Last Up Date 2004.07.01          

日記を物語る 2004年06月INDEXホームに戻る             


06月28日(月曜日)

雨から晴れ。明治大学の「国語」は「細雪」。七月は二回しかないので森鴎外はコンパクトに。課題にした歌舞伎座の幕見ですが、海老様の襲名披露のためほとんど入れず。締め切りを延期しましょう。「論文演習」は「批評」。三島由紀夫の「道成寺〜近代能楽集」を視聴してから批評文を書く。来週が楽しみです。

06月29日(火曜日) Special Thanks 165,000 Hits

快晴。明治大学「国語」。谷崎最終回。夕方からは國學院で『うつほ物語』の会・「国譲」の中巻。前期最後の力作は二回に分けて来週も行われます。この努力に敬意を表しつつ。

06月30日(水曜日)

雨のち晴。明治大学「国語」はこちらも谷崎最終回。青山学院女子短期大学の「古典演習」。「自由発表」は「出産・生育儀礼」。ポワーポイントの設定は僕より上手で、みなさんの感想も感嘆の声ばかりでした。


06月01日(火曜日)

曇天から雨。午前中はデスクワーク。原稿二本脱稿送信。校正一本返送。午後から明治大学の「国語」を予定通りにこなす。谷崎の「小田原事件」はかなり衝撃のようです。夕方からは國學院で『うつほ物語』の会・「国譲」の巻。コピーなしの全文パソコン入力43ページ。22枚。あまりの力作なので二回に分けても良かったかも知れません。

06月02日(水曜日)

快晴。明治大学。「国語」は『刺青』に入る。終了後、留学生から、留学生のための講義に使われている『上級日本語』なるテキストを見せられ、講義内容が難しすぎるのでどう対応したらよいかとの相談を受ける。確かにこれは懸隔が大きすぎますね。旧仮名遣いまでは書いてないテキストでした。しばらくお時間を頂いて考えます。青山学院女子短期大学の「古典演習」は「幻」巻輪読と「自由発表」二本。服飾や髪や化粧に、「花」のあれこれ。よく洗練された発表でした。

06月03日(木曜日)

快晴。茨城県の石岡市内の高校で進路講話。となりには国分寺があり、『源氏物語』の浮舟が済んでいたと設定されている地です。この学校はすでに二度目となり、話の勘所も押さえられてきたような気がします。僕の講話の後、大学・短大・専門学校など30校前後の来校を得て、進路相談会が行われ、壮観かつ熱気あふれるイベントとなりました。僕に質問に来た生徒さんの希望する学科を有する大学のコーナーへと導くと、先生も熱心にカリキャラムなどを話してくださったようで、生徒さんも緊張しつつも感激した様子でした。

帰宅して、庄司先生より、庄司達也・篠崎美生子編『日本文学コレクション 芥川龍之介』(翰林書房.2004.0520/\1500)を、西沢正史先生より『あらすじダイジェスト 日本の古典30を読む』(幻冬舎.2004.05.25/\1050)を頂戴していました。ありがとうございました。どちらも廉価で充実の内容。みなさん、ぜひ御高架をお願いします。

06月04日(金曜日)

快晴。久方ぶりに金曜日の朝を自宅で迎える。近所の保育園が移転して取り壊し中の振動と騒音に苦しめられながらも原稿三本入校。我ながらよく頑張りました。夕方は軽く水泳。夜は琴のメンテナンスと稽古。そう言えば、先生なかなか帰ってきませんな。

06月05日(土曜日) Special Thanks 162,000 Hits

快晴。所沢の松井公民館で古典に親しむ会『源氏物語』「野分」の巻。野分の後、六条院の女君たちをそれぞれお見舞いする場面。それにしてもまめですね。叙述も『うつほ物語』的な展開を思わせます。夕方はジムで水泳。

06月06日(日曜日)

曇天、雨。早稲田大学の小野講堂で全国大学国語国文学会。二部のシンポはさすがに日文協とはちがった雰囲気でちょっとしたカルチャーショック。

06月07日(月曜日)

雨から晴れ。梅雨入りしたという月曜日。明治大学の「国語」は「刺青」。清吉が広げる二枚の絵は毎回板書しているけれど、どこかによい絵はないものでしょうか?「論文演習」は時事問題。あえてマイクを通して報告いただくこととしました。真摯な社会へのまなざしがいいですね。

06月08日(火曜日)

曇天。午前中はデスクワーク。午後は明治大学の「国語」。昨年は同日三コマでしたが、今年は三日で三コマに分散しているため、内容・経過を書いてしまうと支障が生じる場合もあることに気付く。情報開示と機会均等のバランスは何かとむつかしいもの。

06月09日(水曜日)

曇天。明治大学。「国語」。三クラス横並びで月例テストを行う。出来は如何なりや?移動して青山学院女子短期大学の「古典演習」。「自由発表」は「年中行事」と「源氏物語の女性達〜桐壺更衣・藤壷論」。作中人物への関心が高いのは、「批評・質問」カードでよく分かります。夕方から慶応で『小右記』講読会。除目による国司の交代に伴う、手続きを学ぶ。親が職を辞して子を後継に指名することを道長が怒ったというくだり。史学で最も研究の進んでいる分野だそうで、先行論文の膨大な数に驚く。こちらのメンバー諸氏も、『人物で読む源氏物語』の「歴史背景」「信仰」を合わせて20巻執筆いただくことが内定。原稿が楽しみです。

06月10日(木曜日)

曇天。千葉県我孫子市内の高校で進路講話。まだ二年生と言うこともあって、後方に陣取った生徒さんグループは注意力も散漫。対照的に、最前列に陣取ったグループの眼差しは真剣そのものでした。学年主任の先生から、講話内容について、お褒めの言葉を頂戴しました。ありがとうございます。

06月11日(金曜日)

曇天、ときどき雨。川口市内の高校で進路講話。総合講話は予備校の先生をお招きしてお話ししていただき、僕も勉強に聴かせていただきました。会場を移して、体育館で大学・専門学校など40校以上の参加を得て、相談会を行う。僕は、「総合コーナー」で、相談に来た生徒さんに大学選びや勉強の仕方をお答えすると言う役割。なぜか女子しかお見えにならなかったが、「女子大は厭」という話を口々にされたのはかなりショック。母校の担当者さんに挨拶に行くと、大学院教務担当だったそうで、名前を覚えて下さっていて、ひたすら恐縮。十重二十重の生徒さんに囲まれ、うれしそうな笑顔が印象的でした。

06月12日(土曜日) Special Thanks 163,000 Hits

曇天。紫式部顕彰会での講演のため、京都へ。南禅寺東側の落ち着いた界隈に 菊水はありました。顕彰会の理事である社長さん自ら準備を手伝ってくださり、机椅子も用意した分、すぐに満席となりました。ポワーポイントの設定は副会長の加納重文先生が京都女子大学から機材を運び込んでくださいました。スライドの映像も鮮明で、レジュメ以外の文献や写真をたくさん紹介することが出来たのは何よりです。琴も無難に二曲弾き終え、「紫式部の本名 その後」のタイトル通り、前稿の展開として、紫式部の幼名「もも」説を中心にまとめました。近々、論文や連載の形で御覧いただけるものと思います。熱心な聴講者の方から、「明石」の巻の源氏の歌「中の緒」の解釈について質問がありましたが、これはネットで、七絃琴の演奏があることをご存知だったからなのだ、と思い合わせました。いろいろな方の、たくさんのご厚意で実現したこの講演会、自らの今後の精進を誓いました。夜は先斗町まで出て同行の母と小さな宴。加茂川のほとりを歩きました。

06月13日(日曜日)

快晴。紫野にある紫式部の墓を尋ね、その住居跡の廬山寺を尋ねる。さらに京阪で宇治へ行き、源氏物語ミュージアムと源氏フルコースで半日費やしました。午後は同志社で古代文学研究会に約五年ぶりに参加。昔からのメンバーに若いみなさんと時代は変われど変わらぬ雰囲気に心が和みました。三次会では東京から講演に見えたという、和歌研究の有名人さんと、そのホスト役を務められたモダニズム批評の旗手さんに遭遇。これもまた驚きでした。記念の名刺、大切にさせていただきます。

06月14日(月曜日)

快晴。五時に起き、06時15分の「のぞみ」で品川駅から明治大学和泉校舎に直行。身の回りのものはすべて送り返し、琴だけ抱えて学校に行ったため、「国語」の時間も最初は琴。さらに「刺青」から「細雪」へとなだれ込む。「論文演習」も琴の蘊蓄学の後、時事問題をたっぷりと聴いて家路へ。

06月15日(火曜日)

快晴。明治大学の「国語」は土曜日のポーワーポイントで「紫式部の本名」の話を聞いてもらってから、「刺青」「細雪」。伝記の話も結構興味を持ってくれたようです。夕方からは、青学会館で「国文学科」の懇親会。 諸先生方とあれこれお話しいただく。アットホームな時間でした。

06月16日(水曜日)

快晴。明治大学。「国語」。内容は火曜日に同じですが、クラスによって反応が違うもの。気温が上がり、移動もきつくなってきた、青山学院女子短期大学の「古典演習」。「幻」巻の輪読に「自由発表」は「玉鬘」。いわゆる就活(しゅうかつ)で、もうひとりの発表予定者さんが間に合わなかったけれど、ライブで進行状況が分かったので、七夕の予備日にまわっていただきますからご心配なく。

06月17日(木曜日)

快晴。岐阜県県の美濃加茂市内の高校で進路講話。特急ひだ、長良川鉄道と乗り継いで約四時間。地元名門の進学校で、国立大学法人の先生も四名お見えになり、模擬実験を二会場で行うほど大規模なガイダンスでした。パンフレットも「オープンキャンパス、イン○○高校」。中京地区の大学も総出講の趣でした。先日、関係者から中京地区の大学は乱立しすぎたため、10年後、1/3が現状維持はできないとのこと。確かに東京地区の大学から学生勧誘までしているのだから、ここは正念場なのだなぁ、と実感しつつ帰途に就きました。

06月18日(金曜日)

快晴。秩父郡内の高校。久方ぶりに武甲山を眺めました。それにしても秩父のお蕎麦は美味ですね。感動しました。ほぼ埼玉県内の大学の進学を考えているようで、沿線の大学が人気。二クール目は小論文のミニ講座でしたが、国文科志望の生徒さんは作文が得意で短時間にスラスラ。でも今は、県内に本部機能を置く大学で、「国文学科」を名乗る大学が一つもないのは、時代の趨勢でしょうか。

06月19日(土曜日)

快晴。横浜市立大学で物語研究会。発表二本は充実した内容であったけれど、大会の“懇親会“を決めるのに費やした議論は、机上の空論への失望もありつつ、未来への希望につながる若い人のまともな意見もあり、考えさせられました。ただひとつ、確実なのは、会を支えてきた《つもりの》我々が、「深刻な反省期 /P114」《GYROS 3》なしに「正義の味方」ぶるのは愚の骨頂そのものだと言うこと。夏の大阪では、先週の古代研のみなさんからのように、厳しい批判の洗礼を、再度受けねばならないでしょう。

06月20日(日曜日)

台風接近の怪しげな雲行きの日曜日。今月初めて休養日。利用者からご指摘いただいたリンク集を、何ポイントか修正しました。またご指摘下さいませ。

06月21日(月曜日) Special Thanks 164,000 Hits

台風で突風吹き抜ける月曜日。明治大学の「国語」は「細雪」。系図を作りながらの人もあり、今年の学生気質はどこか違う気がします。「論文演習」は時事問題。それぞれの講評も話していただきました。

06月22日(火曜日)

快晴。蒸し暑い一日。明治大学の「国語」は試験日程も決まり、夏休みが彼方に見えてきました。夕方からは國學院で『うつほ物語』の会・「国譲」の巻。「橘」の歌が「出産」がキーワード。

06月23日(水曜日)

快晴、真夏日。明治大学。「国語」はそろそろ夏休み前までのスケジュールを考え始めました。つらい移動のなか、渋谷駅で発砲事件があったことを知る。青山学院女子短期大学の「古典演習」。「自由発表」は「婚姻慣習」と「源氏香」。夕方から慶応で『小右記』講読会。夏は軽井沢で合宿も内定しました。

06月24日(木曜日)

快晴。高崎線北本駅で待ち合わせて、近郊の高校で進路講話。近隣の高校との合併が決まっており、在学しているのは三年生44名のみ。欠席者もなく、先生方が全員の進路希望を把握しているという理想境的な世界でした。昨年も全員指定校推薦で進学。就職率もパーフェクトだったとのこと。それにしても暑い暑い一日でした。

06月25日(金曜日)

雨。銀座の画廊で行われている、今年一月に急逝した女性作家の個展に出かける。瀟洒な紫陽花の画が記憶に残りました。

06月26日(土曜日)

快晴。白百合で『浜松中納言物語』巻一。キーワードは「象眼」。

06月27日(日曜日)

曇天。母校で『元輔集』本日のキーワードは「逢坂の関」と「走り井」。連日短めにて。


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