随心院
Zuishin-in Temple

醍醐寺から醍醐天皇陵を経てゆるやかな坂を下ると随心院がある。
受付になっている庫裏に入り、奥書院、本堂、表書院、大玄関を拝観した。これは医王門と表玄関。小野小町ゆかりの寺であり、深草少将の悲恋伝説は高校の古文の授業のときに聴いたことがある。その深草へ通った小道がこの右手、化粧井戸の西側にあったそうだが、今は跡形もない。
化粧井戸といっても深いものではなく、宇治神社や小浜神宮寺などにある井戸のように湧水を石垣で囲ってあり、石段を数段降りてゆけば水が汲める。傍らに、この水で顔を洗うと小町のような美人になれると書いてあった。水に手をひたしてみた。配偶者に持って帰ってやろうかと少し心が動いたが、思いとどまった。もし万が一、「必要ない。」と言われたら、どう答えていいか分らないからだ。バスで四条烏丸へ出る。