にしっかりと確認しておきましょう)

ここまで述べてきたようにゲームとしては手堅いつくりの麻雀ゲームだと思います。では、ディーエスのソフトとしてはどうなのか?まず、ディーエスといえばまずはスタイラスによる操作が挙げられますが、本ソフトもスタイラスによる操作をサポートしています。画面上にメニューボタンが常に表示されてそれを押すとスクロールバーが伸びて色々なメニューが選べたり、ポン、カン、チー、ツモ、ロンなどが出来る時はその項目のボタンが表示され一発タップで選べるのは便利だと思いました。で、肝心の牌なんですがタップするには若干小さいかな、と。まぁ押し間違うほどではないし、押した瞬間に牌が切られる訳ではない(押して離した後に切られるので間違えて押してしまった場合には下方向などにスライドさせればキャンセルされる)ので致命的な問題ではないのですが、せっかく下の画面全部に自分の卓の情報を表示出来るのだから実際の麻雀の牌の並べ方にこだわらず、もう少しひとつひとつの牌の表示を大きくして見やすく、かつ選びやすくして欲しかったと思います(欲を言えばスタイラスではなく爪先で選べるくらい)
操作に関して言えば元々麻雀ゲームの場合、カーソルを移動する方向も範囲も限定されているので(横方向に14牌分動かせれば良い)小さなスタイラスでチマチマプレイするよりも十字キーでカーソルを動かしてAボタンで決定、という従来のスタイルでプレイした方が遊びやすいという人がいるかもしれませんね(スタイラス片手に本体をもう片方の手で持つのはツライし)

次に画面の表示なんですがタッチパネルの下画面は自分の牌と捨て牌、上画面に対戦相手3人分の捨て牌が実際の卓上のように並べて表示されます。実はこれがチョット厄介。なまじ実際の麻雀と同じような牌の表示(鳴いた牌を誰から鳴いたか分かるように右隅に表示していったり)にしようとするものだから余分なスペースが必要になり一つの牌が非常に小さく見にくくなっています。また、従来の麻雀ゲームだと一画面に全て収まっていたので相手の捨て牌を目で反時計回り追っていき最後に自分の牌が見れるという流れだったと思うのですが、本ソフトの場合、上で相手の捨て牌を見た後に下の画面で自分のツモを見て捨て牌を切って確認した後、また上の画面に移って・・・という作業を繰り返すため視点の移動が大きく流れが止まりがちです。相手の捨て牌を見ている最中に鳴ける牌が出てきた時もメニューは下画面に出るので鳴くにしろ流すにしろ一度下の画面に移らなければならなくなり結構頻繁に上下の画面を行き来することがあります。下画面に全ての情報を表示する訳にもいかないし画面の使い方自体は間違っていないと思うのですが、もう少し見やすいというか遊びやすい画面作りをして欲しかったと思います。

またゲームの内容に話が戻りますが、最近の麻雀ゲームでは対戦相手の個性を出すために喋ったり、メッセージを表示したりといったシステムがほぼ当たり前のようになっています。私自身もそれは悪くないと思うし、麻雀大会シリーズも昔からそういうモノだったのですが(ちなみにファミコン版は対戦相手が坂本竜馬、信長、ナポレオン、クレオパトラなどの歴史上の人物で、それぞれ名言を放ったりしていた)、どうも本作ではメッセージ表示機能をオンにしているとテンポが悪いというかひっかかるカンジがします。あからさまな長考がある訳でもないし、十分早いとは思うのですが、なんかこうワンテンポずれるカンジ。メッセージ機能はオフにしておいた方が良いかもしれません(あくまでも個人的な意見)

あと遊んでいて気に入ったのが危険牌チェック機能。その名の通り、相手の捨て牌から当たり牌を予想する機能で、中盤以降のリーチ時などに役に立ちます。といってもあくまで予想するだけなので外れることもありますし、自分の手牌が全部危険牌と表示されることもあります(実際には違うんですけど (苦笑))。本当に危険な牌、ワンチャンスの牌などいくつかのレベルに分けて表示されるので読みの勉強には良いかもしれません。というか、これに頼ってるだけだといつまで経っても麻雀上手くならないと思うので(って私のことですが)、まずは自分でヤバそうな牌を見極めて参考程度にこの機能を使うと良いでしょう。

最後に機能的な話を少し。本ソフトでは対局中のセーブをすることが出来ません(リーグ戦モードなどでは半荘終了後にセーブできます)。しかしながらディーエスにはスリープ機能が付いているので、やめたい時に蓋を閉じればその状態が保持されます。これは結構便利。麻雀の場合、短期決戦といっても結構時間がかかるし、普通は半荘10分以上かかるのが当たり前ですからね。そういうゲームの場合、いつでも好きな時に手軽に中断できるのはありがたいことだと思います。また、DSダウンロードプレイに対応しているのも本ソフトの強みの一つ。BGMが無かったり、自分のキャラクタデータが使えないなどの制限もありますが、ソフト1本だけで4人で対局出来る(しかも無線通信だからわずらわしいケーブルも不要で遊び場所を問わない)のは非常に手軽で遊びやすいです。おそらく今後リリースされる麻雀ソフトは同じ仕様になるでしょうね。

麻雀としては非常にオーソドックスなシステムで可もなく不可もなくといった出来ですが、ディーエス用ソフトとしてみた場合ちょっと作りこみが甘いかなというカンジがします。他に比較する麻雀ソフトがまだ無い状態なので今すぐ麻雀で遊びたいという人には選択の余地はありませんが、これが決定版!というソフトでないのはたしかです。今後、任天堂、D3パブリッシャー、MTOから麻雀ソフトがリリースされる予定になっていますが、それらと比較してから買った方が良いかも(それまではGBA用の麻雀ソフトで我慢する、と (苦笑))

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