物語史
500年の物語史展望の試み 上原 作和・神野藤昭夫
授業の目的・目標 『源氏物語』を生んだ物語というジャンルに注目して、古代から中世へかけての物語史の流れを、多層的に把握する試みを講義したい。
講義にあたっては、物語そのものの理解を深めるとともに、物語文学研究への興味をいだくように配慮したい。
なお前期を上原 作和が、後期を神野藤昭夫が担当する。
講義要綱・項目・授業の運営方法、スケジュール等
つぎのような内容を順次取り上げて講義する。
1 <物語>という言葉
2 『竹取物語』の成立背景
3 『伊勢物語』の成立過程
4 摂関政治史と物語史−『落窪』『うつほ』
5 音楽伝承譚の系譜
6 日記文学と物語
7 紫式部と『源氏物語』
(以上担当・上原)
後期分−略−
評価方法 前期の1−7に関しては単元ごとに小レポート(B5の半分程度の分量)及び期末テストを課す。後期は期末テストによる。出席状況を考慮する。
テキスト プリント・配布などを用い、特に指定しない。
参考書 「国文学解釈と教材の研究」(1998.2学灯社.特集「伊勢物語とうつほ物語」)/『中世物語を学ぶ人のために』(大槻修・神野藤昭夫編 世界思想社)/『散逸した物語世界と物語史』(神野藤昭夫・若草書房)/『時代別日本文学史事典・中古編』『時代別日本文学史事典・中世編』(有精堂 ともに版元解散のため、新刊では買えない。古書店で探すとよい)
日程 講義内容 配布資料等
411 ガイダンス。<物語>という言葉
417 <物語>という言葉
424 <物語>という言葉 『枕草子』物語は、『更級日記』
501 竹取物語の成立背景 ビデオ。正倉院北倉を撮る
508 竹取物語の成立背景 竹取物語求婚難題物資料
515 古今集から伊勢物語へ 伊勢物語主要章段・古今集業平歌
522 伊勢物語の時代
529 定家本伊勢物語の世界 定家本影印
605 狩の使本伊勢物語の成立 伊勢49段・源氏総角巻
612 うつほ物語の世界
619 うつほ物語の世界
626 音楽伝承譚の系譜
703 『源氏物語』の世界 「胡蝶」巻
期末テストは7月17日
定期試験・概要
期日:7月17日(金曜日)一時限目(9:10−10:10)
406番教室
テキスト・プリント持ち込み不可。
内容:記述・論述併用式。講義内容に準じた、平安朝語彙の読み方と簡略な解説、および講義内容に準じた複数の設問より二題選択のこと。
留意事項:1.欠席が全講義回数の1/3回を越える学生には単位認定をしません。
2.遅刻は20分まで、それ以後の入室は認められません。
3.学生証を携帯し、机上に提示すること。(忘れた場合は仮学生証の発行が必要です)
4.試験時間は60分です。
5.定期考査は大学の規定に則って行われます。