SK8 -Tony Hawks PRO SKATER2-

日本ではハッキリ言ってマイナーな存在のゲームですが、本国アメリカでは新作が出る度にバカ売れし、PS2では3まで出ているというスケボーのゲームです。トニー・ホークっていうのは、その道では知らない人はいないというほどの名スケーターで、彼が生み出した数々のトリック (スケボーで行う技のことね) は後のスケーターに多大な影響を与え、今なお生ける伝説として多くのトリックで人々を魅了しています。あ、説明が後になったけどSK8ってスケート (SKATE) のことね (ス、ケー、エイトでスケート)。

PS版を知ってる人は『GBAであんな表現は無理だろう』と思うことでしょう。はい、私も無理だと思います (笑)。サターン並みの性能と言われててもやはりフルポリゴンの3D映像はちょっと無謀です。で、このGBA版では斜め上空から見下ろしたカンジのクォータービューを採用しています。プレイヤーが操作するスケーターは常に画面中央に位置し背景がスクロールします。これだとキャラが小さくて済むし、画面全体が見渡せるというメリットも生まれます。キャラが小さければポリゴンも少なくて済むので処理もそれほど重くなくなる為、とにかく滑らかに動きます。この動きはホントに感動モノです。

さて、先ず最初に言っておきますが、私はこの手のアクションゲームが嫌いじゃないけど苦手です (ぉぃ)。特にこのゲームの様にクオータービューの3D表現では空間を感じ取ることがナカナカ出来ず単純に移動するのもままならないという状態だったりします。じゃ、何で買ったんだ?といわれると、とにかくその映像が全てといっても過言じゃないです。雑誌の静止画じゃイマイチだと思いますが、実際にポリゴンが動いている映像を見たら、GBAでここまでやるか?!という驚くこと間違いナシです。もちろん、PS以降の据え置き型ハードの映像に慣れてるような人は『こんなチマチマしてるのが動いてるのを見てもねぇ』と言うと思います。しかし、GBAというCPU性能はともかく映像表現においていささか見劣りのするハードで、職人芸とも言えるほどの作り込みをしてる開発者の気概には脱帽せざるを得ません。いや、マジでこれ実機で見たら驚きますよ。

しかも、見た目はもちろんそのキャラを自分で好き勝手に動かせるというんだから凄い。デフォルトで13人用意されているスケーター (ゲームをクリアするか、裏技を使えばさらに2人の隠しキャラを選ぶことが出来るようになる) は、残念ながらプレイ画面では色違い程度しか区別はありませんが、細かに設定された能力値の違いにより同じトリックでも得手不得手があります。しかし、ゲームを進めて賞金を稼ぎパラメータを上げたり、道具をチューニングすることでドンドン能力も上がりそれに従い、トリックのバリエーションも広がります (トリック自体も金で買えるというのはご愛敬 (笑))。実際に攻略するとなると難しいのですが、まずは適当に動かすだけでも楽しいです。基本となるのはBボタンのオーリー (ジャンプのことね) とAボタンのクーリー (物を掴むとか、接するとかそんなカンジ)。移動は十字キーの左右で旋回、下でブレーキ。あとは、フィールドに置かれたギミックの側でボタンを組み合わせて押せばトリックの完成とあいなる訳です。とにかく、適当に押していても何らかのトリックやグラインド、オーリーが出るので見てるだけで楽しいです。ただ、攻略するとなると高度なトリックを連続で出さなければならず、そこにやり込みの要素が発生します。狙ったタイミングで高度なトリックが出せるようになった時に達成感は、まるで自分がボードに乗れるようになったかのような錯覚を起こします (それ、ちょっと言い過ぎ (笑))。逆に意図しないトリックが出ることも多いですが、それはそれで意外性があって面白いです (ハイスコア狙ってる時はキレるけどね)。そうそう、特定のトリックを決めた時にはキャラがズームアップされます。この演出もヤッタネ!ってカンジでナカナカ良いです。

さて、本ゲームに用意されているモードは3つ。まず、メインとなるのがステージ毎に設定されている条件をクリアして賞金を稼ぎながら全ステージ制覇を目指すキャリアモード。このモードには6+αのステージがあり、賞金を稼いだり、コンテストでメダルを獲得することで遊べるステージが増えていきます。なお、このモードで遊べるようになったステージ以外は他の2つのモードで遊べないので注意が必要です (これが、本モードがメインという所以でもある)。各ステージは、ボード用のリンクもあれば学校のキャンパス内、ビルの屋上など様々なシチュエーションが用意されています。さらに各ステージに用意されているギミックもスケート用のハーフパイプといういかにもなモノもあれば、ヘリとか自動車とかオイオイというようなモノまで様々。手すりも普通に階段に付いてるモノから遥か上の壁に付いてて、誰が使うんだそんなモノというようなモノもあってとにかくその豊富さに圧倒されます。しかも、それらのギミックが全てトリックをするのに使えるというのだから驚きです (良くこんな細かいギミックまで作ったなぁというようなモノとかね)。さらには高得点を出す為のシークレットコンボ (例えば、3つの花壇が並んでいる所で、次々に花壇に飛び移ってグラインドを決めるとコンボになる) などもあり、それらを探し出すのもゲームの楽しみとなっています。実に奥の深いゲームですなぁ。
クリアする条件にも当然それらのギミックに関するものが多いです (ハーフパイプを飛び越えろとか、ノーズグラインドでパイプを渡れとかね)。他にも、ステージ中にあるドラム缶を全部倒せとか (これは結構簡単)、壁の警報機を全部壊せとか (ウォールライドは結構難しい) の他に、他のゲームで言う所のEXTRAにあたるSKATEの5文字のアイテムを取れなんてのもあります (これが、空中に浮いてたり見つけにくい所にあって大変なんだ)。最初はね、まともに方向転換するだけでも大変でノルマのクリアどころじゃないっていうカンジなんですよ、実際。それが遊んでいるうちに段々と操作が分かってきて、出来なかったノルマがクリア出来た時の達成感は非常に大きいです。一つクリア出来たらあとはギミックの使い方の応用というカンジでドンドンクリア出来るようになり上達が目に見えて分かるのが楽しいですね。ただ、このモードの難点はクリア条件を示すリストが全て英語で書かれていること。まぁ、何点以上取れとか、SKATEを集めろとかなら分かりますけど、たまに?というような単語が出てきて戸惑います。ま、やってるうちに何とかなりますけどね (ぉぃぉぃ)。それよりも、リストの文字が以上に小さくて見辛いことの方が問題かもしれません。

2つ目はシングルコンテストモード。これは、2分間の制限時間以内に如何に高い得点を出すかを競うモード。特にノルマは無くアイテムの類も出てこないので、純粋にトリックの技術のみの勝負となります。ちなみに、同じトリックを連続でやっていると獲得出来る点数は減っていきます。色んなトリックを連続でキメるとコンボボーナスが入り高得点が得られる様になっています。このコンボはエアをキメてる時 (滞空時間が長い) は簡単なんですが、地上に降りるとコンボカウントが消えます。このコンボカウントを消さない為にマニュアルという操作 (十字キーの上、下を素早く押す) があるのですが、これがちょっとタイミングが難しいです (障害物にぶつかってもコンボカウントが消えてしまうので注意が必要)。
ちょっと話が前後しますが、上の方でトリックを金で買うと書きましたが、これはスペシャルトリックと呼ばれるモノです。これがどういうものかというと、まずコンボを決めるなり普通に技を決めるなりしてスコアを稼いでいくと画面左上に表示されているメーターが増えていきます (コンボを決めると増え方が多い)。このメーターは技を失敗したり、転倒したりすると消えてしまうので注意が必要です。で、メーターの色が黄色に変わったらスペシャルトリックタイム!各キャラが持っているスペシャルトリックが使えるようになり高得点をゲットするチャンスです。このスペシャルトリックは各キャラごとに異なります。また、お店で購入することにより6つまで持つことが出来ます。そして、それらのトリックはコマンドを入力して出すのですが、より自分が出しやすい操作に変更することも可能です。このスペシャルトリックが決まると、画面がズームされキャラが大写しになります。これがまた気分良いんだなぁ。ただし、あまりスペシャルトリックばかり連発してるとメーターが減るので他のトリックと混ぜ合わせてここぞという時に出すのが良いみたいです (やっぱ、必殺技は連発しちゃダメでしょ (笑))。大味でいて、結構細かいところまで練られているカンジですね。

で、こういったトリックやコンボなどを練習するのに最適なのが3つ目のフリースタイルモードです。フリースタイルモードは文字通り、何やってもOKなモード。トリックやコンボの練習はもちろん、ステージの何処に何が置かれているのを確認するのも良いかもしれません。ただ、各所に置かれてある特殊ギミック (SKATEとか) はフリースタイルモードでは出てこないので注意が必要。あくまでステージ全体を把握する為のモードと考えた方が良さそうです。各ステージ (ちなみに、先程書いたようにキャリアモードで遊べるようになったステージしか遊べません) にはシークレットエリアなるモノが存在し、これを見つけることもキャリアモードのノルマの一つになっているので、このフリースタイルモードでゆっくり探してキャリアモードで一発クリアを目指すというのが賢いやり方といえるでしょう (もちろんいきなり本番に挑戦してもOKですけどね)。

この他に基本的な操作をレクチャーしてくれるチュートリアルモードもあります。といっても、ホントに基本中の基本の操作だけ。一応、これをマスターすればゲームは開始出来るけど、ハイスコアは難しいかな?個人的には、トリックのコンボを練習出来るチュートリアルが欲しかったところです (マニュアルの入力タイミングとかやっぱりちょっと難しい)。

各キャラのステータスを弄れるのは先にも書きましたが、獲得した賞金で増やせるパラメータの量が制限され、さらにパラメータの項目が多いのでどのパラメータを上げるべきか結構迷います。パラメータの内容については説明書に書いてあるのですが、似た様なパラメータの場合どっちを上げたら良いのか分からずに困ってしまいます。特に、パラメータによってステージ中のギミックをどうしても越せないという場合もあるので (ジャンプ力が足りないと空中のアイテムが取れないとか)、このキャラはどのパラメータを上げたら良いよ、みたいなアドバイスがあったら良かったと思います。また、1度増やしたパラメータは減らせないというのもちょっと残念。まぁ、普通に考えれば当たり前なのかもしれないけど、1度増やしたパラメータを減らして別のパラメータに回したいって思うことがしばしばあったものですから・・・。あと、各キャラが持っているスペシャルトリックはお店の画面でしか確認出来ないのがちょっと不便かな?やっぱ、実際に滑ってる最中にどんなコマンドだったっけ?と思うことはある訳で (特に購入したてのトリックの場合)、そんな時にポーズを押してコマンドの確認が出来たら便利なんだけどなぁ、と思いました。

スケートボードは、デザインが違うのはもちろん、重さやバランスなども違います。裏を返せばウィールのタイトさまで調整出来ます (タイトだと直進しやすく、ルーズだと曲がりやすい)。ただ、あまり頻繁に変えていないというか、まぁ買えれば変わるのかなぁ?程度の認識で遊んでます (ぉぃ)。というか、これもどれを選んだら良いのか結構迷うんですよねぇ。多分、キャラの能力によって使うボードって変わってくると思うし。ま、この辺はこれから遊び込んでいくうちに少しずつ勉強していきたいと思います。

そうそう、本ソフトではBGMも聴き逃せないところ。ノリの良い曲が数種類あり、ランダムで流れます。PSではCDで生音が流せるのでバンドのサウンドをそのまま使っていたようですが、GBAでそれやると容量が足りなくなるので、かなりアレンジしてます。それでも、個々のサウンドは非常に出来が良いし、メロディ自体もノレる曲が多いのでノリノリ (死語) でプレイを楽しめます。このゲームをプレイする時はヘッドフォン装着をオススメします。

本ソフトでちょっと残念な所は、メニューとかがイマイチ判然としていないこと。セーブがオプションの中に入っていたり、コンティニューとロードの区別が良く分からなかったり (コンティニューはレジュームみたいなもんだと思うんだけど、セーブしないで他のキャラで遊んでコンティニュー選んじゃうと前のキャラのデータが消えてたりして???と思うことがあった・・・単にファイルが壊れただけ?)。セーブに関して言うと、リプレイ機能が直前の滑りにしか対応していないのも残念。やっぱりド派手なトリックが決まった時の映像とかって残しておきたいじゃないですか (2度と出来ないかもしれないんだし (笑))。自分の滑りを研究する時にも使えますしね。セーブファイルが一つしかないみたいだから無理なのかもしれないけど、もし続編を作ることがあったら、トリックの映像をクリップしておけるようにして欲しいものです。

あと、やっぱ全体的に文字が小さくて見にくいというのも残念なところ。連続でトリックを決めると画面の下の方に表示されるんだけど、何が表示されてるか確認出来ないうちに消えちゃうこともしばしば。ま、画面の真ん中にデカデカと表示されたらそれはそれで興をそがれちゃいますけどね (笑)

気になったのはコレくらいかなぁ?元々、大味な洋ゲーなので細々としたことを考えるよりもとにかくノリで楽しめ!っていう所があるし、実際プレイしてて楽しいので細かい所に目がいかないのかも (ぉぃぉぃ)

最後になりましたが、本ソフトは多分あまり売れないと思います、日本では。スケボーの人気自体もアメリカに比べるとホントに微々たるもんですし、楽しみ方が分からないという人がほとんどでしょうから (もちろん、私もその1人)。キャラの中には日本人が3人もいますが、このゲームで遊ぶまで全然知りませんでしたからね (苦笑)。しかしながら単純にアクションゲームとしてみても非常に良い出来なので買って損は無いと思います。SLGやRPGで疲れた時の気分転換にプレイするのも良いかと (つーか、疲れたんならゲームしないで休めよ (笑))。

おまちかね (笑) の隠しキャラ

スパイダーマン
プレイ中にスタートボタンでポーズをかけて、Rを押しながら上、上、下、下、左、右、左、右、B、A、スタートを押してメニューが揺れたら成功。キャラ選択画面にスパイダーマンが出現する。

ミンディ
プレイ中にスタートボタンでポーズをかけて、Rを押しながらA、左、左、上、右、B、A、スタートを押してメニューが揺れたら成功。キャラ選択画面にミンディが出現する。

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