第13回神奈川GE1.0/1.5TUMT内容報告-超拡大版-
7/15.03update

皆さん、大変ご無沙汰しています。第13回神奈川GE1.0/1.5TUMTの報告をしたいと思います。日時は6.28(土)、場所は川崎幸病院のいつもの研修室でした。人数は29名でGEの方を含めると約40名の参加となりました。参加ありがとうございます。今回から内容をわかりやすくするため、TOPIX, 基礎コーナ, ADVANCEDコーナ, フィルムカンファの4つの内容に分けました。ユーザは参加したい時間に参加できることが可能となります。今回は超過密スケジュールであり、内容も盛りだくさんであったため駆け足で会を進めましたが終わりの時間が6時30分と.....3時間30分、おつき合いただいてありがとうございます。でも皆さん多分、今日参加してよかったなと思っていただけるような素晴らしい会になったと思います。

最初のご挨拶はGEMR営業部の森さんです。この会が長くつづくようにとのことでした。ありがとうございます。また13回まで続いた手作りのUMTは過去に例がないようです。

ここで 森さんと私はそうですね。もう10年来のおつき合いでして、Signa Advantage ver5.3からお世話になっています。マニアにはたまらないverですよね。いつも私の無理なお願いを聞いてくれます。とても良い方です。また大変親しみやすい方なので、気軽に話しかけることができます。森さん、お互いに年とりましたよね。

UMTの基本的な内容 

初心者の方でも参加しやすいように画像をふんだんに使用し、解りやすい内容となっています。通常の勉強会と相違してベクトルはあまりでてこないように配慮しています。

全員参加を目的としています。特にフィルムカンファは各施設の特色、考え方が鮮明となり、毎回楽しい内容となっています。

MLを併用した会の再運用を考えています。なるべく会に集中してもらうように、後日撮像条件やPPTの書類を各ユーザに公開します。

ここにあるように笑える会にしたいと思います。こういう会があってもよいというような斬新な考えでやっています。

Topix

東北に、以前紹介した営業技術の斉藤さんが発起人となってsigna のMLができました。私も参加させていただいています。いつもROMだけですが内容がとても濃いので紹介させていただきました。画像などもMLで流れて、大変参考となります。今回は私が内容の一部を紹介させていただきました。指の画像が大変綺麗でした。公開できないのが残念です。

Topix 多摩地区にライバル出現(笑)ということで上記が開催されたようです。営業技術の鈴木靖彦さんに御紹介していただきました。同じユーザとして別地区での立ち上げは大変刺激になりますね。いつか合同開催できるといいなー。全国のGEユーザの方も是非会を作成して、モチベーションあげてください。お便りお待ちしてます。

営業技術 鈴木さん この方は大変真面目な方で、いつも当会のビデオ撮影をしてくれます。前回私事で参加できませんでしたが、ビデオで内容などは把握することができました。いつもありがとうございます。

Topix Signaシュミレーションソフトの紹介をしていただきましたのは横浜労災病院の泉対さんです。本会の参加された方は無料配布といういうことでUMTの特典となりました。

これはすごいんです。すべての撮像条件表を登録しておくことが可能です。SNRや撮影時間も表示可能です。勿論パラメータ変更のときもそれらをシュミレーションできます。皆から驚きの声があがりました。

このシュミレーションソフトではdata exportできるように今お願いしていて評価版をいただいたところです。

例えば今まで紙で撮影条件表を配っていました。ユーザはそれをUMTの時に用意しなければなりません。それを用意するだけでも煩雑ですよね。

UMT終了後、MLに投稿もしくはeグループのWEBにアップロードするだけで簡単になるわけです。必要なユーザが必要なものだけ取りに行けば、大変有効ですよね。是非これを今後の会の運用に役立てたいと考えています。今回参加できなかった施設でも、次回参加の時は、泉対さんに頼まれたらいかがでしょうか?これよいですよ。

GEYMSアプリ中村さん

心電図同期の貼り方と2D GATED TOFということで、最近の知見をGEYMSアプリケーション中村弘美さんにレクチャーしていただきました。

この方法ですが実際に横浜栄共済で施行していただきましたが、抜群の効果を発揮しました。皆さんも是非励行していただき。フィードバックを中村さんにしてあげて下さい。

実際に今まで心電図同期の検査で、心電図がうまくとれなくて中止になった検査はほとんどありません。16年来のSignaユーザですが最近のはずいぶんよくなったなーというのが実感です。そして今回のこの貼り方、きちんとした根拠にもとづいていますので期待がもてます。

フィリップスのVECTOR心電図とは全く異なるかもしれませんが、そんなものに頼らなくてもきちんといつも同期できているので、お世辞ではなくSignaも本当に良いシステムだと思います。

電極装着法1

説明を読めばわかりますよね。呼吸によって心電図が乱れる人、確かにいます。おそらく心臓の信号が小さいのと、筋電図の信号が等しいくらいになっているからでしょうね。実は栄共済病院ではこれを励行していました。

電極装着法2

この方法では大胸筋をはずしているので、筋電図になりにくいのですが、ケーブルからのノイズが大きくなります。これも確かに経験があります。おそらく心臓の信号が小さいのと、ケーブルノイズが等しいくらいになっているからでしょうね。

中村さんお勧めの貼り方 

1)筋電図を防ぐために骨の上にはります。2)ケーブルを小さく貼ってノイズを防ぎます。

具体的には黒を肋骨、その反対の肋骨に白、赤は心尖部近傍の肋骨、緑は胸骨近傍左の肋骨でよいということになります。

なお今回発表された内容はUMTのeGroupのMLの共有フォルダーにありますので、是非皆さんアクセスして全ファイルをダウンロードして下さい。UMT MLの特権です。ごめんなさい。全国のユーザの皆さんはダウンロードできませんので御了承下さい。

基礎コーナ 

SPIOの検査方法と読影の仕方/北里大学医療衛生学部 尾崎正則 1.0Tユーザ

尾崎さんは今年の4月から北里東病院から北里大学医療衛生学部に異動したのでした。ところで北里東病院は日本でも1, 2を争うSPIO使用病院です。症例数も相当数あり、レゾビストも早くから使用経験があるのでした。本UMTでも昨年暮れ、レゾビスト発売とともに特集をやりましたが、半年たってようやく市場が拡大されるだろうということで再レクチャーをお願いしたのでした。1.0Tの画像ですが大変綺麗でしたよ。またオリジナルの創意工夫がなせれています。ルーチンの画像ですが512ベースで大変綺麗でした。ご本人も画像には自信がある。とのことでした。

最近では時間の関係から呼吸同期併用のFSEを撮影せずT1GEを用いたT2*強調画像を用いる施設が多くなっています。でもその得られた画像の欠点は血管も白いということです。 腫瘍も白、血管も白ということでコントラストが悪くなります。FSE(PDW)では基本的にはBBに近い画像が出ますので、腫瘍と血管のコントラストは良好です。また分解能も呼吸同期でありますので高く設定することができるメリットがあります。ところで嚢胞があった場合を想定しましょう。FA30度のT1GE系では上記症例のごとく腫瘍も嚢胞も白で描出されます。勿論谷本先生のFA60度では嚢胞は黒くなりますが、嚢胞も画像として出したいときはちょっと自分が得たい画像とかけ離れます。通常のFSEでも腫瘍と嚢胞のコントラストはつきません。そこでそうです。FRFSE法を使用することを尾崎さん達は発見したのでした。素晴らしいですね。一番右がそうです。*今年のJRCで発表されています。
ADVANCEDコーナ 躯幹部の拡散強調画像 まずは横浜栄共済病院 高橋がVER9.0で撮影している、撮影法について述べました。1.0Tユーザ

また拡散強調画像が役にたった症例を3例発表しました。まずGEのExcite以外のユーザは高速レシーバを持っていないので、Torsoでは撮影できません。つまりいわゆるSENSE DWはできません。ものすごく落胆したのですが、BODY COILでランプサンプリングを使えば歪みが少なく撮影できちゃうので完全には納得できないのですが、まあ最近ではいいかなーという感じになってきました。したがってここに掲載しているいずれの拡散強調画像もBODY COILでの画像です。驚くべくなかれ歪みもそんなになく、結構肺とかにも使えます。UMTでは肺の症例も掲載しました。

まずはおさらい。拡散強調画像の撮像シーケンスはB=0とB=指定値 SI, RL, APつまり4回撮影することになります。ここでできあがる画像はB=0と各B値で撮影した加算画像ができます。ここでLOWB値(VER9.0では最低50)Nの撮影方法3つ検討してみました。左スライドの緑3つ。
画像のSNですが、やはりBODY COILですので加算回数を増やしてSNをかせぐ方向に持っていきたいのが本音です。 非息止めで加算回数8のものが一番SNが高いように思いました。撮像条件は1分40秒くらいです。ここで驚いたのですが、息止めしなくても撮影できちゃうんですよね。でも画像のぼけがやはり気になります。真ん中は息止め24秒2NEXです。今まで述べたものはISOTRORHIC DW 3軸です。そしてもう一つはSIだけMPGをかけて14NEXにしたものです。この画像は3つのMPGの加算画像は使いませんので、画像はシャープです。(呼吸の影響を受けしくい)でも加算画像ではないのでSNは悪くなります。そこでめいっぱいNEXを稼ぎます。14NEXです。 画像のぼけはやはり最後に述べたSI MPG 14NEXが一番綺麗でした。肝臓はこれでやってみようと思っています。

拡大画像です。これだけ綺麗だと使えるという気がします。ちゃんとBBT2強調画像になっています。

このLOW Bではいろいろな周囲臓器、組織も描出しています。いわゆる病変だけを高信号に捕らえるもう一つの撮像条件B=1000ではSNを稼ぐために非息止めで撮影しています。

この症例は膵癌症例です。B=1000ではなくB=500で息止めでやっていたときの症例です。CTのLDAと相関して拡散強調画像では病変が白く出ています。周囲組織は病変の明らかさを高めるために黒くなることが理想です。しかし画像のSN, 病変のコントラストも悪くなりますので兼ね合いが必要です。

BODY COILで撮影するのでこのような悪性リンパ腫の症例も撮像範囲の制限がありません。BBT2強調画像として用いてみました。

反対にB=1000のhigh Bを用いないと描出できないものもあります。周囲が膀胱なのでB=1000くらいにしないと病変とのコントラストがつきません。造影MRIの画像と比較してみて下さい。よく相関しています。

以上が横浜栄共済 高橋の発表でした。

再び、北里大学医療衛生学部の尾崎さんからの提示です。1.0Tユーザ この症例は膵癌症例です。ところ変わればということであまりも綺麗なので吃驚してしまいました。SNが高いのはBWを±62.5kHzで撮影しています。息止めで撮影しています。
こちらはとても面白い症例です。直腸癌の症例です。よーく見て下さい。病変の周囲に腸液がありますよね。B=500ではまだ腸液を消し切れていません。これは栄共済病院の膀胱の症例と同じ使用の仕方です。 B=1000です。あれあれB=500で描出していた腸液は綺麗に消えて病変のみ描出しています。やはり落としどころのB値が存在するのは事実なようですね。
こちらは肝臓のBBとしての用い方かな?ただLOW Bでは胆嚢や嚢胞も白くなります。B=500ではそれらの正常組織は信号が抑制され病変の明らかさが向上します。がSNも悪くなるので使用目的をどちらに選択するのか?ということでしょうか。 これ驚きました。!! 食道癌の症例です。空気があっても歪まないのですね。B=500でも撮影できちゃいます。こういうのもよいですね。
骨メタの症例です。これも特に分解能はいらない症例なので良い適応です。BODY COILで撮影していますのでどこでも撮影できます。

例えば前立腺はTORSO, そしてちょこっと骨メタを調べたいときはこのBODY COIL を用いたBODY DWです。

TORSOの巻き付け意外の範囲でも撮影可能です。

北里大学病院 秦さんの症例提示です。1.5Tユーザ 秦さんの施設ではマンモに結構使用しているようです。B値は750を使用していました。撮像コイルは現在のフェーズアレイタイプではない。今では発売していないlinearな乳房コイルを用いていることで、SNよく拡散強調画像が撮影できます。B=750は実は横浜栄共済病院と同じなので安心しました。当院ではBODY COILですが.....。秦さんはやはり少し歪みが気になるとのことでした。
これはとても綺麗な画像でした。造影では背景乳腺も造影され腫瘍とのコントラストが悪いのですが、拡散強調画像では腫瘍と思われる部位のみ白く描出しています。うーん素晴らしいですよね。こういうのが撮影できちゃうのね。 これは前回12回でも発表した直腸癌の拡散強調画像でした。小さいのがリンパ節、ただリンパ節が白いことも非得異的なのでこれもこのB値における白さを証明することになるので、是非病理が欲しいとこです。でもこれはなんとなくいっている気がします。
これこそBODY COILで撮影できるBODY DWのよい症例です。上は肝臓のレベルから下は骨盤までどこでも撮影できちゃうのが良いのです。横断像はCTと比較するうえでもルーチンには良い撮像断面だと考えます。

衣笠病院の松村さんの症例画像です。筋肉にある病変や腹部のボランティア撮影で撮像条件を検討してくれていました。画像を掲載予定ですので、皆さんお待ち下さい。1.5Tユーザ

他施設のいろいろな画像を見せていただきましたが、今回は皆さんとても綺麗で吃驚しちゃいました。素晴らしいッす。

7.15 update内容

衣笠病院松村さん症例写真

関節突起の変性

右手のしびれで検査を受けた患者さんです。衣笠病院ではT2W, T1WのSAGとT2*とT1WのAXがルーチンだそうです。このとき、時間に余裕があったため、拡散強調画像を撮影したそうです。すると頸椎右背側に高信号となる部位が認められたそうです。脂肪抑制T2強調画像のSag, Corを追加撮影すると、同部位(C5-6)に高信号領域が認められました。拡散強調画像の所見と一致というわけです。

肉離れか筋挫傷

衣笠病院さんの同僚の方の臀部の写真だそうです。右の臀部痛があるため、ちょっと検査して欲しいということで、撮影を行いったそうです。右臀部にT2W, 脂肪抑制T2W, 拡散強調画像で高信号となる部位があります。2週間後に検査したところ、病変は小さくなっていたとのことです。

川崎幸病院 中さんによる骨盤の撮影方法の検討 毎回斬新なアイデアで僕の度肝を抜く中さん。今回もやってくれました。 前回のUMTでけいゆう病院さんから御発表があったK空間画像を出してきました。よく見てみると右の画像に着目して下さい。30/148ではK空間の中心部分は撮影できているのがわかります。
そこで中さんは撮影時間の最初30秒間を息止め撮影してみました。その効果はご覧あれ、確かにその効果はあります。また綺麗に撮影できています。これ驚きました。また前回のUMTの効果がまさに反映されているのです。素晴らしいですね。 それでは後半を息止めするとどうなるか?やはり後半は高周波成分を充填するのであまり効果はないようですね。面白いですね。

さて今回は超拡大版としてUMTの中身を大々的に公開しました。神奈川近傍のGEのユーザの方、是非MRに関して談笑しようではありませんか?お待ちしてますね。

*UMTweb表紙のリニューアル予定です。どんなになるか乞うご期待。

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