解散したロックバンドぢゃないよ (ぉぃ)

X (エックス)

Produced by (c) 任天堂
1992.05.29 発売 (\.3900)

任天堂という会社は、シューティングをあまり作らない、というかそのほとんどがアクションゲームだったりする訳ですが、たまに違うジャンルのゲームを作ったりするとトンでもないモノを作る会社だったりします。SFCやN64でリリースされたスターフォックスなんか、正にソレだったりするんですが、GBでリリースされた本作も負けず劣らず凄いゲームだったりします (ただ、任天堂公式サイトでは、このゲームはアクションゲームという扱いになってたりするんですが (笑))


敵のようなツラ構えですが (笑)、アドバイスをくれる心強い味方です

まぁ、何がスゴイかってGBで3Dシューティングを作ろうと思うこと自体がスゴイというか無謀というか、もうこのコンセプト自体で降参状態です (笑)。ポリゴン表示に比べて計算量が少なくて済むとはいえ、非力な8ビット機にやらせるにはやはり荷が重いというもの。しかしながら何処をどう弄くったのか知らないけれども、これがGBにしては非常に良い動きをしているのだから驚きです。たしかに、現在改めて見直してみるとカクカクしてるなぁって気はしますけど、当時はGBでもこんなことが出来るのか!って驚いたものです (いや、お世辞抜きで)。


敵を倒し、ミッションを遂行せよ!

ゲームは、自機 VIXIV を操作して各ミッションをクリアしていくというもの。この VIXIV、地上を走るだけでなく空まで飛んじゃったりする優れモノ。ただし、甘い話には罠がある?のたとえ通り、多機能なぶん操作が結構難しい。いや、操作自体は十字キーだけなので問題無いのですが、スターラスター並にコクピットから得る情報が多いので、それらを的確に判断して操作するのが難しいということです。ワイヤーフレーム自体の短所として前後の空間の感覚が掴みにくいというのがあるのですが、正にソレを地でいってるようなカンジなので、判断が遅れるとすぐに障害物にぶつかってダメージを喰らったり、燃料切れを起こしたりします (いや、私がヌル過ぎるだけだと思うんですけど (苦笑))。あと、動作がワンテンポ遅れるカンジなのでボタンを連打したり押しっぱなしにしたりしがちなんですが、そうするとオーバーアクションでミスしたりと、かなり散々な結果になります。


補給基地で回復!

それを見越してか、このゲームでは先ず最初に徹底的にレクチャーを叩き込まれます。上の変なカオのオヤジの指示通りに動かさないと先に進めないようになっています。ここで基本的な移動&攻撃、特殊装備による攻撃、補給の仕方、レーダーの見方などを学習し、いざ実戦という具合になる訳です (マニュアル要らずのソフトですな (笑))。レクチャーは成功するまで何回もやり直し出来るので、完璧に操作できる様になるまで何回も繰り返し練習するのがベターでしょう。何しろ、実戦のミッションはかなり難しく、ちょっとやったくらいではナカナカクリア出来ないシロモノですから。それだけにクリア出来た時の達成感はひとしおです。惜しむらくは、シューティングにつきもののスピード感と爽快感が欠落していること。GBの性能の限界だとは分かっているんですが、やっぱ製品として発売されたからには期待してしまいますよね。ただ、何の改造も無しにGBでここまで出来るんだって考えるとナカナカ感慨深いものがあります。ワイヤーフレームの世界の中で自機を自由に操作できる様になると、動かしてるだけで楽しい気分になってきますしね (無論、スピード感が伴えばなおベターですけど)。


世は既にGBAに移行しつつあるので、ポリゴンを使ったシューティングとかもいずれ出てくると思われますが、個人的にはこのゲームの続編を作って欲しいものです。きっと、VBのレッドアラート (コレも無駄に技術力を注ぎ込んだ大傑作、後にも先にも真の3Dシューティングはコレ以外に無い) に負けないくらいの傑作が出来るんじゃないかと、期待してます。そう、やっぱこれからの時代はポリゴンじゃなくてワイヤーフレームさ (笑)

お買い得度:★★★★☆(4)
シューティングに爽快感を求める人には不向き
ただ、GBのソフト史に残る作品であるのはたしか