Last Up Date 2005.08.01
07月30日(土曜日)
晴。『人物で読む源氏物語』勉誠出版の巻頭座談会「作中人物論の回顧と展望」のため、お二人の先生をお招きしてお話を伺う。おふたりとも準備入念に望まれ、ただただ感謝です。不勉強を痛感しつつ、また新たに精進を誓いました。内容は僕にとって夢のようなシナリオの実現となった気がします。刊行をお待ちあれ。
07月31日(日曜日)
晴。先の15日、勉誠出版の応接室で、共同通信文化部の記者さん、カメラマンさんから取材をしていただいていたのですが、その記事の配信を受けていくつかの新聞が取り上げてくださったようです。僕が目に出来たのは信濃毎日新聞・読書欄「栞」。琴の絃や指の先まで鮮明にピントが絞られており、さすがプロの写真と感じ入りました。記事の内容も、ただただ感謝の内容でした。折しも県内の高校で小論文講座をしたために、実家に帰省すると親類縁者・母の友人からこの件に関する電話多数。さすがメディアの影響力。
07月01日(金曜日)
曇りのち雨。朝一番で車(トヨタ・プラッツ)を受け取りに 。カーナビくんが、音声で、右へ左へ移動せよ、と地図を時々読み違える僕を誘導してくれる優れもの。その後、松本市内の高校で、二年生の進路選択のための模擬授業「『源氏物語』と音楽」。湿気が高過ぎて音がくぐもった琴でした。さすがに夜は熟睡。明日の午前中はクールダウンと決め込みました。
07月02日(土曜日)
晴。所沢市松井公民館で「古典に親しむ会」『源氏物語』真木柱巻。実家に戻った嫁を訪問する髭黒の物語。なんと現代的な。。。。夜は来週の座談会のための予習。日本思想史と官職制度史の本に囲まれつつ、日を暮らす。もちろん掲載されるのは『人物で読む源氏物語』勉誠出版。
07月03日(日曜日)
曇りのち雨。注釈と原稿点検。葵の上の巻に、「袖の上の玉の砕けたりけむ」と見えるのは、諸註に、『集成』「当時の諺か。出典未詳」、『完訳』「出典があるらしいが、未詳」、『新編全集』「「けむ」とあるので、出典があるらしいが、適当な典拠が見あたらない」とあるところ。また古註にも『源氏釈』(書陵部本)「捧掌上之珠 摧心中之丹ー掌上の珠と捧げつつも 心中の丹と摧かん」や、『白氏文集』「何意見掌上珠化為眼中砂ー何ぞ掌上の珠化と意せらるるも眼中の砂と為さむや」(巻第二、一一七一)とありました。実はこれ、「掌中之玉」の故事を踏まえたものだと思います。手の内に握り締めている珠玉、すなわち、愛する妻、かわいい子供のことでしょう。典拠は傳玄「短歌行」に「昔、君、我を視ること、掌中の珠の如し。何の意か、一朝にして、我を溝渠(こうきょ=溝のこと)に棄つるや」。
07月04日(月曜日)
雨。明治大学の「日本語文献精読」は「航西日記」「独逸日記」を読み、「舞姫」へ。「論文演習」はクラスによって進度が異なり、「時事問題」最終回のクラスと「文章の構成を考える」三島由紀夫『道成寺』。後者はじっくり目を凝らしてみても、批評をするにはやっかいな難物なり。
07月05日(火曜日)
晴のち曇り。明治大学の「日本語文献精読」。進度は同じ。夕方は、國學院で『うつほ物語』の会、前期最終回。早いものです。
07月06日(水曜日)
雨。明治大学の「日本語文献精読」。試験を教務課に提出しました。水曜日は毎週雨。その中移動して青山学院女子短期大学。「古典演習」は輪読も名場面に。テーマも「平安時代の結婚」「通過儀礼」と力作でした。「国文学演習」の発表テーマは、「源氏と夕霧」「遊び」。後期も楽しみです。
07月07日(木曜日)
晴。折しも七夕の今日は、宇都宮市内の高校で、「日本雅楽史と『源氏物語』」と言う演題でお話しする。乾いた空気で琴もよい音を奏でてくれた上、お聞きの先生が七夕と琴の関係を生徒さんに解説してくださいました。しかし、琴の余韻も消えぬ間にとんぼ帰りして、勉誠出版の応接室で、『人物で読む源氏物語』第二期収録予定の座談会へ。国史学者のおふたりをお迎えして、日本思想史と官職制度史を中心に、「歴史文献としての『源氏物語』(仮題)」と言うタイトルの司会を務めさせていただきました。内容は、好事家垂涎の、と言うより『源氏物語』愛好者必読の内容になったかと思われます。乞うご期待。
07月08日(金曜日) Special Thanks 202,000 Hits
晴のち曇。ジムに行った他は終日自宅でクールダウン。のんびりするのはひさしぶりの気がします。
07月09日(土曜日)
曇りのち雨。やや肌寒いくらいの一日は終日自宅で仕事。待ったなしの仕事から片づける。弾琴少々。
07月10日(日曜日)
晴。彩の国芸術劇場で「源氏語り五四帖」「梅枝」巻。関係各所の協力で再現された薫香(梅花、侍従、黒方)の記憶が脳裏に残っています。会場は超満員で、しかも9;1の割合で、圧倒的に女性が占めていました。来る09月25日は、関連企画で「『源氏物語』を奏でる」。この前売りも飛ぶように売れておりました。
07月11日(月曜日)
晴。明治大学の「日本語文献精読」は「舞姫」を読んで前期最終回。「論文演習」は「文章の構成を考える」。三島由紀夫『道成寺』の批評するクラスに、昭和の短編小説を論評するクラス。それぞれ、これらを提出すれば前期レポートとなります。
07月12日(火曜日)
曇。明治大学の「日本語文献精読」はこちらも最終回。夕方からは『うつほ物語』の会の納会。あっという間の四ヶ月でした。僕の前に座った方は、明日、成績会議だというのに、採点が60人分終わっていないと言う。大丈夫でしょうか?
阿部好臣さんが、ここ数年、心血を注いだ来られた『中世王朝物語全集/松陰中納言』(笠間書院.2005.05.28/\4800)を頂戴しました。萬謝です。また、下原稿の作成に参加されたみなさん、ご苦労様。よかったですね。
07月13日(水曜日)
雨。明治大学の「日本語文献精読」、前期最終回。質問には丁寧に答えたつもりです。ついで青山学院女子短期大学。「古典演習」「国文学演習」ともに、この湿り具合には薫香こそがふさわしいとばかりに用意してあった香を焚く。後期もがんばりましょう。夕方からは、これも前期最後の「小右記」の会。忙しいのもそろそろ一区切り。
07月14日(木曜日)
曇りのち快晴。長野県東信地区の高校でお話しする。ほとんど地元でしたが、所用を抱えていたためとんぼ返り。いつものことですが。楽しみにしていた蕎麦屋は二軒とも定休日。以後は重要事項として記憶に留めます。
07月15日(金曜日)
晴。勉誠出版の応接室で『人物で読む源氏物語』に関するインタビューをお受けしました。この叢書の特色から、僕の知的関心の及ぶところまで、記者さんのリードよろしく、楽しい時間はあっという間に過ぎ行きました。
07月16日(土曜日)
晴。品川の立正大学で物語研究会。本部機能のある校舎の会議室で、荘厳な雰囲気。ただ、明日、学会のため、大きな荷物を抱えて新幹線へ乗り込まんとする会員多数。二次会は少人数で、それでも話題は尽きず、夜は更けてゆきました。
07月17日(日曜日)
快晴。朝、五時起きで、6時46分発の新幹線のぞみに乗り込み、奈良教育大学の第25回日本文学協会研究発表大会へ。僕も10回目あたりで発表したことがあります。古代後期、中世部会と何度か往復しつつ、延べ8本の発表を聴く。久しぶりに出席した委員会も、僕の知る限り最多の出席者を数えたようだし、懇親会も大盛況でした。懇親会の前、大学の側にある新薬師寺を、学習院の御一行に交じってはじめて参拝できました。高校生の頃読んだ、亀井勝一郎の『大和古寺風物誌』(1943年)に、「新薬師寺」の一章が収められ、「高畑の道」「薬師信仰について」を読んだことを思い起こしました。
07月18日(月曜日)
快晴。祇園の余韻が残る京都の町を歩きました。祇園の鐘の音が響く八坂神社は、まさに祭りの後。社内を綺麗に清掃する人も居たり、露天もにぎわいを見せていたりと。こういう時は、かき氷やアイスクリームが良いですね。33.7℃を記録した京都を三時には発って、明日からはまたいつもの日々が始まります。
07月19日(火曜日)
晴。夕方ジムに行った他は終日自宅でした。もちろんデスクワーク。
07月20日(水曜日) Special Thanks 203,000 Hits
晴。渋谷の國學院大學公開古典講座を聴く。新築の校舎に初めて入りましたが、たいへん立派です。講演には熱心な聴講者の方が大勢見えていました。
07月21日(木曜日)
晴。夕方ジムに行った他は終日自宅で注釈作業。
07月22日(金曜日)
晴のち曇り。明治大学で「日本語文献精読」の定期試験。監督補助におふたりついていただく。例年と同じ方式でしたが、今年はとくに苦戦していた模様。試験の後、浮かない顔も多く見受けられました。今年から、前後期制に完全移行し、試験が増えたことも影響しているようです。何はともあれ、二ヶ月後、元気に逢いましょう。
07月23日(土曜日)晴。夕方比較的大きな地震のあった日。 朝日新聞/be on Saturday「愛の旅人」王昭君と呼韓邪単于「漢書」「後漢書」は丁寧に取材に感心。何と言っても、湖北省興山県に住む王昭君の兄から数えて72代目の末裔を探し当てたのは圧巻でした。「故事大王」と呼ばれる語り部で、名も「王作章」さんと仰る由。まずは御覧あれ。
07月24日(日曜日)
晴。日本文学協会事務所で枕草子を読む。清少納言の二度の結婚はいかなるものであったのか、興味深いテーマです。
07月25日(月曜日)
晴。新潟県長岡市のイベント会場で進学相談会。大型バスの送迎で、千人を超える県内高校生の動員を数えたようです。僕は、人文系の模擬講義で「日本雅楽史と『源氏物語』」を二回。途中、二絃目が緩くなり、あわてて、二絃目を使わない曲に切り替える。こんな技がつかえるようになったとは、と自分に感心。
07月26日(火曜日)
台風直撃。終日自宅で注釈作業。なんとか送信して大きな山を越える。でもまたこの夏休みも原稿待ったなし。台風一過明日は暑くなるようです。緩んだ琴の糸を張り替える。本体に絃が馴染むまで絞りきれず、しばらくその絃だけは弾かずにおくのです。
07月27日(水曜日)
晴。夕方ジムに行った他は終日自宅。『人物で読む源氏物語』勉誠出版第二期五冊分の論文、コラムの原稿は滞りなく初校も戻り始めているようです。夏休みを挟んで再校を戻していただくことになるでしょう。長期旅行の方は、編集部にご一報をお願いいたします。週末の巻頭座談会が気になり始めています。
07月28日(木曜日)
晴。夕方渋谷でお仕事の他は原稿書きでした。深夜まで座談会の先生の本を拝読しました。
07月29日(金曜日) Special Thanks 204,000 Hits
晴。ジムに行った他は終日自宅。本日も原稿と座談会の予習。また予習。