本堂
The Main Hall of Taima-dera Temple

昼過ぎにふと思い立って神戸を発ったので、着いたのは午後3時をまわっていた。石段に坐って東塔をスケッチしていたら5時近くになり、陽が二上山の方に傾いてきた。8月とはいえ陽が翳ると少し膚寒い。この寺に伝わる中将姫の伝説と、二上山に眠る大津皇子が甦る折口信夫の小説「死者の書」を思い出し、本堂のご本尊「當麻曼荼羅」に参拝して辞去することにした。曼荼羅厨子は天平時代、須弥壇は鎌倉時代のもので共に国宝。曼荼羅の原本「根本曼荼羅」(国宝)は損傷が激しいため、本堂には室町時代の写本が祀られている。